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「良い会社」とは、いったい何だろうか?
僕は、良い会社にすることは「賢い」選択だと信じている。それは、従業員の人数・体力・気力が充実せずには、顧客満足が成しえるとは思えないからである。顧客は自分の愛する人でもないのだから、無償の愛なんて注げるわけがない。疲弊した従業員に顧客第一を強要するのは、虫が良すぎることだと思う。
では、いったい「良い会社」とは何だろう?。
給与が高い、福利厚生が充実している、人間関係が良い、儲かっている……。要素はいっぱいある。人の数だけ組み合わせがあるかも知れない。
面接でも、よく聞き返される。最大公約数的な考え方の人もいれば、利益一辺倒の人もいる。価値観が大なり小なり異なる人が集まり、ある目標を目指す組織となる。価値観が違えば、当然、諍いも生まれる。
では、似た価値観の従業員だけを集めれば良いかというと、そうでもない。似た価値観の集合は、時代の変化に弱いという研究もある。そして、人は良くも悪くも変わっていくものである。
そもそも「価値」というものは相場で決まるものだから、価値観も変わって当然である。失敗したり、成功したり、昇進したり、結婚したり、子供を授かったり……、優先事項は変わっていく。だから、価値観は当てにならない。仮に、不変だったとしても、自身の価値観に固執して時代に取り残さるというのは、よくある話だ。
しかし、「価値」を当てにせず「良い」を定義しようとすると抽象度が高くなる。それはそういうことなんだと思う。「良い」を継続、好循環させるには、従業員自身も含めた組織の努力が必要になる。与えられるものではない。
いわば「組織としての姿勢」である。つまり、「良い会社とは、好循環を達成し、維持・循環をさせることに、当事者として携わる人数の度合いが高い」ということではないか。おのおのが、それぞれの「良い会社」を目指してワイワイガヤガヤ出来るということではないだろうか。
そうは言っても、価値観が違うからこそ、一定の共通認識、規範やルールが必要になる。そのための最小公約数の定義は必要だと思う。舞台、場となるもの。会社というものへの信用の源泉となるもの。
僕は、規範やルールは面倒くさいものだと思っていた。それは間違った考えだったと「ローマ人の物語」を読んでハッとさせられた。
宗教は、それを共有しない人との間では効力を発揮しない。だが、法は、価値観を共有しない人との間でも効力を発揮できる。いや、共有しない人との間だからこそ必要なのだ。
そして、僕の思う最小公約数はこれである。
・法令遵守
・人の尊厳を守る
・適正な利益、適正な給与、適正な社会還元
■法令遵守
法治国家である日本で、法律を無視するということは、そもそもリスクが高い。そして「法」を守らない会社が、いったい何なら守れるというのか。これは、会社の信用に直結することだ。しかし、中小企業は法改正のスピードに対応できないことも多い。人材や生産性を向上させないと残業代を出したくても出せない。そういったジレンマは多いのではないか。それでも、最低でも法に追いつこう、追い越そうとする姿勢は必要だと思う。
■人の尊厳を守る
憲法第25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障している。逆に言うと憲法で明文化しているということは、自然権ではなく、努力が必要なのである。人の尊厳を守らない企業は、人を数字や人畜として扱う。それは、人間が働く場ではない。ハードワークや厳しい指導が尊厳を傷つけるわけではなく「同じ人間として」を慮る精神の欠如が異常事態なのだ。
また、惨めさも尊厳を傷つける。
仕事を惨めなものにする3つの要因
①無評価
(自分のパフォーマンスを具体的な形で直接評価する方法がない)
②匿名性
(自分の貢献がリーダーに認められている、自分がリーダーに理解されている、と感じる機会がない)
③無関係
(自分の仕事がどのような違いをもたらしているのか、なぜ重要なのかがわからない)
つまり、「自己効力感」と「自己重要感」を充実させることである。これは「やりがい」と言い換えてもいい。仕事の充実には「生活のため」を超えた「やりがい」がいる。
■適正な利益、適正な給与、適正な社会還元
法令遵守も、尊厳を守ることも大事だが「金の切れ目は縁の切れ目」という現実は当然に受け入れなければならない。従業員に高楊枝を期待してはいけない。
だから、適正な利益を得ることを誇りと思い、業界平均を少し超える適正な給与を出し、適正な納税や社会貢献ができる「豊かさ」を目指していると宣言することは必要ではないだろうか。
それらを土台としてこそ、おのおのが思う良い会社を築くことができると感じる。それを10年、30年、100年と継続していく。どうしたらそれが可能なのかと議論、切磋琢磨できる。こういうこと尽きるのではないだろうか。
「私はこの会社を、良い会社にしたい」と言うメリットが、言わないメリットよりも、ずっとずっと大きい。それが「良い会社」ではないだろうか。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
足跡を残していただければ幸いです。
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![総務部総務課 マモたろう](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132951970/profile_8ae130c9d7de9de6f1db098638148f9b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)