2022年夏 疫病退散を願い祇園祭の京都へ 混雑を避けて巡ってみた
先日、2泊3日で京都へ行ってきました。
3年ぶりに、祇園祭の山鉾巡行が行われた、夏の京都です。
山鉾巡行、特に前祭の山鉾巡行は、とっても華やかで祇園祭のハイライトとも言われます。
車輪がついた「山」と「鉾」は、どれもこれも豪華な装飾が施され、国の重要無形民俗文化財に指定されているほど。
わたしのように、ぜひ生で観てみたい!!!という観光客が、日本中、いや世界中から押し寄せるイベント。
3年ぶりの開催、しかも日取りが3連休とちょうど重なったこともあって、多くの方が現地で見守りました。
天気予報は直前まで雨や曇りの予報でしたが、当日はまぶしい夏空に山鉾が映え、それはそれは美しく、荘厳で圧倒的でした。
ということで今回は、人混み嫌いのわたしNaomiが、できるだけ混んでないタイミングを狙って味わってきた 2022年 祇園祭 前祭の取材レポートをお届けします✨
わたしは今回の旅で、人生ではじめて、祇園祭を目の当たりにしました。
現地へ行く、と決めてから、ありとあらゆることを調べ始めたのですが、本当に初めて知ることだらけで、とってもいい学びにもなりました。
せっかく行くんだから、山鉾巡行と、その前夜祭のように行われる宵山、できるだけしっかり体感したい!と思い、入念なリサーチをして巡りまして。
次の祇園祭、そして山鉾巡行を観に行く方の参考になれば、嬉しいです。
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って、おいおい、なんで今 都内から出かけた?大丈夫?
・・・ですよね。
確かに、このタイミングで本当に出かけていいのか、直前まで相当迷いました・・・
でも、2022年の今年はきっと、"海外からの観光客でごった返す京都と祇園祭"に戻ってしまう前の、ぎりぎり最後のチャンスなんじゃないか、と考えまして。
人生は何が起こるかわかりません。
来年の自分が、祇園祭の山鉾巡行の日に、京都を訪れることができるかどうかもわかりません。
いつか行きたい。いつかやってみたい。いつか会いたい。
その、いつか、が突然、いつになるかわからなくなることを思い知った3年・・・
“いつか” を先送りしたくない、あの時こうしていたらよかった、と悔やまないよう日々を過ごしたい、と、それまで以上に考えるようになりました。
だから、この2泊3日の旅に備え、本当に慎重に慎重をきして過ごし、細心の注意をはらって決行しました。
おかげさまで旅を終えて1週間、体調を崩すこともなく過ごせたので、忘れないうちに、と、こうしてnoteに書き残しはじめた次第です。
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さて、話をもどします。
そもそも、山鉾巡行の目的ってご存知でしょうか。単なるパレードではありませんよ。
この日の夕方、神様をお乗せしたおみこしが街を通る神幸祭が行われるため、その前に道を清めるのが目的。
山鉾が絢爛豪華なのも、疫病の神様を惹きつけてもてなし、街から出て行ってもらうため、なんです。
神事なので、開催する日も必ず7月17日と決まっています。どんなにどしゃ降りの荒天でも開催。ちなみに2015年は、台風が接近する大雨の中で行われたそうです。
神幸祭のおみこしの出発地点は、かつて祇園社とよばれた、四条の八坂神社。
山鉾巡行の日の朝、お参りに伺ったところ、境内の舞殿におみこしが安置されていました。間近に観察できましたが、本当に神々しかったです。
祇園祭のはじまりは平安時代。
平安京に蔓延した疫病の退散を祈ったことに由来し、八坂神社と、山鉾が建つ地域・山鉾町とで、7月の1か月間、数々の神事が執り行われます。
わたしは2泊3日の限られた時間でしたが、市内のいろいろな場所を巡ってみて、この営みが1,000年以上も粛々と続いてきたのかと思ったら、目にする一瞬一瞬がとても尊く感じられ、山鉾巡行もとても厳かな気持ちで見つめていました。
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混雑を避けて巡ってきた話 の前に、
わたしが参考にしたWebページをご紹介
「祇園祭」で検索すると、本当に星の数ほどのページにヒットしますが・・・正直やっぱり玉石混交だったので、確実に信頼できて参考になったWebサイトをご紹介しておきます。ここさえチェックしておけば大丈夫でしょう。
▼ 公益財団法人 祇園祭山鉾連合会
