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泉屋博古館(東京都港区・六本木一丁目駅/うるしとともに)

泉屋博古館では「うるしとともに」と題して、泉屋博古館の運営母体である住友家のコレクションの中から漆器をメインにした企画展を開催。ある時は接着剤、ある時は塗料として活用されてきた漆を生かした漆芸技法の美を紹介している。写真撮影の可否は毎回の企画展ごとに異なるのだけれど、今回の企画展では展示室1のみが撮影可能となっている。

https://sen-oku.or.jp/tokyo/

展示室1では主に食膳の紹介を行っている。ピクニック・行楽など外出時の弁当箱として使われた提重を一つ取ってみても鮮やかな装飾が施された「唐草文梨子地蒔絵提重」や、会席の場において大勢の人へ提供する食事を盛り立てるため大量の食器にかかわらず全てに細かいデザインが描かれた「花鳥文蝋色蒔絵会席膳椀具」など工芸美の名品が並ぶ中、十五代の住友春翠が蒔絵師の西村彦兵衛(象彦)に依頼した謡曲に準えた会食膳「扇面謡曲画蒔絵会席膳椀具」が目立つ。

扇の中に描かれている謡曲
これが15枚ある

展示室2では茶会、香道、舞台などに絡めた漆芸として、茶道具を入れた「青貝雅集図茶箱」や「青貝芦葉達磨香合」などの香合、酒井抱一の絵をもとに原羊遊斎が仕上げた「椿蒔絵棗」や能面などを収納する「武蔵野蒔絵面箪笥」といった中世の名品を展示する。芸術に造形の深かった住友家の趣味が発露しているといえるかもしれない。

めちゃくちゃ大人数向けの食器

展示室3では漆芸の技法について。漆芸といっても色々な種類や技法が存在する。漆芸の技法として彫漆や螺鈿、蒔絵といった技術を使った作品を展示しながら、その技法についても詳細に解説している。普通に鑑賞していたら見逃しそうなポイントまで教えてくれるので普段あまり知ることのない漆芸に込められた技術の高さを目の当たりにする。また文房具に使われる漆芸美も紹介する。

展示室1の「京名所黒蒔絵食膳」 これだけでも眺めていたい


最後は受贈記念品として、伊万里・染付大皿の美についてを紹介。蒐集家である瀬川竹生によって寄贈されたコレクションを多くこちらで展示紹介している。展示室3の一部と展示室4、それにホールでも多くの染付大皿が紹介されている。江戸時代に作られた大皿がこれほどに揃っているのも珍しい。トイレはウォシュレット式。

焼き物にこんな細かい絵が染め付けられるとは


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