展覧会レポ:鎌倉市鏑木清方記念美術館「早春の風情~清方のことばとともに~」+鎌倉大仏
【約2,800文字、写真約35枚】
初めて、鎌倉市|鏑木清方《かぶらききよかた》記念美術館に行き「早春の風情 ~清方のことばとともに~」を鑑賞しました。その感想(+鎌倉大仏)を書きます。
※この展覧会は既に終了しています。
結論から言うと、1)鏑木清方の作品だけでなく、人間味の部分も理解できたため良かった、2)コンパクトな美術館で、観覧料は300円とリーズナブル(鎌倉市民は無料!)、3)鏑木清方について知識ゼロの人でも、鎌倉観光としておすすめ。
▶︎訪問のきっかけ
1)2024年の初詣にまだ行っていなかったこと、2)鎌倉大仏に行ったことがなかったこと、3)鏑木清方に興味があったことから、行ってみることにしました。
▶︎アクセス
鏑木清方記念美術館は、鎌倉駅から徒歩約15分。小町通りの最後の方を左に曲がると到着します。土日の小町通りは、満員電車並みの人数で、前に進むことも一苦労でした。そのため、小町通りは避けた方が良いです。
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下1丁目5−25
▶︎鎌倉市鏑木清方記念美術館とは
鏑木清方美術館は、近代日本画の巨匠鏑木清方の終焉の地、鎌倉雪ノ下の旧居跡にあります。清方氏の遺族から鎌倉市にその画業と創作の場を後世に伝えてほしいという趣旨のもと、美術作品・資料と土地建物が寄贈されました。その後、1998年に記念美術館として開館しました。
館内はコンパクトで、企画展示室(作品数:約35点)、常設展示、図書スペースなどで構成されています。全体をゆーっくり見ても、所要時間は約1時間です。観覧料は300円(鎌倉市民は無料!)とリーズナブルです。
美術館の庭には梅が咲いており、図書スペースの窓際部分は、ともて趣がありました。カフェを設置すれば人気が出そうです。
▶︎「早春の風情 ~清方のことばとともに~」感想
私は、松伯美術館で上村荘園を知った際「美人画」に興味をもちました。
その後「この作品は荘園やな?」と思ったら「鏑木清方…誰ですかい?」ということが増えたことで、鏑木清方の存在を知りました。
余談ですが、2人の特徴をまとめます(想定以上に違いが多かった)。
京都市生まれ。気品あふれる女性のあるべき理想美を描きました。
東京都千代田区生まれ。江戸情緒を回顧し、明治時代の季節の情趣や季節とともにある人々の暮らしを描きました。1954年に転居して亡くなるまで鎌倉雪ノ下で暮らしました。
清方氏は随筆も多く残しており、展覧会では作品とともに紹介されていました。作品を知る上で、誰かの解説ではなく、本人の言葉が最も参考になります(統合報告書などの社長メッセージでも同じことが言えます)。
上村荘園も文章を多く残していました。生い立ちや画風は違いますが、内面に共通する部分はあったのかな、と思いました。
清方の作品には、季節の花(すみれ、たんぽぽ、蕗のとう、せり、よもぎ、睡蓮、梅、土筆、菜の花、桃など)が数多く描かれていました。そこから季節感を大切にする人であることが伝わってきました。これは、長谷川町子さんと同じだと思いました。四季を感じる気持ちは大切にしたいです。
清方氏の知識がなかった私にとって、美人画以外もたくさん描いていたことが意外でした。淡い水彩画や水墨画、人物がいない風景画もありました。
キャプションには当時の清方氏の年齢も併記していて、とてもありがたい試みでした。この工夫は、東山魁夷館(長野市)も同じでした。
全体を通して、コンパクトな美術館、展覧会(合計35点)ながら、清方氏の人間味の部分を少し知ることができて勉強になりました。
鑑賞するにあたり、人数によるストレスはありませんでした。来場者は常に5名ほどいたように感じました。
▶︎まとめ
いかがだったでしょうか?コンパクトな美術館ながら、鏑木清方について端的に理解できました。落ち着く雰囲気のため、小町通りの雑踏に疲れた後に、アートを鑑賞するにはぴったりの場所です。観覧料も300円とリーズナブルのため、鎌倉観光には是非、組み込んでほしい美術館です。
▶︎おまけ(鎌倉大仏)
初詣のために、初めて鎌倉大仏殿高徳院に行きました。鎌倉大仏は、いつ、誰が、何にためにつくったのかなど、謎が多いそうです。鎌倉の大仏は、奈良の大仏と違い、民間がお金を出し合って造ったことが意外でした😲
人生で1度は行く価値のある場所と思いました(多分、2回は行かない)。