読んだ本 2025年1月号 6冊


★★★☆☆ / スッキリわかる 日商簿記3級 テキスト+問題集 (2024年度版)

簿記の全体像が掴めない状態のまま状況別の仕訳の解説がはじまるので、暗記するしかない。1冊目の書籍にするには全体の説明が不足していて、2冊目にしては読みづらい。
問題集として使うならいいのかもしれない。

★★★★★ / いちばんわかる日商簿記3級の教科書

「財務諸表(貸借対照表と損益計算書)」「簿記の全体像」からはじまり、個別の勘定科目の解説が始まるのは第3章からなので、必要性がなんとなくわかった上で個別の事例を学ぶことができるようになっている。内容も不要な絵などがなくて読みやすい。

まとまった問題集は付属しておらず、各項目の解説のあとに演習問題と回答が記載されている。個別の事例が理解できているかを確認しながら読み進める構成になっていて、いい構成だと感じた。
別途問題集を用意して知識の確認をすればかなり理解ができると思う。

★★★★☆ / グロービスMBAビジネス・ライティング

序章 ビジネスにおける良い文章の条件
第1章 読んでもらえる文章を書く
第2章 説得力をもって主張する
第3章 印象を残す
第4章 目的に合った構成、トーンにする
第5章 センテンスをわかりやすく書く
第6章 文章を書くプロセスと心構え
第7章 実践する

さまざまな状況に対して、いい文章と悪い文章の比較がされ、悪い文章の問題点が指摘されるような構成になっている。悪い文章はたしかに読みづらく主旨もわかりづらいので、本文の解説には納得感はある。

一方で、本書を読むことによっていい文章が書けるようになるとはあまり思えない。以下のような問題があると感じた。

・メールやブログの例も含んでいてビジネスに関わる多くの文章を対象にしていることによって、本書のテクニックの適用範囲が曖昧である。
・特定のフレームワークに依拠している訳でないので、それぞれの事例を個別で認識するしかない。

本書でも言及されている『考える技術・書く技術』では考え方の基礎となるフレームワークが提供されているので、併せて参照したい。

★★★★★ / 共産党宣言

教養として社会主義の発端に触れたくて読んだ。
なにかの思想に染まったわけではない。

資本は個人的な力ではない、それは社会的な力である。
したがって資本が、社会の全成員に属する共有財産に変えられたところで、それによって個人的財産が社会的財産に変えられるわけではない。変化するのは財産の社会的性格のみである。すなわち財産の社会的性格のみである。すなわち財産はその階級的性格を失うのである。

第二章 プロレタリアと共産主義者

私有財産の廃止とともに、すべての活動がやみ、一般的怠惰がはびこるであろう、という異論がある。

第二章 プロレタリアと共産主義者

家族の廃止!もっとも急進的な人々さえ、共産主義者のこの恥ずべき意図に対しては、激怒する。

第二章 プロレタリアと共産主義者

もっとも進歩した国々にとっては、次の諸方策はかなり一般的に適用されうるであろう。
一、土地所有を収奪し、地代を国家支出に振り向ける。
二、強度の累進税。
三、相続権の廃止。
四、すべての亡命者および反逆者の没収。
五、国家資本および排他的独占をもつ国立銀行によって、信用を国家の手に集中する。
六、すべての運輸機関を国家の手に集中する。
七、国有工場、生産用具の増加、共同計画による土地の耕地化と改良。
八、すべての人々に対する平等な労働強制、産業軍の編成、特に農業のために。
九、農業と工業の経営を結合し、
都市と農村との対立を次第に除くことを目ざす。
十、すべての児童の公共的無償教育。今日の形態における児童の工場労働の撤廃。教育と物質的生産との結合、等々、等々。

第二章 プロレタリアと共産主義者

宣言だけあって主張の強い記述が多くおもしろい。
一方で、背景を理解して内容を読み取るには歴史的な経緯やマルクスの個人的な思想をより知る必要があるだろうと感じた。

★★★★☆ / 賃労働と資本

労働力と労賃、資本と賃労働など社会的生産諸関係について短くまとめられている。現代に通ずる考え方が含まれている。

労賃は、労働者によって生産された商品における労働者の分前ではない。労賃は、資本家がもって一定量の生産的労働力を買取るべき、既存の商品の一部分である。

労賃とは何か?それはいかにして決定されるか?

買手たちの間にも競争が生ずるのであって、それは今度は、提供される商品の価格を騰貴させる。

商品の価格は何によって決定されるか?

労働力そのものの生産費とは何か?
それは、労働者を労働者として維持するために、また労働者を労働者として育てあげるために必要とされる費用である。

商品の価格は何によって決定されるか?

★★★★★ / 中小企業を対象とした 事業デューデリジェンスの基礎

事業デューデリジェンスの全体像や着眼点の例がわかる。
専門知識がなくても理解できる記述がされていて読みやすい。

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