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自分を見てくれている人が必ずいてくれる!『後悔するならご勝手に~あなたの選んだ聖女様とどうぞお幸せに~』

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。


今回ご紹介する作品はこちら。
『後悔するならご勝手に~あなたの選んだ聖女様とどうぞお幸せに~』



この作品、2巻まで読んだレビューとなります。

自分に才能として特別な力がなくとも、主人公の今まで身に着けていた実力で聖女と自分の婚約者にざまぁする作品です。
では、まずはあらすじからまいりましょう。


あらすじ

「デイジー。本当にすまない。けれどルーラは僕の真実の愛の相手なんだ。結婚するのはルーラ以外に考えられない」

侯爵令嬢のデイジーは、婚約者であるフレディ殿下をずっと支えてきたけれど、フレディ殿下はあっさりと聖女の力に目覚めた子爵令嬢に心奪われてしまう。

目が覚めたら、貴方に未練はありません。後悔するならご勝手にどうぞ。



原因不明の奇病で婚約者が命の危機?

この作品の主人公は、デイジー。
学生として学業に励みつつ、王子であるフレディの婚約者として妃教育に励む努力家な人物です。

フレディの方もデイジーに対して好意を抱き仲睦まじい関係を築いていました。しかし、その関係は突如壊れるのです。

それは、第一王子であるフレディがこの国に広がっている奇病である「ティアーズ病」という病にかかってしまいます。

現状、医療の心得がないデイジーは「自分は何もできない」とフレディのそばについてずっと祈りをささげることに。

そんな中、聖女としての力に目覚めたという女性「ルーラ」が現れます。
その女性に病気を治してもらったフレディは病床から目覚めるのです。

……うーん、婚約破棄ものでも定番の主人公の能力はあるのに、婚約者はそこを見ていないという流れですね。

よくあるパターンではありますが、もう少し別の展開やアプローチの仕方があってもいい気がします。

あと、主人公のことをないがしろにしすぎてしまう場面も少しずつ増えていくような気もしていて。

もちろん、これが「ざまぁ系」の展開のテンプレなので、わかっているつもりではありますが、もう少し主人公に優しさをあげてもいいような……無粋ですかね?



聖女としての能力とつり橋効果

聖女の祈りによって目覚めたフレディ、その後今までしていたデイジーとの婚約を速攻破棄する流れとなります。

テンプレではありますが、流れ的に「吊り橋効果」的な側面があったような気がします。自分を助けてくれた人に対して普段以上の気持ちを抱くこと、です。

聖女側のふるまいを見ていると、完全にフレディ狙いであることは明白ですし、ルーラ以上にずっと寄り添っていたデイジーへの対応もひどいものだと思います。

まぁ、その部分はフレディには見えていないので、完全に「可愛く優しいルーラ」として映っていないようですが。

吊り橋効果は基本的に時間が経つと消えて目が覚めるものではあるのですが、この2人にはそういった兆候がまだ見えないですね。

恋に恋しているような、まるで頭の中がお花畑のような様子を周囲に見せ付けている状態ですから。

いやぁ、その様子を見せつけられると、頭が痛くなりますね。
実際、周囲もドン引きしている状況ですし、当人たちだけがわからないという。

まぁ、お似合いっちゃあお似合いなのか……。



主人公をひそかに見つめてくれる人

婚約破棄を受け入れるしかなく、親にも反抗できない状況だったデイジーを支えてくれていたのは、生徒会のメンバーであるライアンとベッキーでした。

しかも、ライアンの様子を見ていると、デイジーに気がある様子。
ベッキーもそれを理解しつつそばにいてくれるので、微笑ましいやり取りが多かったと思います。

自分を二の次にして、周りのためにと動くデイジーを見て、二人は「自分たちをもっと頼ってほしい」と願い出る場面は強く共感しました。

しかも、自分を後回しにする傾向は性格の部分もありはしますが、教育とフレディの影響がとても色濃く残っているからという。

そう考えると、父親の影響力って大きいですね。
幼いころに母親を亡くしていたことも大きくはありますが、もう少しでもいいからデイジーに寄り添ってあげればよかったのに。

そう考えずにはいられなかったです。



終わりに

正直な話、現状2巻までのコミカライズが行われていますが、ざまぁ展開を望んでいる人は、少し物足りないかもしれません。

ようやく場面が整ってきたかなというラインですので、3巻目あたりで本領発揮なのかなと期待しているところです。

もし、デイジーのように細かな部分だとしても愛されたいという願望がある方は、手に取ってみてもらいたい作品です。

あと、ざまぁ展開好きだぞという方も是非に。
展開的に、ここからさらに相手が後悔するような流れになりそうなので!


それでは、今回はここまで。
また次の作品でお会いしましょう。



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