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かんじいさん

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かんじいさんの音楽と本
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#本の紹介

ZAZ こんな曇り空の午後には...

この映像で彼女を知った。 アルバムを何枚も聴いた。 こころ、躍った。

かんじい
3年前
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“精神の腐食”のはじまりなのだ。

~人間はいかなることにも馴れる動物である~ ドストエフスキー自身の収容所での過酷な生活を…

かんじい
1年前
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『大きな字で書くこと』 三五年近く書き続け、四冊の著作もある。それでも村上春樹を…

加藤典洋さんは、鋭い文芸評論家であった。 村上春樹さんの作品について、三五年、四冊、され…

かんじい
1年前
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『やわらかく、壊れる』というタイトルにひかれてしまった。

そこには、ぼくが住んでいた町や、地図でしか見たことのない場所の記憶が大樹の年輪のように刻…

かんじい
2年前
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カズオ・イシグロが応えて云った。「なるほど。おもしろい話ですね。記憶は死に対する…

生物学者、福岡伸一さんから「絶え間なく合成と分解を繰り返し、一年もたてば物質的には別人に…

かんじい
2年前
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お目当ての本は品切れ、いつのまにか外は雨。地下にもぐろうか、駅にもぐりこむか..…

すべてはいたましさから生まれ出るが冷え切った灰ではない。 呉明益著『雨の島』の後記に出て…

かんじい
2年前
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本の“大量虐殺”工場で働くギレンは、『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』

★『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』 ジャン=ポール・ディディエローラン:著  夏目 大:訳 2019年4月17日/ハーパーコリンズ・ジャパン発刊 パリ郊外に住む主人公が、通勤電車で毎朝読書している、話ではなかった。 主人公、ギレン・ヴィニョールは、通勤客を乗せた電車の中で朗読しているのでした。 ドア右の小さな収納式座席に座り、大体10ページ分を下車駅までの20分を使って朗読する。 ギレンが朗読用の紙片を準備しているときに、誰かが咳でもしようものなら、他の乗客

本当に『ねこに未来はない』のか。

『ペンギンの憂鬱』、『カモメに飛ぶことを教えた猫』と、なんだか動物モノがつづくなぁ、と思…

かんじい
2年前
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『カモメに飛ぶことを教えた猫』の著者は、三人の息子になにを伝えたかったのだろう。

書評には“愛と感動と勇気の世界的ベストセラー”、劇団四季の新作ファミリーミュージカルと記…

かんじい
2年前
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ぼくは書物と図書館と本屋が好きだ。そこにバーボンの一杯でもあれば云うことはない。

ウィリアム・コツウィンクルの『ホット・ジャズ・トリオ』(訳:橋本槙矩/福武書店刊)が、ハ…

かんじい
4年前
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養老先生の『死の壁』を読了した。

養老孟司著『死の壁』(新潮新書刊)雨続きの午後、いつもの図書館分室で本書を借りてきた。 …

かんじい
4年前
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ミルハウザーは、すれ違いざまにいつも囁く。「あなた、それ信じてるの?」

タイトル作『ホーム・ラン』は、打球が大気圏を突破して、ケンタウルス超銀河を抜け、いまも飛…

かんじい
3年前
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