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恩恵の都、その密かなる寂寞の落陽に、俺の呼吸がピタリと一致する。これが芸術か。豚の紋様、コケの花、昔の論理の裡に孤立した狸、その里に埋めた「きのこ」だか「たけのこ」だかが跋扈した。躍動した。不思議な日曜日の朝。俺はごきげんだ(嘘)。 橋よ落ちろ。それが俺の願い、俺の理想、俺の呼吸の根源たる思想、その憔悴しきったシステムに蔓延する無能、自責、そして新たなる才能ーーその神殿を、このオリュンポスのヒマラヤ(←なにそれ?)に、そっと解き放ったのだ。徳はない。得もない。自我の崇拝を失
星が落ちた。俺の頭上に、鉄壁に。そこはオアシスだけが足りない理想郷、君だけがいない楽園であった。俺は、繁栄を躊躇い、裸足で湖を踏みならし、楽の音の鳴り止んだ鼓動の故郷に想いを馳せるーー。お金欲しい。 繁栄。喉から手が出るほど欲しかった黄金の文字列。俺はついに楽園を手に入れた。白よりも明るい花束を。俺はようやくーー。 上陸。そこが冒険の鏡面であり、物語の両端を繋ぐ激情の路線。俺が歩いた文面は、荒野にもなれば森林にもなる、巨大な新緑の都市、マグネシウム。誰もがよく使うその言葉
この場所には飛行場があったと思ったのだが。私は、草むらの中の大きなキノコに腰掛けて、辺りを静かに眺めていた。マルボールで買ったチョコ・プリンを食べながら。空には巨大な雲がーー入道雲って言うのかな?ーー異様なほど間近に浮かんでいるように感じられ、一帯はどこか不自然な平和な雰囲気につつまれていた。ヨット、赤と黄色のカラフルな扉、砂場。私は草むらから、そんなものを眺めていた。 細かいことを考えなければここは居心地がよい、と思う。自信はない。自分で言っておきながら、奇妙なことだが。