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就職コロナ世代にとっての本当の地獄はこれから始まる

地獄、それはリモートワークから強制オフィス回帰することだ。

最近私の会社(一般的な外資系IT企業)はオフィスに戻ろう、というマネジメント方針に変わった。多分これは私の会社だけではなくたくさんの会社で起こってることだろう。

上の世代は「昔は出社してたしねえ」ぐらいに思ってるのかもしれないけれども!私はリモートしか知らない世代ですから!!普通に鬱になるので辞めてもらっていいですか!!(大声)


私の代は大学3年の終わり頃にコロナ禍が始まり、就活もフルリモート、そのままエンジニアとしての社会人もフルリモートで始まった。

新卒からちょうど1年経った頃に転職したが、転職先でもフルリモート。残業もしたことがなく、業後はカフェで読書したりヨガに通ったり中国語の勉強をしたりと、本当に恵まれた社会人生活、理想のワークライフバランスを保っていた。

しかし現在社会人4年目、私史上最大の地獄が始まろうとしている。

最近、IT企業では何故かオフィスに戻ろう運動が加速しているのだ。(全私が泣いた)

軽く時系列にまとめてみると、

2020年初め
:コロナが始まり大学の授業が全てリモートに。就活の面接も全てリモートで完結。

2021年4月
:新卒。一応上京するが、フルリモートで平日引きこもり生活って感じ。

2022年5月
:転職するが、こっちでもOn Boardingからフルリモート。

2023年末
:月1回オフィス集まってみんなでランチしてみよう、ちょっと顔出す程度で良いから!ランチ代はもちろん会社負担で!

2024年6月
:週1回オフィスに来てみよう!(何時に来てもいいから電車混んでない時間に無理せず来て)午前から来るならランチ代はさすがに個人負担で!

2024年7月
:週2回は絶対オフィス来い、朝10時までに。ランチはもちろん個人負担で。

2024年9月以降(予定)
:月12回(週3ペース)絶対来い。満員電車?知らん。家が遠い?知らん。辞めたい?なら辞めろ。


理由は「みんなで集まった方がチームの仲も深まるし助け合えるでしょ!」程度。(いや今でも助け合って仲良くやってるわ。)

私はエンジニアなのでお客さんと直接話すことはほとんどなく、基本的には内部MTGかずっとパソコンに向き合ってる感じ。オフィスに行ったところで誰と話すわけでもない。というか話したい相手は海外にいるので結局オフィスでリモートMTGしてる。直接日本チームのみんなと会わないとできない仕事があるとかだったら良いんだけど、そういうのもない。(あっても月1で十分。)もちろんチームで情報共有とかできるけど、リモートで全然いい。

日本チームはみんな東京に住んでるし交通費は会社負担だからまだオフィス来ようと思えば来れるんだけど、海外は交通費も自己負担だし、電車や地下鉄も東京ほど網羅されてないからオーストラリアは片道数時間もかけて車で来てたり、インドはUberとか使えるほど裕福じゃないから夜行バスで8時間以上かけて違う町や村から来てる人がほとんど。

オフィス月1から週1になった時に「週1は本当にキツイ」って世界中から反対意見が起こったらまさかの「じゃあ1週間ずっとオフィス周辺に泊まれば良いじゃん、そしたら移動楽でしょ」って月12回に増えた。もちろんホテル代は自己負担。もうオフィス周辺に引っ越せ、そうじゃないなら辞めろって言われてるような感じ。

、、、、、すご。

ちなみに私はオフィスが嫌いとかではない。オフィス来ちゃえばなんやかんや居心地は良い。ただ、満員電車は嫌だし往復2時間も自分の時間が無駄になることも嫌。業後にヨガ行けなくなるし。チームの人たちとランチ行って気遣ったり話回したりするのも嫌。普通にランチ1,200円とか高いし。メイクしたり服選んだりする時間も嫌。生理被ると憂鬱になる。最近初めて「明日仕事嫌だなあ」っていう感情が本当の意味で理解できた。サザエさん症候群っていうのかな。

でもそんなことより私が一番辛いのは、私たち従業員一人ひとりの人生ってリスペクトされないんだって感じちゃったこと。私たちって取り替え可能な部品の1つに過ぎないんだって、そう思われてるんだって気づいたこと。「この会社のために働きたくないな」ってネガティブな気持ちが出てきたこと。

そんなに嫌ならとっとと辞めろって話だけど、私はこの仕事が本当に好きで毎日楽しくやってて、できるだけ長く勤めたいと思ってた。それをこんなマネジメント側からの一声が理由で辞めないといけないってめっちゃ辛い。

リモートワークは業務効率化とか生産性とかのレベルの話ではなくて、一人ひとりの人権を保障するものだと思ってる。

例えば幼稚園の送り迎えとか、子供が熱出したとか、雨が降ってきて洗濯物がとか、米炊くとか、宅急便受け取るとか、認知症のおばあちゃんが心配で家を空けられないとか、そういう仕事を休むほどではない細かい用事にも柔軟に対応できるのがリモートワーク。もっと言うと、リモートで仕事ができるならオフィス周りに住む必要もないから東京の仕事を地方でやって地方にお金を落としたり、地方の仕事を東京でやって地方の活性化に努めたりって、東京一極集中から地方分散できる。

多くの女性には妊娠出産というライフイベントがあって、残念ながら男性よりもキャリアにおいては不利と言われている。そのせいで男性よりも年収が低く、キャリア形成においてはかなりマイナスだ。が、リモートワークができるなら妊娠中もギリギリまで仕事ができるし、出産後も子供のそばにいてあげながら仕事ができ、離職や休職が最小限に抑えられるし昇進のチャンスすら残される。キャリアにおけるチャンスの平等が保障される。

私はよくワーケーションとして旅行しながら仕事をしたり、岐阜の実家に1ヶ月とか帰省しながら仕事をしたりしていたが、それももうできなくなる。

オフィスに行くか家で仕事をするかというのは、従業員一人ひとりの人生を左右するほどの大きな選択肢であるはずで、マネジメント側がそう簡単に決めていい問題じゃない。個人のキャリアや住む場所、年収までを能力値以外でコントロールする権利は会社にはないと思う。それがワークライフバランスであるべきでしょ。

「オフィスに来い」って本気で言えちゃうのって、独身か結婚してても家事をしてくれるパートナーがいるかオフィスの近くに住んでるか、本当に自分のことだけしかやらなくていい恵まれた人たちなんだと思う。そうじゃなければリモートでできる仕事をわざわざオフィス強制でって発想自体生まれなくない?

私なんてオフィスから帰ってきた日には何もしたくなくて料理すら作れない。それぐらい肉体的にも精神的にも疲れるもん。それは、仕事以外のできるはずだった全ての可能性を会社が閉ざしてるってこと。

まあここでワーワー言っても私の会社はそう舵を切ったわけだからどうしようもないんだけどね。今更、社会人ってこうやって人生の可能性が少しずつ奪われていくんだなって、そうやって人って鬱になっていくのかなって身にしみて感じてる。

あゝ、国が少子化対策としてリモートワーク推奨してくれないかなあ。東京都だけでも良いから。そしたら私は100%田舎に住んでそこで家庭を築くと思うけどなあ。

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