【映画感想139】 シャーケンシュタイン/マーク・ポロニア (2016)~きっとおれたちはみんな宝石
自己紹介
こんにちは。あまりにも語彙力がなさすぎるので週2で映画の感想を書き始めた映画好きの絵描きです。
しばらく止めていましたが週一ペースで更新していこうと思っています。今回は「シャーケンシュタイン」を観ました。
https://note.com/narunotes/n/nb8f2a1e3a605
あらすじ
極秘実験により生み出された怪物、シャーケンシュタインが平和な街を襲う____!!
感想(ネタばれあり)
■サメ映画に思うこと
ガーデンクォーツという石があります。成長の過程で他の鉱物や泥岩などを巻き込みながら結晶化したクォーツで、内容物(インクルージョン)が植物や風景に見えることから根強い人気を得ています。 天然石は一般的に内容物が少なく透明度の高いものほど評価が高くなるのに対し、ガーデンクオーツはその真逆で、内容物が美しければ美しいほど評価が高くなります。
いわば価値を逆転させた石とも言えます。
そしてサメ映画において、一般的に映画にとってマイナスである雑さ、くだらなさが一転して輝きだします。 これは映画界のガーデンクォーツと呼べるのではないでしょうか。
B級映画ならだいたいそうでは?(例:恐怖!キノコ男)という意見もあると思いますが、 やはりサメ映画界隈はふざけ方に拍車がかかってるなという印象があります。 今年名古屋で行われたサメ映画祭のキャッチコピーは「シャークな波にライドON」でしたし、新作映画の温泉シャークはクラウドファンディングで1支援ごとに「サメが増える」という暴挙にでていました。普通の映画なら敬遠されるであろうアイデアでふざけたおし、
そしてそれを見た観客は笑顔になる。
どんなマイナス要素であっても、
それを好む人間が世界のどこかには必ずいる。
こうでなければならないという固定観念にとらわれ、社会の「標準」に合わせようと無理をする現代人にとって、くだらないままでいいのだというメッセージはある種の救いではないでしょうか。
チェーンソーな某漫画の表現をかりるなら、
クソ映画はクソ映画のままでいい。
あなたのはあなたのままでいいのです。
ガーデンクォーツが「内容物」が美しいほど評価されるように、サメ映画もその雑さやくだらなさが「内容物」として輝きを放つのでしょう。
■シャーケンシュタインはどうだったか
最初の犠牲者Aのシーンの雑CGとスピード感が最高です。こういうのでいいんだこういうので。
さらに英語なのに棒読みとわかる棒読み、絶対に脱がないヒロイン、代わりにばかりに映し出される中年男性のサービスカット、それワークマンで買いました?という感じの作業着を着たナチスの工作員。
すばらしいです。
また、予算はわりとあるけどあえてチープに見せている印象がありました。もしかしたらスタッフに所有者がいたのかもしれませんが、ダイビングしている様子もクルーザーに乗る様子もCGではなく、ドローンを使った上空からのカットもあったからです。
(※ちなみに以前見た「霊界サメ対戦」は明らかに湖のシーンで撮影するという暴挙に出ていました)
昨今はスマホのカメラでもどんどん性能があがっいるので、あえてチープな映像を撮るというのも逆にむずかしくなってくるのかもしれません。
やっぱり映画として面白いかって言えば全然面白くないので(その面白くなさを求めて視聴するのだけれど)オススメはできないのですが、自分の価値を見失った時、劣等感に苛まれた時、「サメ映画を見る」という選択肢があるのはいいことだと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
海よりフカい感謝を込めて。
また次回。