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リベンジ、ヴェネツィア

夏の旅行記の最後は、ガルダ湖からヴェネツィア1日ツアーに参加したお話。

ヴェネツィアに初めて足を踏み入れたのは、実は約半年前。
ただし空港目的で数時間だけ。世界に冠たる水の都を素通りしたのが何とも残念で、心残りでした。

なので旅行中、ガルダ湖からのツアーがあると知った時は小躍りしました。

果たしてリベンジ旅は成功したのか、夏のヴェネツィア1日体験談です。

参加ボタンをポチるまで

ガルダ湖で暇を持て余していた時、なにか面白い体験ツアーでもないかと、旅行アプリ「Get Your Guide」を開きました。

地域を入れて検索し、最初に出たのが
「ガルダ湖発ヴェネツィア1日ツアー」
なんと、ここから日帰りで行けちゃうとは。

基本、自由旅が好きで、団体行動は苦手。でも、交通手段がアレンジされ、下準備がいらないのはこの際とても有り難い。

バスで往復5時間は長いけど、ヴェネツィアで観光6時間できれば満足できそうな気も。

ガルダ湖からヴェネツアへのルート

強行ではありましたが、「一緒に行っていいよ!」と乗り気な息子2人を加えて参加ボタンをポチリと押しました。

満員御礼バスツアー

ガルダ湖からヴェネツィアなんて、そんなにツアー客いないでしょ、下手したら我が家だけでは?なんて思っていたらとんでもない。

やってきたのは超大型バス。次々とホテルに立ち寄ってはピックアップを繰り返し、あっという間にバスは満員御礼。

50人近くの団体様になるなんて、やっぱりヴェネツィアは大人気なのでした。7月前半、観光シーズンはピークに入ります。

やってきたのは大型バス

ガイドさんは、溌剌として陽気なイタリア人女性。皆が揃ったところでマイクで話し始めたのですが、言ってることが全く理解できません。

あれ?英語ツアー申し込んだはずだけど間違えたかな、と焦っていたら、しばらくして言語が英語に切り替わりました。
このツアー、ドイツ語、英語の2言語ツアーだったのです。

ツアー客の半分以上はドイツ人、家族連れが多く、若いカップルや、かなりご高齢の夫婦も。

2言語使うので、通常の2倍話すことになるガイドさん。そのうえ、年齢や国籍が様々な50人近くの客を束ねるなんて、とんでもなく大変そう。
60歳は超えてそうなガイドさんの、その能力気力体力がすごい。

水の都は猛暑だった

ツアー当日の天気予報は太陽マーク。
ついてる、と思っていたのですが、ヴェネツィアの太陽と気温をなめていました。

午前10時頃の到着でしたが、バスから降りた瞬間、慌てて帽子とサングラスを取り出しました。暑さと日差しが半端ない。

少し南下しただけなのに、中部イタリアがもうこんなに暑いとは。体感温度は35度超え。

当日の暑さレベル、イタリア中部が真っ赤でした

ボートに乗って街に上陸し、ガイドさんと30分ほどの市内散策。かの有名なドゥカーレ宮殿、サンマルコ広場、リアルト橋のあたりを歩きます。

右手にドゥカーレ宮殿、前方にサン・マルコ宮殿、そして観光客の群れ

ひとつひとつが美しく、どこをとってもフォトジェニックなのですが、いかんせん暑い。少し歩くだけで汗が噴き出ます。

ガイドさんが止まって説明するたび、名所を見るより先に影のあるスポットを探してしまうし、ペットボトルの水がすごい勢いでなくなります。

水路に挟まれた路地は、かなりの人混み。ツアーから離れないよう必死なので、ヘッドホンから聞こえるガイドさんの声が頭に入りません。

期待を裏切らないヴェネツィアの景色
期待を裏切らないヴェネツィアンマスク

早くどこかでゆっくり座りたくて、リアルト橋で解散になったときは、心からほっとしました。やっと自由時間!

