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障害者はこうして臆病になっていく。
視覚障害者が単独でホテルを利用することについて、弱視の方と話していたときのこと。
何度も尋ねられたことは、
「事前にホテルに視覚障害があることを伝えましたか?」
「サポートをお願いして断られたことはありませんか?」
といった内容。
私は旅が好きだし、出張でも全国各地のホテルを泊まり歩いている。
その経験の中では、一度も事前に自分に障害があることを伝えて宿泊したことはない。
チェックインをするときに
「視覚障害があるので案内をお願いしてもいいですか?」
とたずねることはあっても、予約したときにわざわざ電話して障害のことを伝えるなんていうことまではしていない。
そして、サポートをお願いして断られたという経験もない。
サポートを断られても私も困ってしまうので、もし、断られてしまったら、いつならサポートしてもらえるか聞けばいい、対話すれば解決できるだろうとそれほど深刻に考えていないのだ。
実際には、社会は優しい、みんな親切なのだけど、なぜ、これほどまでに視覚障害のある人たちが臆病になってしまっているのだろうか。
それはやはり、日本社会の構造に課題があるのかもしれない。
「他人に迷惑をかけてはいけません」
というよく聞くこのフレーズによって、無意識、潜在意識の中で、
迷惑をかけちゃだめだから、迷惑を最小限にするためにはどうしたらいいだろうと考え、結果、何も行動しないということになってしまうのかもしれない。
また、こうやれば、視覚障害者でも一人でホテルを利用できるよ!という情報も少ないのだろう。
私は、旅も温泉もビュッフェも、全部、ひっくるめて好きだから、障害を理由にあきらめるのはもったいないと思っている。
私の話を聞いて、
「じゃあ、ビュッフェにいってみようかな」
とか、
「ホテルに泊まってみようかな」
という視覚障害者が増えていて、ちょっとでも背中をおすことができたのであれば嬉しい。
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ここからは、記事をご購入してくださった方に感謝の気持ちをこめて、私が臆病だった時代のことを書いてみました。
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