花冷え
触れることもなく そっと
指先が 冷える
その感覚が リアルに 届く
精密な動作を 求める前に
機微たる志を 求める前に
ここにいる その感覚が
その感触が 届いてくる
縋るように 頼りのない
寄り添うて 留まりゆく
散るより前の 花びらたちよ
淡く 儚い 舞う 命よ
それより前に しがみつく
この冷えに 輪郭を刻みゆく
曖昧な空気に ぼやける 前の
ここにいる ことを伝える 花びらたちよ
それゆえ きらめく はなれた かけらよ
その姿を 瞳に 焼きつける
美しい 姿を 記憶に 残す
冷えた 指先に 触れること なく
今は ただ 見つめて いよう
命の もゆる そのとき まで
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