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デザイナー永井一史さんの3箇条
『デザイナーが未来に残したい私の3ヵ条』から、永井一史さんの仕事で大切にしているルールを紹介します。本書には、作品も紹介されていますので、詳細は是非そちらをご覧ください。
①「人間」を考える
人が人であるための行為とは、すべからく「デザイン」と言えるのではないか。「モノ」だけでなく「コト」まで
含めると人間の文化や社会全体もすべてデザインされている。一番広い定義として、「デザインとは、
人が人であるためのすべての営み」と捉えられるのではないかと思う。
さらにデザインを根源的につきつめて考えてみると「対概念」のようなイメージがしっかりくる。
あらゆる意味や事象において、対になったり相互関係に置かれるもの。デザインは、「全てのことの対にあるもの」
であるからこそ、意図を持って考えられている全てがデザインの対象になりうる。
デザインを通じて、「人がどう行動し、どんな日常を育むのか」を考えることがデザインすることなのではないか。
デザイン自体が世の中でどんな意味や価値を持てるかを見極めながら、自分の新しい領域を開拓し結果を積み重ねて
いく必要がある。
②思いをカタチにする
デザインとは「関係を生み出す仕事」。そのため、伝え方つまり「HOW」がデザインの仕事の主たる部分だと思われがち。
しかし「ブランド」の仕事は、企業の存在そのものをどう捉え、本質は何なのかを探り当てて、そしてブランドと社会や
人々とをつないでいく行為。
「HOW」だけでなく、そもそも何を世の中に伝えていくのか「WHAT」の部分、さらになぜそのブランドが存在するのか
という「WHY」の部分まで考えるのがデザイナーに必要なマインドであり、社会に対しての大切な役割だと思う。
ブランドは、本物の価値がそこに宿っていないと続いていかないもの。
「ブランドが伝えたい思い」に「自分自身の思い」ものせながら、デザインとしてカタチにしたいという気持ちで
仕事をしている。
③ニュートラルでいる
ニュートラルでいること、いろんな人の立場でものを考えるというのはすごく大事なこと。
何かを生み出すことは、自分に内在するものを取り出し、カタチにしていくこと。その一方で、デザインは
社会の多くの人に対して、伝達するという役割を持ったものでもある。
つまり、自分の中からでてくるものであると同時に、様々な人に対して齟齬がないような、普遍性ももっていなければならない。
そのためには、主観性と客観性をどうバランスさせるかが、デザインという仕事をする上ではとても本質的な課題になってくる。
作る過程においては、常に自分の中で反芻して行っていくことが求めれるし、時には、自分以外の誰かに意見を聞いてみることもある。
主観と客観を交互に繰り返しながら、作り出そうとしているものとの距離を測っていく。
ブランディングとは、企業の存在と、それを受け取る人や社会との関係性の最適点を見つけることとも言い換えられる。
企業側によりすぎても価値にならないし、デザイナーはニュートラな立場でいることが重要。