▼ JR東海のWebメディア「そうだ 京都、行こう。」
・ 祇園祭ガイド2022
・ 京都のプロに聞く! 祇園祭「宵山」の見どころ、楽しみ方
▼NHK京都放送局の特設ページ
こちらでは、各山鉾の浴衣や手ぬぐいのデザインを楽しめるページがあります✨ (ほんとは現地へ行きたかったのですが 都合つがず・・・涙)
加えて、祇園祭の歴史などを深く知るには、ガイドブック的な書籍を1冊読むのがベストかつ手っ取り早いですね、やっぱり。
わたしは、ぜひ訪れたかった虎屋菓寮さんで、店内の蔵書コーナーからお借りして熟読しました。
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山鉾をゆっくり間近に見るなら、朝6〜7時台に
山鉾町は、京都の中心部、烏丸通りから西、四条通をはさんで南北の限られたエリアに集中して点在しています。
その数、全部で34!わたしが出かけた前祭の時期には23の山鉾が、その1週間後に行われる後祭には11の山鉾が建てられます。
普段は部品や部材がバラバラの状態で大切に保管されていますが、祇園祭の然るべき時期が来ると、決められた場所に、各々が組み立てていくんですよ。しかも縄だけで!!!驚愕です・・・まさに職人技。
道端にどどーん!と現れる山鉾。実は山鉾巡行の前に、相当近くまで近寄って、観察できます。(もちろん警備の方が24時間ついてます)
人混みを避け、じっくりゆっくりと装飾を観察したかったわたし。
早起きし、6時過ぎに地下鉄の四条駅に到着。歩きながら山鉾めぐりをしてきました。
朝なら、ほぼ人がおらず、まだまだ涼しい時間帯。
多少歩き回っても大汗をかくこともなく、ゆっくりと観察できました。
あいにく雨予報が出ていたので、山鉾も雨仕様に。
それでも十分、細かいところまで観ることができましたよ。
祇園祭に慣れてらっしゃる方々は、大きな一眼レフカメラを複数台抱えて、自転車でめぐっている様子でした。なるほどなぁ。
朝なら人も車も少ないので、レンタサイクルで巡るのも快適でお薦めです。
東西に走るメインストリート、四条通りにも、山鉾がいくつも並んでいます。歩道寄りの車線に建てられていて、すぐ隣の車線を車がばんばん通っていく光景は、なかなかでした。
ザ・お祭り!!!な賑わいと華やかさがあるのは、夕方から夜にかけての宵山のタイミングでしょうか。
18時から主要な道路が歩行者天国となり、屋台が並び、一気にものすっごい人混みとなったため、早々にわたしは離脱しましたが・・・・
例えば、こんな感じで。
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山鉾でグッズや御朱印をいただくなら、昼間のうちに
宵山のときには、山鉾ごとに、玄関に取り付けて厄除けにつかう粽や御朱印をいただけたり、オリジナルの手ぬぐいや扇子などの授与品もいただけます。
が、夕方にならずとも、昼間のうちから販売しているんです。混雑してごった返す前にお買い物したい方は、明るいうちにぜひ。
わたしも、函谷鉾で御朱印を、デザインが気に入った四条傘鉾で手ぬぐいを購入しました。
ちなみに傘鉾は、応仁の乱以前(!!!)、祇園祭が始まった頃の、鉾の原形を今に伝える貴重なものなんです。
そんなところも良くて、四条傘鉾の手ぬぐいを買い求めました。
多くの山鉾町で、御朱印や授与品の対応をしていたのは、地域の小学生や中学生たち。浴衣姿で懸命に呼び込みをしていて、とても微笑ましかったです。
年齢が上がるとお囃子の担当になったり、舞の担当になったり、と、役割が変わっていくそう。
日本三大祭!と言われ、とっても有名なお祭りではありますが、山鉾町に暮らし、代々、神事を担ってきた地元の方々にとっては、生活とともにある地域の大切なお祭り、なんですよね。
そう思うと、わたしの地元で古くから行われているお祭りにも、久しぶりに参加したいなぁと思いました。
最も有名なところでいうと、三島大社のお祭りですね。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも登場した"三島明神のまつり"。毎年8月15~17日に開催されます。
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山鉾巡行の有料観覧席、予約するのもアリだけど、予約しなくても十分観られそう
ただしこれは、今年に限ってのことだったかも、ですが。
山鉾巡行では、事前に、有料観覧席のチケットが販売され、わたしは今回、事前に席を確保していました。
