アテネの数日 034 第三章-4 フランシス・ライト著
メトロドロスは笑いをこらえようとしたが無理だった。そしてエピクロスの方を向き、「では、これをどう修正したりいいでしょう?」と尋ねた。
「ヘーベ(1)にするのが嫌なら、いっそ哲学者にしてみてはどうだろう。髪を少し銀色にすれば、素晴らしいエピクロス像になるかもしれんな。」
「そんなことをさせたら、彼は本気で怒りますよ」とレオンティウムは微笑みながらメトロドロスの肩に手を置いた。そして今度はテオンに向かって語りかけた。
「ねえ、若いあなた。もしあなたが哲学者になりたいなら、絵画の目も音楽の指も詩の頭脳も持たないことよ。これらのいずれか一つでも持っていたら、賢明にはなれないのよ。」
「でも、それは女性には当てはまらないのだろう」とメトロドロスが返した。「君にはその三つすべてが備わっているのだから。」
「今朝は褒め言葉が多いのね。でも、それを言うならもっと優しい顔で言ってほしかったわ。でもまあ、いいわ、友よ。私もあなたを元気づけてあげましょう。こんなときには少しのお世辞が一番ですからね。こちらへおいで、若いコリント人君!」とレオンティウムは言うと、部屋の反対側に置かれた新しい絵に向かい、テオンを手招きした。
「君に絵の技量がなくても、この作品の美しさと、モデルの見事な描写は分かるわよね。」
それは確かに見事だった。「素晴らしい!」とテオンは感嘆し、しばらく絵に見入った後、振り返ってエピクロスと見比べた。
「少しお世辞が過ぎているな、いや、かなり過ぎているかもしれない」とエピクロスは微笑みながら言い、彼らの方へ歩み寄った。
「お世辞ですって!」とメトロドロスが叫んだ。「実物を前にしたら、パルラシウス(2)でさえお世辞を言えやしませんよ。」
「私の弟子たちがどれだけ私を甘やかしているか、君にもわかるだろう」とガルゲティウス(エピクロス)はテオンに語りかけた。
「でも、先生はこの作品が評価に値すると考えていますか?」とメトロドロスが続けて尋ねた。
「絵画以上の価値があるよ——これはまさに君の師の姿そのものだ。その威厳ある姿勢、優雅な態度、堂々とした風貌、そして表情に宿る神々しい慈悲深さ——もしオリジナルがなかったとしても、この模写を崇拝していたかもしれないな。」
と、そのときだった。
大勢の学徒たちが部屋に入ってきた。挨拶が飛び交う中、ソフロン(3)が息を切らし、笑いをこらえきれない様子で駆け込んできた。
注釈:
ヘーベ(Hebe): ギリシャ神話の青春の女神であり、ゼウスとヘーラーの娘。若さと美の象徴。
パルラシウス(Parrhasius): 古代ギリシャの有名な画家で、卓越した技術で知られる。古代の美術批評でしばしば「理想的な絵画」を象徴する存在。
ソフロン(Sofron): エピクロスの学徒として登場する若い人物。この場面ではユーモラスな役割を担う。