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ブランクを超えて小説本を作る

文学フリマに参加しました

2月20日、木曜日。いつもお付き合いくださる皆さま、ありがとうございます。初めてのぞいてくださった方、ようこそおいでくださいました。

月曜日には学校エッセイ、木曜日にはジャンルを不問好き勝手に書き散らしている私のnoteですが、今週は先週に引き続き【文学フリマ未体験から初参加・初出店まで】をざっと振り返ってみたいと思います

参加したのは2025年2月9日に開催された文学フリマ広島7です。

日時:2025年2月9日(日) 11:00〜16:00
会場:広島県立広島産業会館 東展示館 第2・第3展示場
出店:272出店(295ブース)
来場者数:1,328人 (出店者: 345人・一般来場者: 983人)

文学フリマウェブサイト「開催案内 広島7」より
https://bunfree.net/event/hiroshima07/

前回、当日編を書きましたので、今回は準備編、……というか、当日に向けてコピー本の短編小説集を作るまでのあれこれを書いてみます。

こういったことはずいぶん久しぶりだったので、ずいぶん戸惑いながらの作業でしたが、調べてみると便利なものがいろいろあって助けられました。そこで、コピー本作りの一連の流れを備忘録的にもまとめておけたらいいなと。よろしければお付き合いください。

前回の記事はこちらです。


WordとCANVAで簡単コピー本作り

さて、文学フリマに行くことにしたきっかけは、すでに自費出版している『おしゃべりな出席簿』をもっと多くの人に手に取ってもらえないかと考えたからでした。縁あってお話をいただき、11年にわたって新聞聞連載をしてきた学校エッセイをまとめた本。

単行本も電子書籍も、Amazonにて好評発売中です。

でも、せっかく出店するなら、好きで書いてきた創作も本にしたい、と思い、小冊子作りを試みることに。

20年ぐらい前にさかのぼると同人活動をしていたこともあり、10年くらい前には文芸部顧問をしていたので、全く知識がないというわけでもないのですが、それでもブランクは相当にあります。子どもも小さく、起きている間にプリンターを動かすと荒らされるので(笑)、活動時間は深夜のみ。

いろいろと至らない点は多いのですが、短時間で体裁を整えて冊子を出す、ということにのみ注力して私がやった本作りについて紹介します。

たいしたことはしていないので、本当にゼロから、あまり新しいものや設定に手を出すことなく、時短でコピー本作りたい、私のような人がもしいれば、届けばいいな、くらいの思いで、おっかなびっくり書いています。

あと、このレベルの本を持ち込む出店者もいるんだ、という意味で、どなた様かの背中を押すことができれば……(苦笑)

最近、ZINEという言葉を知りました!

ZINEは、好きなものを自由な手法でひとつの冊子にまとめるという、新しい表現方法です。

This is mediaより
「ZINE(ジン)とは?ZINEの意味と楽しみ方・おしゃれな作品をテーマ別に紹介!」
https://media.thisisgallery.com/20211759

私の作った本もZINEの範疇に入るのかも……と思いつつ、なんだか慣れない言葉も気恥ずかしいし、そんなおしゃれなものでもないし、何より文字ベースで表紙もシンプルな私の掌編小説集には「コピー誌」の方がしっくりくるので、ここでは「コピー本」「コピー誌」という表現を使いたいと思います。

1.本文を小説風のレイアウトに落とし込む

たぶん1番時間がかかるのは本文制作(執筆)だと思うのですが、執筆パートは割愛。私はこれまでにnoteで公開した短編5本をまとめた掌編小説集を作ることにしました。

で、一応、文芸部顧問時代に部誌を作るため、それっぽいフォーマットをWordで作ってはいたのですが……調べてみると、今、世の中には素敵なフォーマットがあふれているんですね!即座に乗り換えました!

今回使用したのは、「小説 本文 テンプレート」で検索し、真っ先に出てきた「創作おTips」様による「A5サイズWordテンプレ」です。

テンプレートに本文をコピペするだけで、体裁が整います。しかも、中扉のデータがあったり、中扉や見出しにヘッダー見出しが連動していたりと、簡単に本格的な見た目が実現しました。感動です……。

2.小冊子モードでコンビニプリント

データが完成したらコンビニのコピー機で打ち出し用紙のサイズを「A4」に設定した上で、「小冊子」「右とじ/下とじ」を選択。これで、【二つ折りにしたときにA5サイズになる小冊子】用に自動配列されてコピーされます。データは4の倍数ページになるように作成するのがポイント!

