【映画レポ】モアナと伝説の海2:未消化な設定が多く、途中で飽きる
【約2,900文字、写真約10枚】
映画館で「モアナと伝説の海2」(以下、「モアナ2」)を鑑賞しました。その感想を書きます。以下、ネタバレを含みます。
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▶︎ 結論
前作同様、満足度は高くなかったです。映像の精細さや、シーンごとのインパクトは良かったものの、ストーリー・設定が説明不足だったためです。また、メッセージ性も希薄でした。ストーリーや世界観は、もっと削ぎ落としてシンプルにした方が「リアル」が増し、素直に感動できると思います。
▶︎ 鑑賞のきっかけ
「モアナと伝説の海」(以下、前作)は、音楽が良いため、我が家ではリピートで同じ曲を流していた時期がありました(映画を見ていないのに)。
金曜ロードショー(11月22日)で前作を見た上で、「モアナ2」の宣伝文句に若干の期待を寄せたこともあり、見にいくことにしました。
また、Diggy-MO’が訳詞(参考)を手がけたと聞いて俄然、見たい気持ちが湧きました(Diggy-MO’はデビュー当時から大好きなんです。私の青春はS.Oと共にあり)。
▶︎ 前作「モアナと伝説の海」感想
✔️ まとめ
綺麗な映像と、楽しくてクオリティの高い歌が印象的でした。起承転結もはっきりしていてテンポも良い。しかし、物語の背景が独特で掴みづらく、メッセージ性も薄く感じたため、感動や学びは特になかったです。
✔️ あらすじ
モトゥヌイという島に住む村長の娘・モアナ。ある時、作物や魚に異変が発生。モアナは島を救うために、伝説の英雄・マウイを探し「テ・フィティの心」を元あった場所に戻し、世界を救うための旅に出ます。何やかんやあって、挫折しつつも、心も体も成長し、世界を救ってハッピーエンド。
✔️ 良かった点
・はっきりした起承転結の冒険ストーリーは安定感がある。
・「どこまでも(How Far I'll Go)」「俺のおかげさ(You're Welcome)」「シャイニー(Shiny)」など、音楽が良かった。
✔️ 良くなかった点
・視聴者に何を伝えたかったのか、メッセージ性が薄い。
・世界観がよく分からない。(「海」はなぜモアナを選んだのか?ココナッツの鎧をつけたカカモラはなぜモアナを襲うのか?そもそもカカモラって何者?など…)
▶︎ 「モアナと伝説の海2」感想
✔️ あらすじ
前作から3年。モアナは島のリーダーになり、妹・シメアも増えました。モアナは「過去、海を超えて人々は交流があったものの、人間を憎む神によって引き裂かれた」という伝説を知り、その呪いを解くためにモトゥフェトゥをめざします。モアナはマウイに加え、島の仲間3名(+鳥1、豚1)、カカモラと旅に出ます。何やかんやあって、モトゥフェトゥを見つけ、嵐の神・ナロを倒し、他の島の人々と交流も生まれてハッピーエンド。
✔️ 全体感は王道で安定
分かりやすいほど、起承転結が明快な冒険で、安定感がありました。しかし悪く言えば、意外性が足りず、ストーリー展開は前作とほぼ同じです。
映像は、水飛沫1つとっても圧倒的に美しいです。表現をこねくり回すよりも、ド直球に精細な技術には驚きました。
▼ 映像表現が中途半端と感じた「ウィッシュ」
✔️ 理解が追いつかないストーリー
世界観や設定を端折ったり、その説明が早口だったたため、理解が追いつかない点が多くありました。
冒頭から、モアナは何のために、他の島で人を探しているのか?物語の軸がよく分かりません。モニから伝説の説明はあったものの、現実味がない話のため、理解が追いつかず。モアナがモトゥヌイに戻れないリスクを犯してまで「人々を再び一つにする」動機がピンときませんでした。
そのほか、超常現象的なイベントが連続するため、物語の後半では若干飽きました。最後まで見られたのは、映像と、話の運び方にインパクトと勢いがあったからです。
結局「モアナ2」は視聴者に何を伝えたかったのか?私は「道は1つじゃない」というメッセージが、印象に残りました。映画のサブキャッチは「越えていこう。どんな運命が待っていても」とあるため「困難に立ち向かう勇気」のようなことが想定されているのかもしれません。
とにかく、話が複雑。現実なのか、ファンタジーなのか、世界観をもっとはっきりさせて、プロットをさらにシンプルにしないと、感動できません。
エンディング付近で、嵐の神・ナロが「まだ始まったばかりだ」と王道すぎるコメントがありました。そのため「モアナ3」などの続編は、確実に作られるでしょう。私は「モアナ2」の続編があったとしても、映画館で見る気はしません。
✔️ 魅力的な新キャラクターに乏しい
前作よりしっかりしたモアナと、コミカルで信頼感のあるマウイの印象が強いため、新キャラクターの新鮮さに欠けました。
モアナと、旅のチームを組んだ島の3名(モニ、ロト、ケレ)は、ちょいキャラ止まりでした。ディズニーの冒険の中で、高齢者を仲間にするのは珍しいと思いました。新しい多様性のカタチですネ。
また、マタンギというコウモリのような女性も登場。空を飛んだり、マウイを捕まえたり、モアナにモトゥフェトゥにいく手がかりを与えたり、ラストでは嵐の神・ナロと一緒に話したり。マタンギが、敵なのか、味方なのか、そもそも一体何者なのか、よく分かりませんでした。なお、顔はアンミカに似ています。
また、前作に続き、モアナの日本語版声優(屋比久知奈)は、全く違和感がなく、聞きやすかったです。
✔️ 音楽も前作の方が上
前作では歌が良かったため「モアナ2」の音楽にも期待していました。結論、前作の方が良かったです。
なお「モアナ2」では「迷え!(Get Lost)」は、90年代の日本歌謡曲みたいでノリが良かったし、「できるさ!チーフー!(Can I Get a Chee Hoo?)」は、歌詞にDiggy-MO’味が感じられて嬉しかったです。
✔️ その他
子供は「崖で”私は、モアーナー!”と言うシーンが良かった」「ウィッシュの方がモアナよりも面白かった」とのことでした。
▶︎ まとめ
いかがだったでしょうか?前作は期待外れだったため「モアナ2」は期待しましたが、満足感は高くなかったです。映像は素晴らしかったものの、ストーリーを消化しきれないことがボトルネックでした。もっと要素を絞って、伝えたいメッセージを直球で伝わるようにした方がいいと思いました。