新社会人の女性に伝えたい 自分の身体との付き合い方 (1)月経(生理)編
はじめに
私杉浦は医療関係者ではありません。1人の患者?として経験談をお伝えしております。月経(生理)に関しての医学的・医療的な情報は公的情報や学会・大学・病院のサイトをお調べください。そして、気になることがあれば婦人科にてご相談を。
※※ なお、本記事では終始自分の月経(生理)の体験談を記載しますので、リアルの知り合いの方は気分が悪くなる可能性があります。遠慮なくブラウザを閉じてください。※※
どうしても生理について書きたかった
中学生の息子がいますが、保健体育で学ぶ知識はどうしても表面的なものなんですね。益若つばささんがミレーナ(IUS)の使用を公表をされましたが、避妊リングという言葉が先行しているような印象を受けました。IUSは「女性が生理に煩わされず社会生活を送るために非常に有意義に使えるのだ」と理解できるメンズであってほしいと、心から願いまして、このnoteを書くに至りました。
※厳密に言うと、益若さんが公表した「ミレーナ」はIUSのことで、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム。IUDは、子宮の中の環境を変えることによって受精卵が子宮内膜に着床するのを妨ぐそう。狭義の意味では避妊リングはIUDを指し、「子宮の中に入れる器具」という広義の意味での「避妊リング」はIUSとIUDの両方を指すようです。
さて、社会人生活には慣れましたか?
新社会人の方は4/1に入社しもう6月。社会人生活には慣れてきたでしょうか。研修が終わって配属されたばかりという方もいるかもしれません。毎月煩わされるアレ、本当にうんざりしますね。
今回は特に女性に向けて、アラフォーの社会人である私の女性特有のトラブルとの戦いと休戦、そして平和に至るまで歴史をお話します。
1.自分の身体が自分の敵になるのがツライ
生理痛が辛くて外出できないという経験はありませんか。普段そんなに生理痛がなくとも、ストレスで身体が冷えて生理痛になってしまうこともあります。
生理痛と一言で言っても
「頭痛がする」「腰が重い」「理由もないのに泣けてくる」「子宮をぎゅうっと握られてるほど痛い」「立ち上がれない」「貧血で倒れた」「普段とあんまり変わらない」
と症状は様々です。何が辛いって、最も味方になってほしい自分の体が、自分の意志とは関係なく敵になってしまうことです。また、女性同士であっても誰かに伝えにくく、男性には理解されにくく、人によって個人差が大きいという特徴があります。PMS(月経前症候群)の期間+月経の期間を含めると、月の半分近くが不調を抱えることになります。
2.10代から40代までの生理との戦いの歴史
2-1.10代 鎮痛剤+腹巻き+夜用ナプキンの昼使い。羽根つきナプキンなしでは生きられない
当時の生理用ショーツは防水性を優先しているものばかりでムレがひどく、あせもがひどい。さらに、足の付根はナプキンの羽根で擦れてしまいあせもができ、季節問わず足のつけねが黒ずみます。中学・高校生の時は水泳のシーズンが憂鬱でした。
そして、高校の時は水泳の授業に一定数参加できない場合、別日の放課後に欠席分の補習が必要学校だったので、初めてタンポンを使いました。おかげで水泳の補習は出ずに済みました。夏場のあせももこれでさらば。
2-2.20代 鎮痛剤+腹巻き+タンポン+ナプキン → 低用量ピル+タンポン+ナプキンへ
中医学では女性の体は7年周期で変化すると考えられています。21歳で大人の身体となり、28歳で身体が充実するため、この時期が妊娠・出産の適齢期。
妊娠に適した年齢ということで、生理痛以上に大変なのが量。2日めは日中でも夜用ナプキンを3時間ごとに交換しないと持たず、パンツスーツと職場の椅子を駄目にしたことがありました。緑色の椅子を鮮血で染めてしまった経験から、以降はタンポンとナプキンの2重使いで乗り切ります。薄い色の座面の椅子に座る時はいつでもこの時の記憶が蘇ります。
夜間は夜用のナプキンを2枚あて、敷布団に黒いタオルケットをひき、自分のこしまわりにも黒いバスタオルをまいて就寝。
