12年間フルリモートを続けている組織のリアルな話【課題編】
はじめまして!
新人メンバーのかなえです。
ナラティブベースではWebマーケティング支援や、新規事業の設計支援、業務改善などのプロジェクトに関わっています。
このオープン社内報では、「ナラティブベースらしさ」を探るためにメンバーに突撃インタビューをしつつ、実際にメンバーとして働いてみた感想も交えてリアルな視点でお届けすることに挑戦していきます。
リモートチームでの働き方がすっかり安定しているナラティブベースですが、実は過去には失敗もしてきています。
こういうのって、うまくいった話よりも、どんな失敗があったのかのほうが、気になりませんか?
今回のオープン社内報では、ナラティブベースがこれまでの12年間で、どんな課題をどう乗り越えてきたのか?をまとめてみたいと思います。失敗談も含めて書いてみますので、リモートワークでの組織運営に悩む人や、なにかしら働き方に悩む人、フリーランスに興味のある人など、どなたかのヒントになれば嬉しいです。
課題編・解決編に分けて詳しくお話します!
ナラティブベースの はたらき方 って?
私がナラティブベースに入ったのは2022年の秋。きっかけはTwitterです。
当時の私は時短正社員として働き続けることに限界を感じていて、会社員を辞めてフリーランスになってみたい!と考えていました。
Twitterで「フリーランスの働き方って、どんな感じなんだろう?」とつぶやいたところ、ナラティブベース取締役の我妻から話を聞く機会をもらえたのです。(感謝!)
話を聞いてみて特に印象に残ったのは「ナラティブベースは会社員とフリーランスの間みたいな働き方をしている」という言葉でした。
と(正直なところ)思ったのですが…
実際にナラティブベースに入ってみると「確かに会社員とフリーランスのいいとこどりをしている感じかも!」と感じました。
さらに、なんともいえない居心地の良さがあるなあ、とも思いました。皆さん仲がいいんですが、ただ仲良しのチームとは違っていて。
全員がフルリモートで働いているのに(直接会ったことがない人もたくさん!)メンバー同士の信頼があって、チームとしての成果も出している。
それぞれが個人として活動していて(私から見ると)皆さん忙しそうだし、仕事に困っていなさそうなのに、ナラティブベースにも参加しているのって、なぜなんだろう?
話してみたことのある皆さんは、口をそろえて「ナラティブベースの雰囲気が好きなんだよねー」というけど、それってどんな雰囲気なんだろう?メンバーになってすぐにそんな疑問が湧いてきました。
それ以来ずっと、ナラティブベースらしい雰囲気ってなんなんだろう?と、こっそりと観察し、ひっそりと考え続けてきました。
私がメンバーに入ったときの率直な感想をもう少し詳しく書いてみると、こんな感じでした。
全体的に「長年の組織運営のなかで、居心地のよさを作ってきたんだろうなあ」と感じました。この居心地のよさは、専門的な言葉を使うと、心理的安全性があるということなんだと思います。
心理的安全性を私の解釈でひとことで表現するなら「チーム内でメンバーが安心して発言できる状態」です。
チーム内で発言をしても(その意見が的外れだったりしても)他のメンバーから拒絶されたり非難される心配がなくて、安心して意見を出せる。だから活発に意見交換ができる、という状態です。
実際にナラティブベースはこれまでのチーム運営ノウハウが評価されて、2022年に心理的安全性AWARDを受賞したり、企業様に「フルリモートでの組織運営」のアドバイスをしたりしています。
今のナラティブベースの雰囲気をどうやって作り上げてきたのか?が気になり、我妻に再び突撃インタビューをしたり、過去の資料を読ませてもらったりしました。
話を聞いてみると、どうも最初からうまくいっていたわけではないということが見えてきました。そして「これ」をやったからうまくいった!わけでもない、ということも。
いろんなことを取り入れて、試してみて、
うまくいったものは残り、うまくいかなかったものは消え・・・
そういうのを何年も何年も積み重ねていって、
振り返ってみたら、その積み重ねが線になっていて、
いつのまにかメンバーが安心して発言できる状態ができあがっていた
という感じだったようです。
なるほどなあ。10年超の試行錯誤の歴史を簡単なひとことでまとめられるわけないよな、と、しみじみ感じました。
2011年、フルリモート+フリーランスでの 'はたらく' がスタート
近年はコロナにより一気に世の中にリモートワークが進んだ感がありますが、ナラティブベースは世の中にまだリモートワークがほとんど普及しておらず、ましてフルリモートメンバーのみの組織がほとんどないような時期からこの組織を運営してきました。
2011年の創業以来ずっと、メンバー全員がフルリモートです。
フルリモート+フリーランスの集まりという環境は、一般的な会社で社員がチームを組んでいるのと比べると、やっぱりいろいろと違います。
まずリモートだと、リアルなら簡単にできることができません。
