それはひとつのまちづくりにも似ているーー他職種の連携
チームケア
という言葉を意識したのはいつからだろう。
福祉職であるかぎり、本当に様々な人、様々な職種、の方とかかわりを持つ。
介護士、看護師、医師、リハ、相談員、etc
そして、その中には新人もいれば中堅もい、上司もいる。非常勤、常勤、嘱託、様々。
もちろん、利用者の方も忘れてはならない。
本当に、多種多様な方とのつながりを持って働く場だと感じる。
人によっても様々であるけれど、職種によっても考え方はまるで違う。
それぞれの視点で立つと、意外とそりの合わない部分も出てくることもある。しかし、それは致し方ないところもあると思う。
大事なポイントが違う、というより、仕事そのものが別物である以上、求めるものが違うのだから。出発点も着地点も違う。
しかし、そこはチームケア。チームで働いている以上、相互に関係を持つことが必要であるし、いがみ合う必要性はまるでない。
みんながみんな同じでは、かえって視点が偏ってしまって多角的な支援は望めない。そのほうがむしろ、利用者にとってはマイナスになりうる。
あくまでどこかの職種のワンマンプレイではなく、多種多様な職種によるチームプレイなのだから。
私の中で、チームケアのイメージ、理想とするものは、丸亀製麺である。
丸亀製麺は、麺を作る人、麺を茹でる人、天ぷらをあげる人、会計をする人などなど、ひとつの仕事をそれぞれがこなす中で、ひとつのうどんという作品ができあがる(そこには購入するお客さんもいる)。
そして、それぞれの持ち場だけをするのではなく、相互にかかわり合い、必要に応じて役割を変わり、流れを作る。
その一連の流れが、私にはとても惹かれるものであった。まさしく、それこそが必要なチームケアなのではなかろうか、と。同じことをみんなでするのではない。それぞれが違うことをしているけれど、中心はあくまでうどん(利用者)。その軸がぶれず、かつ方向性が同じである。その視点が大事なのだと。
みんなが同じことをしていると、他のことが疎かになってしまう。
あの人がこっちをやってくれているから、私はこっちをやろう、こっちができる、というほうが流れもよくなるし、相手の信頼にもつながる、と私は思う。信頼していなければ、任せることはできないから。
けれど、人によってはなぜ手伝ってくれないの? みたいなオーラを感じたことも、ずいぶん前にはあったのだけれども。
似たようなものだけれど、領域に例えたこともある。
支援領域と看護領域、その他様々な領域。それらはまったく別物ではあるが、重なり合う部分も存在する。
必要なのは、お互いの領域に干渉することではなく、それぞれの領域を認めた上で、仕事を任せることであり、重なり合う部分は共有し、フォローすることである。
それぞれの領域、役割を心がけ、必要に応じて歩みよる。それぞれの領域に関しては、その仕事を信用し、信頼すること。任せる、ということが必要な要素なのだと思う。
必要なチームケア。必要な支援のあり方。
利用者支援において、本当の正解、と呼べるものはそうないのだと思う。正しい、と思っていたことが、実は違うことだったり、よりよい方法があったり。だからこそ、正しい、でくくってしまうと、それ以上は何も見えなくなってしまう。もっとこうしたほうがいいかもしれない、こんな方法はどうであろう、そうした視点の変換が常に大切である。
私自身、正しい、にとらわれてしまったこともあって、なかなか、自分で書いていて恥ずかしさもある。ただ、それゆえに、
改めて、そう感じる。
それでいいの?
この言葉が胸に残る。心に響く。
あぁ、改めて、チームケア。
意識して、取り組んでいきたいと思う。