社会人になってから、せめて痛みを軽減しようと、低用量ピル(経口避妊薬)を飲み始めます。これがたまたま身体に合いまして、予定どおりにぴったり生理がくることで仕事と旅行のスケジュールも調整しやすくなりました。
そして20代終わりに結婚し妊娠しました。妊娠中は生理がない。腹の重さや腰の痛みやつわりがなければ、一生妊娠していたいと思うほど、生理に煩わされない快適な生活を堪能します。
2-3.30代前半 出産後の悪露がなくなれば、授乳中は生理のない生活 代わりにオシメを変えるのよ
出産後、授乳中は生理が来ることがなくなります。「おちち」とはよく言ったもので、赤ちゃんに与えるおっぱいは血液からできています。そのため、生理まで来てしまうと母体の栄養が不足してしまう。その他授乳中のホルモンの影響もあって、授乳中は生理がこなくなります。子どもが離乳食をはじめて断乳するようになると、生理再開。再び低用量ピル+生理用ナプキンへ。タンポンはセットに時間がかかるため、赤ちゃんからの呼び出しがいつかかるかわからない身としては採用を見送り。
2-4.30代後半 経産婦のメリットを生かし月経カップに手を出す
産後から母親の肌は、赤ちゃん並みにデリケート。断乳後はじまってしまう生理。引き続きデリケートなお肌。幼児はおむつでかぶれ、お母さんは生理用品でかぶれます。しかし、母子で外出する時は子供のおしりのケアで精一杯でお母さんは後回しになりがち。
産後の肥立ちの悪さが影響したのか、月経前1~2週間が謎のかゆみ発生で咳・のどのかゆみ・くしゃみ・目のかゆみがとまりません。しかも毎月。生理で1週間/生理前の体調変化で2週間。月のうち、身体に対してストレスを感じないのは4週間中1週間というのが当たり前になります。生理用品でかぶれてただれ、もうダメだと思った時に「月経カップ」の存在を知ります。
経産婦のほうが月経カップを使いやすいと聞き、夜間のみ使用します。生理用品のかぶれから解放されます。そして、医師からは「身体が疲れると過剰反応をするから、生理前はきっちり睡眠を取るように」と指導されます。そりゃあたしだって眠りたい。
2-5.40代 高血圧が気になるお年頃 ミレーナ(IUS)を使って月経前から月経トラブルの軽減
経口避妊薬(ピル)は40代を超えると高血圧のリスクが高まるため、代わりにリスクが少ない生理コントロール方法として、IUSやIUDを産婦人科で薦められました。「避妊リング」IUS・IUDですが、本当に生理のコントロールには、こんなうってつけのツールはないというほど優秀なのです。飲み忘れの心配もなく、一度入れれば5年程度気にしなくてよく、高血圧のリスクも少ない。
最初のうちは「おや?生理かな?」という程度の出血はありますが、導入してから半年たった今、完全に生理から解放されています。10代の初経を迎える前のような生活を送っています。なんと快適なことでしょう(個人差がありますので、お医者さんに相談を)。
不調を解消する、たったそれだけのこと。それなのに、過大に避妊についてのみ騒ぎ立てたり邪推したりする人たちに心底うんざりしています。生理に煩わされたことのあるレディたちが、自分の身体をご機嫌に保つために、積極的にあらゆる選択肢をあたりまえに検討できるようになってほしい。
そして、男性にもきっと女性が知らない身体の苦労があるでしょうから、お互いに思いやって暮らし働いていきたいものです。
おわりに 生理休暇について
労務担当として、新社会人にお伝えしたいことが一つ。有給が付与されない入社半年内であっても生理休暇は必ず取れます。
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない(労働基準法第68条)
労働基準法では無給か有給かの指定がないので、無給休暇である会社が大半かと思います。無給休暇はお休みした分給与が減ってしまいますが、欠勤とは異なり勤怠不良扱いにはなりません。
とは言え、せっかくお休みするなら、体調不良ではなくリフレッシュに使いたいもの。上記の記事で低用量ピルやIUD・IUSに興味があれば、ぜひお近くの産婦人科にてご相談ください。
【ご紹介】参考・引用したサイト
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