「相手の顔色をうかがう」「先輩の背中を見て覚える」「雑談してリフレッシュする」などなど。このあたりの難しさは、すでにリモートワークをするなかで感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
さらにナラティブベースでは、メンバー全員がフリーランス。同じ会社に勤めているのとは関係性も違います。
実際にプロジェクトを進める際には、チームコンダクターと呼ばれるまとめ役と作業をメインに担当するメンバーがチームで働きますが、それぞれが独立した個人と個人としての対等な関係です。
▼「チームコンダクター」については、こちらのnoteをどうぞ。
上司と部下という関係ではないから、「命令」とか「指導」という概念もありません。対等だからこそのやりやすさがある一方で、難しさもあります。
お互いに「もっとこうした方がよさそう」と思っても、上司でも先輩でもないから言いにくい。相手にどこまで自分の価値観を押し付けていいのか?は、かなり難しいポイントだと思われます。
ナラティブベースも初期の段階では、リモートならではの難しさと対等だからこその難しさが絡み合って、課題として現れた時代があったようです。
創業から数年…組織の拡大と保健室の誕生
少しずつ案件も増え、チームメンバーも増えてきた頃のこと。
多様な働き方、価値観の人が集まる中で、各チームで起きる困ったことや相談、愚痴などがチームコンダクターに集中してしまうようになった時期がありました。
チームコンダクターが通常業務のほかに保健室の先生のような役割をやる雰囲気になってしまったのです。
メンバー間での認識違いやミスが発生して仕事のクオリティが下がったこともありました。メンバーが離れていってしまったことも。
原因を挙げるなら、価値観のずれとコミュニケーションの不足が大きそうです。
「こうあるべき!」のぶつかり合い
「価値観は人それぞれ違う」のは、もちろん大前提ではあるのですが、話し合えばチームとして働いていける程度の価値観のずれもあれば、話し合ってもすり合わせるのが難しいずれもあります。
例えば仕事観。
「言われた通りにやるのが仕事」と考える人と「言われたこと以外にも創意工夫をするのが仕事」と考える人・・・のような、仕事に対する根本的な価値観の違いです。
どちらが良いとか悪いではなく、仕事に対しての価値観って簡単に変わるものではないし、話したからといってすり合わせるのも難しいですよね。
上司と部下ではないから「こうあるべき!」と押し付けるのも違います。
一方で「当たり前」の基準がずれているだけだったり、やり方の工夫で乗り越えられるのに、コミュニケーションが不足したためにうまくいかなくなってしまったこともあったようです。
昼型のAさんと夜型のBさんのモヤモヤ
例えば、チャットを送る時間についての価値観のずれ。
Aさんは、日中だけ仕事をしていて、オンとオフの切り替えをはっきりしたいタイプ。
Bさんは、昼間に本業があるので、ナラティブベースの仕事ができるのは夜だけ。起きている時間ずっと仕事をしていても苦にならないタイプ。
Aさんは、働くのは昼間だけと決めているから、Bさんから夜の遅い時間に届くチャットが地味にツラい。
なんだか気が休まらない。夜に連絡がくると、夜にも仕事のことを考えないといけないと言われているような気持ちになってしまったり。
一方のBさんは、Aさんに「絶対に夜に見てね!」と思って送ってるわけではありません。自分が日中に他の仕事をしているから、夜じゃないと送れないだけ。
むしろ昼間に連絡が取れないことが申し訳なくて「できるだけ早く返事したほうがいいかな?」と思って、夜に送っているという。
ちょっと話し合いをすれば解決しそうなレベルのすれ違いでも、きっかけやしくみがなければ話すことができず、モヤモヤがたまっていきやすくなります。
そんなことが重なると、最初は「なんか嫌だな」程度だったのが、だんだんと我慢ならないものに変わり、最終的には怒りがこみ上げてきたりして・・
深読みしすぎてビクビク・イライラ
すれ違いが重なっていくと、相手の発言をいちいち深読みしてしまって、うまくコミュニケーションが取れなくなっていきます。
「これ明日までにできますか?」と聞かれただけなのに、「明日までやれって言ってる?」と受け取ったり
「どうしてこうしたの?」と聞かれただけなのに、「ダメって言われてる?」とイライラしたり、凹んだり。コミュニケーションがうまく取れない状態って、しんどいですよね。
何を隠そう、過去の私も同じような経験をしたことがありました。いえ、ありまくりました。
「いつまでにやれる?」と聞かれただけなのに、「最短でやれってことかな?」と勝手に思い込んで、無理してやって、勝手にストレスを抱え込んだり…
「これ、なんで終わってないの?」と言われたら、責められてる?と感じて、とっさに自己防衛っぽいことを言ってしまったり。
似たような経験がある人もいるんじゃないかなあと思うんですが、いかがでしょうか。
ナラティブベースは、どんなふうにこれらの課題に向き合い、解決していったのでしょうか?
\続きは【解決編】で!/
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