突然、本を読むようになった人の話。
本を読め。
学校の先生や、会社の上司に言われたことが一度はあると思います。でも、本を読めって言われても、何の本をどのくらい読めばいいのか分からないですよね?
実際、過去10年間で本を1冊も読まなかった僕が、本を読むようになったきっかけを、お話ししていきます。
地元に新しい本屋ができていた。
2021年、地元に帰省した僕はあるところへ向かいました。
高知県須崎市。人口約2万人の市です。
書肆 織平庵(しょし おりへいあん)は、その旧市街地にあります。
昔からお世話になっている方が営むということもあり、帰省中は入り浸るように。
新刊本もありますが古本の種類も豊富で、僕は学生時代に買えなかった本を見つけて大喜び!懐かしい本を見つけ、気がつけば沢山買っていました。
興味のある分野を見つける!
漠然と本を読みたいなとか、読まなくてはと思っていた頃は、何も意識していなかったのですが、まず自分の興味のある分野の本を見つける必要があったのです。
織平庵には、僕の好きな音楽系や写真集なども豊富にありました。
また、コーヒーなど本以外でも楽しめるお店だったのが幸いし、まず本屋に行くことが習慣になりました。
本屋の店主は本屋に詳しい。
ビジネス的に考えると同業者のことなので当たり前ですが、本屋の店主は他の本屋にも詳しい方が多い気がします。
僕は香川県高松市に在住しています。そうすると高松だと「な夕書」が有名やから行ってみたら?とのこと。
高松に帰った僕は、な夕書に突撃することに。
異空間過ぎて、今まで行っていた本屋って何だったんだ?といわんばかりの衝撃でした。
店主の藤井さんの人柄、店内に溢れる本・ビール・たばこのにおい。
ZINEなどの取り扱いも豊富で、ここではアイルランドから届けられるZINEや昭和9年発行の名言集などを購入。
高松は古本屋が多い?
な夕書から徒歩10分以内で行ける古本屋があります。
「古本屋YOMS」
店主の齋藤さんは、絵を描かれたり散文詩集を出版されたり、音楽を使った表現も行うアーティストです。
古本以外にも、CDやアーティストグッズなどの販売もされています。
ここでは、料理に関する本やエッセイなど、様々な本を購入しました。
で、本は読んでるの?
やっと本題です。突然、本が身近になった僕。
そして気になるタイトルの本を沢山購入しました。
読むか!と意気揚々とコーヒーを飲みながら、本を手にします。
ところが!内容は頭に入ってきません。なんか窮屈。
本を読む習慣のなかった僕は苦しみます。
どうやって本を読めばいいのか、全くわからなかったのです。
自分でもあきれました。
全く読み進められない。でも読みたい!
気がつくと「本の読み方」なんて検索をしていました。
なんと本末転倒な。
しかし、ある人の言葉で事態は急転します。
突然、本が読めるようになった!
沢山買った本、読みたいけどどうしよう。
なんかいい方法ないかな。なんて思っていた矢先。
大好きなミュージシャン、HEATWAVEの山口洋さんのブログにこんな言葉が綴られていたのです。
「同時に7冊くらいの本を読んでます(先日より更に増えた)。これは新しい試みで、なかなかいいです。」
下記URLの記事より引用。
なんと、複数の本を入れ替えながら読む?
なんやそれは!やってみよう!
さっそく、数冊の本を選び、いつも通り読み始める。
飽きたら違う本へ、また飽きたら違う本へ。
そうしているとなんと、読み始めて2時間ほど経過。
しかも100ページまで進んでいる!
今まで、数ページほどで止まっていたページが、100ページという前代未聞のページ数に突入していたのです。
思い込みだったんでしょうね。本は1冊ずつ読まなくてはいけないという。
その後、複数の本を読むということを前提に読書をはじめていましたが、最近では何か1冊取って、ゆっくり時間の許す限り読書を楽しむようになりました。
こんな単純なことをしてみるだけで、読書が生活の一部となる。
1年前には想像もつかなかった自分の姿。
日常的に本を読まれている方には、全く理解ができないと思いますが、本を読めなかった自分には、車の免許が取れた時のような世界の広がりを感じました。
本を読むことが目的ではない。
最後に。
なぜ人は本を読むのだろう。そんなことを考えてみました。
本を読むことが目的ではなく、旅行に行ったり、新しい音楽に触れた時のように、新しい感覚を手にすることができるからではないでしょうか。
本を読め。と言っていた学校の先生や、会社の上司もこんな風に知らなかった世界を楽しんでいたのか。そんな風に思いを馳せてみました。
情報がありふれたこの世の中ですが、「本」という世界にあなたも足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?