特にきっと、理由なんてないのだろう、から
人が人を嫌うのは、なんでだろう。
どうして、そんなに、蔑みたいの?
どうして、そんなに、いじめたいの?
どうして、そんなに、無視するの?
どうして、そんなに、陰口叩くの?
私には、それが、わからない。
わからない、けれど。
きっと、そこに理由なんて、ないのかもしれない。
自分が安心したいから、だけなのかもしれない。
わざわざ徒党を組んで、仲間を作って、疎外して、そうして自分の立ち位置を見ている。
ただ、それだけなのかも。
それとも、それが楽しいのかな、気持ちいいのかな、いいことなのかな、すごいことなのかな。
私には、でも、やっぱり、わからない。
その気持ちもわからないし、なんでそんなことをしたいのかもわからない。
小さい子でも、学生でも、大人でも、年を老いても。
それがなくならないってことは、人の性なのかもしれない。
考えが、価値観が、受け止め方が、解釈が、何もかもが、違うからといって、それが相手を貶める理由にはならないはずだ。
それとも、ちょっとしたこと。それとも、大きなこと。自分が受けた、嫌なこと。
それが、引き金だとしたら……いや、それでも、わからない。
わからないまま、今日もその労力に乾杯したい、と思う。わざわざ、無視をして、遠くで陰口を叩いて、挨拶に行くと、すっと行ってしまう。
自分の子には、どうやってこの状況を伝えるのだろう。
わからない、けれど。
それがなんであれ、私にはなんの関係もない。
小さな、この子の手を握る。この手のぬくもりだけが、私の守るもの。
私は、この子に、私の思うことを伝えられるように。挨拶に行こう、無視をされても、嫌味は言わない、陰口を叩かれても、笑顔でいよう、疎外されても、笑顔でいよう、この子のために。
そう、ただ、この子の、ために。
私は、私の、できることを、しよう。
この子がくれる、笑顔を守るために。