展覧会レポ:キヤノンギャラリー S「キヤノンギャラリー50周年企画展 綴プロジェクト作品展<高精細複製品で綴る日本の美>」
【約2,300文字、写真約20枚】
品川にあるキヤノンギャラリー Sで「綴プロジェクト作品展<高精細複製品で綴る日本の美>」を鑑賞しました。その感想を書きます。
結論から言うと、作品数は少ないものの、品川に来た際は是非寄るべきだと思いました。良かった点は、❶普段はガラス越しでしか見ることができない日本画の名作を間近で見られること、❷キヤノンの素晴らしい高精細複製品の技術や取り組みを知ることができたことです。
▶︎訪問のきっかけ
偶然、美術手帖のXの投稿を見た時、普通の展覧会と違う趣を感じました。その後、銀座で用事があったついでに、わざわざ品川まで見に行きました。
銀座のキヤノンギャラリーは公募がメインです。一方、品川のキヤノンギャラリーSは、キヤノンの所蔵作品を中心にした展覧会を開催しています。カメラの会社が、ある程度の費用と編集をしているため見る価値は高いです。
▶︎「キヤノンギャラリー50周年企画展 綴プロジェクト作品展<高精細複製品で綴る日本の美>」感想
以下は、キヤノン(株)のサステナビリティ推進本部によるこの展覧会の紹介動画です。キヤノンギャラリーはキヤノンマーケティングジャパン(株)が運営しています。会社間で、どのように業務を分担しているのでしょうか?しかも、なぜサステナビリティ推進本部の方?「綴プロジェクト」は社会貢献の要素が強いため、サステチームが担当しているのでしょうか🤔
この展覧会は、有名な日本画を撮影し、屏風に印刷した作品が8点展示されています。要はスーパーコピーです。このような高精細複製品は、色校正が大変そうです。どのレベルで誰がokするのか、実務が少し気になりました。
通常であれば、ガラス越しに遠くから見なければならない作品を、間近で見られることが、この展覧会のウリのようです。
プリンティングとイメージングを本業とするキヤノンの強みを体現した展覧会だと思いました。全8作品のキュレーションからメッセージは感じらせません。また、印刷されているため、マチエール(絵肌)も観察できません。
それぞれの作品の良し悪しよりも、キヤノンによる複製技術の素晴らしさ、意義を伝えるための展覧会だと思いました。このような技術は、これからのアートなどの方向性に新しい可能性を与えているのではないでしょうか。
実際、これらの複製物を展示、イベント、教育プログラムなどで使用したり、企業へ貸し出しています。さまざまな団体から人が集まる重要な会議に《雲龍図》《風神雷神図屏風》などがあると、場が盛り上がりそうです。
作品数は多くないものの、無料の開催は大変ありがたいです。そのおかげもあってか、訪れている人は多かったです。原美術館が閉館した今、品川に来る用事はほぼないですが、もし、品川に来た際に是非訪れたい場所です。
▶︎まとめ
いかがだったでしょうか?作品数は少ないものの、普段はガラス越しでしか見れない有名な日本画を間近で見られることに加え、キヤノンの素晴らしいプリンティングとイメージングの技術を知ることができました。品川に来た際は、是非、キヤノンギャラリーSに立ち寄ることをおすすめします。
▶︎今日の美術館飯
▶︎近くの公園情報
キヤノンギャラリーS付近に、公園らしい公園はありませんでした。橋を渡った先にある港南和楽公園は、ブランコなどはないものの、ある程度の遊具が充実していたため、子供連れにはおすすめです。