が、車道に設けられた観覧席エリアは、アスファルトの上、日差しを遮るものがなく、山鉾の見やすさ重視のため日傘もNG。
雨予報が一転、思いがけず晴れたので、これは席で待つのは危険な気がする・・・と、座席の辺りに山鉾がやって来るまで、観覧席エリアを離れ、近くの木陰で待機していました。
これが大正解。街路樹が生い茂る大通りの広ーい歩道で、人は多かったものの密集するほどでは全くなく、ほどほどに風が吹き抜けるので、さして暑さも辛くなく。
近くに大きめのコンビニがあったので、アイスを買って食べたり、適度に飲み物を飲んだり、スマホで情報収集したり、と、快適に待つことができました。
その後、観覧席に着席して、1時間前後、間近で山鉾を観ましたが、周りの観客は暑さに耐えかねて次々と日陰に避難していくので、結果的にさらにゆったりした観覧席エリアに。
終始、混雑にイライラすることもなく、とても快適に鑑賞できて、思いのほかラッキーでした。もちろん、写真や動画の撮影もばっちり。
と同時に、あえて有料観覧席を確保しなくても、結構どこからでもしっかりと巡行の様子を鑑賞できることもわかりました。
この情報は、事前に観たどこのブログや特集ページにもなかったこと。現地に行ったからわかったこと、でもありました。
タイミングとか、たまたまだったかもしれませんが、少なくとも今回鑑賞したエリアは結果的に穴場かも、しれません。現地のリアルな様子が体感でき、よい経験になりました✨
(どーしても気になる!知りたい!という方は、個別にご連絡くださいw)
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宵山や山鉾巡行で賑わうエリア以外は、意外に空いてる・・・?
意外だったのが、これです。
烏丸通りや四条の界隈から少し離れると、実は結構どこも人手が少ない印象でした。
山鉾巡行が始まったくらい、朝9時台の八坂神社はとても空いていて、お参りもスムーズ。限定御朱印も粽も、並ばずに購入できました。
祇園の鍵善良房さんも
先斗町の通りも、ほぼ人がおらず。(まぁ午前中ですしね)
宵山の日は、美術館や、大好きなお蕎麦屋さん、嵐山界隈で寺社巡りしてきましたが、どこもさして混雑してませんでした。案外、こういう感じなのかもしれません。
ちなみに、宵々山の日の夜は、京都駅近くで、ブライアン・イーノさんのインスタレーションを観てきましたが、
京都駅界隈も、とても静かでびっくりしました。あれ?金曜の夜なのに?
いや、東京の都心がきっと賑やかすぎるんですね・・・
そして、わたしがお話しを伺った限りでは、京都で暮らし働く方々は、宵山も山鉾巡行も、「混んでいるからあんまり行かない」そうw
まぁでも確かに、都内で暮らすわたしも言われてみれば、隅田川の花火大会や淺草のお祭り、神田明神のお祭りに行く?って聞かれると、「混んでるからあんまり行かない」なぁ、と。
これ書いちゃったら元も子もないんですけれども・・・いちばん快適でわかりやすいのは、NHKの生中継をテレビなどで観る、だったりするんですよね、結局w。
だから、わざわざ現地に行くのなら、テレビではわからないことを見聞きし、その場に足を運び、街の空気を存分に味わう、っていうのを大切にするのがいいのかなぁ、と実感しました。
▼7月末までNHKプラスで生中継がアーカイブ配信されてます✨
▼『美しい日本に出会う旅』
夏 衹園祭の京都へ 2時間SP!涼を感じる7つの旅スタイル
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夏の京都。実は2020年にも来ていました。
10日間滞在し、京都で暮らした気分を味わいました。
と言っても、後半の5日間はみっちり大学で学芸員実習だったので、へろっへろだったんですが。
京都の街を訪れるといつも、何気ない街角にも積み重なっている、時間の厚みや重みに、気が遠くなる感覚を覚えます。
わたしの地元・静岡県の伊豆地方だって、まぁまぁ昔から人が住んでいたし、平安時代末には源頼朝や北条氏も暮らしていました。
でもやっぱり、奈良を訪れたときにも思いましたが、さらに昔、1000年以上も前と今とが地続きの場所で、一度でいいから、しばらく暮らしてみたいなぁ、と、切に思います。
そして、紅葉よりも、青もみじや苔の景色が大好きなので、今回の滞在でも、存分に緑の景色を堪能してきました。
また、京都へお邪魔する日を楽しみに、わたしはわたしの日常を粛々と過ごすのでした。