A5にした理由は、自宅プリンターで対応できるのがA4サイズだから。「本文→コンビニコピー」「表紙(やや厚め)→自宅プリンター」でと考えたとき、1番無難にできそう、ということからこのサイズにしました。

あとから考えると、全てコンビニコピーにしてサイズ小さめ、というのもありだったかも(とはいえ、コンビニコピーにA5は無いため、文庫A6は難しいのですが)

さておき、これで本文は完成です!

参考までに、料金のお話。
私は36ページの本を作りましたが、A4に2ページ分が集約される計算になりますので、18枚×10円のプリント代で1冊あたり180円です。表紙にカラーコピーを使おうとなると、+50円ってところでしょうか。

3.CANVAで表紙を作る

印刷所に入稿するのではなくコピーで作るので、背幅等、難しい計算は一切せず、「CANVAでそれっぽい画像を作って、A4用紙で打ち出せるようにする」ということだけに注力しました。

CANVAの新規デザイン作成から「More」に進むと、下の方に「Book cover」という項目があるので、こちらを選びます。(「Magazine cover」もよさそう……)

まずは「Create a design」を選択
「More」を選ぶと「Book Cover」「Magazine Cover」が!
あとは好きなデザインをベースに調整するだけ

私はここで作ったデザインを画像としてダウンロードし、WordでA4横置き書式に2枚ペースとして表紙としました。配置は目視でなんとなく左右均等に……くらいの大雑把さ。

お詳しい方には笑われてしまいそうな作り方だろうと思うのですが、本当にこういうのが苦手な人が知識ゼロから作ったものとして、いろいろと大目に見ていただけると嬉しいです。

「縦書き」「右綴じ」なので、A4に配置すると左側に表紙、右側に裏表紙がきます。


4.プリントした表紙と本文をがっちゃんこ

あとは本文に表紙を重ねて二つ折りにし、中綴じホッチキスで綴じるだけ。完成です!ちなみに表紙の色味が気に入っていたのですが、プリンターの調子が悪かったので、泣く泣くモノクロコピーにしました。

やっぱり表紙の紙は本文より厚い方がいいな、と思ったので、自宅のプリンターを使う選択をしたのですが、きれいなカラーコピーで表紙を出すのも捨てがたく……。先にコンビニコピーで全部作るのもありだったかも、と書いたのはこういう理由からです。

使ったのは普通の文具店で売っている中綴じホッチキスです。くるっと90°回せるやつ。36ページの本を中とじで作ると、ホッチキスで綴じる枚数は9枚です。

なんとか子どもを寝かしつけてからの時間だけ使い、テンプレ探し等を含め約3日間かけてコピー本が完成しました!

本づくりを振り返って

文章書きにとって、自分の書いたものが本の体裁をとるってやっぱりうれしいものなんだなと再認識。素敵なテンプレートがとてもアクセスしやすいところに転がっている今の時代に感謝しました。もちろん、配布元の方々には言葉で言い尽くせないほどの感謝をしています……!

表紙もデザインメーカーなどいろいろあるみたいですが、今回はそこまで試せなかったので、また挑戦してみたいところ。

さて、こうして作ってみると、コピーで本ができちゃうってとてもありがたいな、と思う反面、意外と簡単に本文データができたため、完成原稿を入稿すれば思ったよりお手頃価格で印刷所の製本も可能なのでは……?という気持ちが頭をもたげてきました。

それはなにより、文学フリマで素敵な本たちとたくさん出会えたからこそだと思います。私も、表紙やタイトルから人をひきつけ、「手に取ってもらいたくなる」本を作っていけたら、など、そんなことを考えた初めての文学フリマでした。

とはいえ、文章を書くのは好きな反面、デザイン等はあまり得意ではないため、道のりはまだまだ長そうですが……。

学校の今を伝えたい『おしゃべりな出席簿』

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
月曜日には学校エッセイを紹介し、木曜日には本当に雑多に、興味のあることを書き連ねています。
よろしければ来週もまた、来週お目にかかりましょう。
最後に宣伝です!
拙著『おしゃべりな出席簿』、単行本も電子書籍も、Amazonにて好評発売中です!!

もし「紙書籍は最近買わなくなったけど、電子書籍なら……」という方がいらっしゃいましたら、ぜひこの機会にお読みいただけると嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。


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