散策ツアーのゴール、リアルト橋

体調不良の兆し

慣れない暑さ、慣れない人混みのせいでしょうか、それとも意気込みすぎた反動なのか、私の調子がどうもおかしい。

偏頭痛の兆候があり、体に熱がこもっている感じは、もしや熱中症?

ガイドさんたちと離れた今、息子たちを連れた私がへたばるわけにはいきません。体調の悪化は何としても避けたい。

急いでレストランにはいり、エアコンの前のテーブルに陣取り、深呼吸。
水分補給をしてゆっくり座っていると、少しずつ回復してきました。

この暑さ、無理は禁物。

名物のリゾット。食欲ない私は数口だけ頂き、残りは息子の胃の中へ。

さぁ、貴重な自由時間

さて、4時間の自由時間です。

ガイドさんが勧める、有料のゴンドラツアーやボートツアーを申し込むオプションもありました。
ヴェネチアといえばゴンドラ、乗ってはみたいけれど、高い料金の割に息子たちは喜ばない気がします。

そこで思い出したのが、昔読んだブロガーちきりんさんの旅日記。
ブログで紹介されているおすすめリストが、今の私たちにどんぴしゃで役に立ちました。

ランチ休憩で1時間ほど使ったので、残りは3時間。徒歩で無理なく行ける2ヶ所に目的地を絞りました。

✴︎Scuola Grande di San Rocco

最初に訪れたのは、「ベネチアを訪れた人は全員、観に行った方がいい」と紹介されていた スクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ (Scuola Grande di San Rocco) です。

建物に入ると空気が変わり、大広間に足を踏み入れた息子たちは驚きで口を開けてるし、私の頭痛はすうっと引っ込みました。
絵画が圧倒的な迫力で眼前に、そして頭上に広がります。言葉がないとはこのこと。

かつて集会所だったホールへの入り口

息子たちでも目の色が変わるほどの場所なのですが、観光客は少なく、全く混んでいません。 
混雑から隔離されたような静けさの中で、ゆっくり自分たちのペースで鑑賞できます。 

荘厳な室内と絵画

気持ちと体力に余裕が出たせいかもしれませんが、ようやくヴェネツィアの凄さを味わえた気がしました。

✴︎Ca' Rezzonico

次に訪れたのは、カ・レッツォーニコ (Ca' Rezzonico) です。

貴族の邸宅だった建物が美術館になっており、ヴェネツィア貴族がいかに裕福で、美しいものに囲まれて生活していたかが窺えます。

豪華な部屋に入るたびに、「うわぁ」しか言葉が出てこない私たち。

こちらも観光客は少なく、貴族の空間を私たちが独占しているかのような贅沢。

隅々まで贅沢な室内
ヴェネツィア貴族の気分

ヴェネツィアを感じる絵画が数多く展示されており、もっと見たかったのですが、そろそろ集合時間が迫ってきました。

味のある絵画がたくさんありました
ヴェネツィアのブレイキン?

最後にもうひと汗

建物を後にし、グーグルマップで集合場所までの所要時間を見てびっくり。普通に歩いたら集合時間に間に合いません。

外は灼熱の太陽。歩きたくもないくらいですが、もう走るしかない。
迷路のような路地を、右へ左へ駆け抜けます。

人の波をぬって進みます

体力をふりしぼり、なんとか5分遅れで集合場所に辿り着きました。

ツアーの皆は、ちょうど帰りのボートに乗り込むところ。間に合ってほっと胸をなでおろしつつ、滝のような汗の私たちも最後尾につきました。

50人もの団体ツアーで、この暑さの中、大きな問題もなく無事に終われたのは拍手。

怒涛の旅の振り返り

結論、夏の暑さはハードだったし、やっぱり1日は短すぎました。

風情を味わうことを第一として、欲張らなければ、1日でも楽しめるものだと思います。でも、「この小さな街のなかに、穴場的な名所がきっとまだ山ほどある」と思うと、欲張りな私はもっと探索したくなるのです。

もし次に訪れるチャンスがあるならば、ピークシーズンをずらし、時間と体力の余裕を持って、その美しさをゆっくり味わいたい。
またリベンジしたいヴェネツィアでした。

また来れるかな












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