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それでいい と、どうして思えるのであろう

 置き捨てられた空き缶に

 買い物カゴが乗ったまま放置されたカートに

 道端に落ちる吸い殻に

 乱雑にされた品物に

 何とは言えない 儚さがある
 何とは言えない 空しさがある

 ぶつかってでもお構いなく

 割りこんでも悪ぶれず

 避けようともしない

 言葉ではなく出るのは舌打ち

 何とは言えない 諦めがある
 何とは言えない 悲しさがある

 それは道徳とでも呼ぶべき必要のあるものなのか

 そんなふうに 仰々しく 
 扱わなければ いけないものか

 躾糸の意味さえ解かさずに……
 茨木のり子の詩が刺さる

 子は親を見て育つ 子は大人を見て育つ
 子は社会を見て育つ 子はすべてを見て育つ

 その親が 大人が 社会が すべてが
 道徳を忘れ、それ以前の配慮も忘れ
 自分のことばかり 自分たちのことばかり
 それを見て 何と思うか 何を感じるか

 親もできない 大人もできない 社会もできない

 それを見ている子供たち 

 それでいい と思うのか
 それではいけない と思えるのか

 わたしには わからない

 わからないまま 改めて
 道徳 という言葉が 胸に 響いている

 空しく 響いて いる

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ふみ
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。