法人向け1on1研修に携わっているからわかる、部下とのコミュニケーションのための家庭教師の必要性
組織コーチの古井奈緒子です。
昨年度から社外コーチとして、こちらのプロジェクトに参加しています。
改めて文字で読むと、支店長・部長の皆さん、そして社員の皆さんの心の葛藤がどれだけなものか
そして、それに負けずに会社を立て直すための並々ならぬ努力をされたことに心底感服です。
そして、このプロジェクトが始まって以降のES(エンゲージメントサーベイ)の結果を見て実感することは、コーチが提供する管理職お一人お一人に合わせたオーダーメイドのセッションがいかに重要かということでした。
就業時間内の集合研修は学校の授業と同じ
学生時代にこんなお悩みはありませんでしたか?
友達はわかっているのに、自分だけ理解できていない
授業の内容はわかるから、先に進めて欲しいor応用を知りたい
これらの解決のために、放課後の職員室に質問をしに行った、家庭教師に来てもらったなど、個人的に教えてもらっていたのではないでしょうか。
しかし、社会人になっての学びは、会社が用意する研修に頼ることが多く、その大半は、講師が複数の受講者に向けて同じコンテンツで教えるという集合研修で、学校で言うところの「授業」と同じ方式で行われます。
そして、その研修は、後日、学んだことを実際に使ってみて出てきた不明点や疑問点を、講師に確認する機会もほとんどないまま、何となく学んで終わり…ということが多いのが実態です。
コミュニケーションには答えがない
企業研修の多くは、スキルや知識を習得することに関しては有効です。
しかし、得た知識を実践に活かそうとすると、「わかってはいるけどできなかった」「どのタイミングでどのスキルを使えば良いかわからなかった」「思ったようには進まなかった」など、課題も多く見つかります。
特に、部下との1on1ミーティング(以下1on1と言います)を実施するための研修となると、スキルと知識だけではどうにもならないことばかり…
理由は、1on1の相手となる部下には様々なコミュニケーションタイプがいる、また、研修を受講しているご本人たちも様々なコミュニケーションタイプがいるからです。
100人いれば100通りのコミュニケーションがあります。しかも、人は感情の生き物と言われるくらい、同じ人でもそのときそのときの置かれている状況の変化で、先ほどまで通用したコミュニケーションが使えなくなるのです。
つまり、コミュニケーションには「こういうときはこう対処する」「こういうタイプにはこう対応する」という”正解”が存在しないのです。
コーチとの1on1は、家庭教師のような個別対応で”できない、わからない”を減らす
現在の40、50代の管理職世代は、ご自身が若手社員だった頃にはなかった1on1を部下に対して実施しなければならず、「自分の話を聴いてもらう」経験すらほとんどないので、そもそもどうやってやれば良いかもわからない状態。
ですので、まずはご自身がコーチに「話を聴いてもらう」という”体感”をしていただきます。
そして、実際に部下との1on1をやってみて出てきたお悩みをお聴きしながら
ご自身が持つ課題
それを解決することで見える組織の未来
1on1をどうマネジメントに活かしていくのか
そのために実際の行動にどう繋げていくのか
など、お一人お一人に合わせてセッションの中で一緒に考えていきます。
このことで、集合研修でわかった”つもり”のままにせず、部下との1on1に向き合えるので、成果や結果に繋がっていきます。
また、少しずつでも相手の変化が感じ取れるようになるので、管理職にとっても「1on1をやって良かった」という気持ちの変化に繋がっていくのです。
先に示したプロジェクトでは、集合研修と同時進行で、私たちコーチが受講者との1on1コーチングセッションを実施しています。
社外コーチは、言わば家庭教師のようなもので、受講者各々に対して”できない、わからない”を減らしていくための個別対応をする存在なのです。
とは言え、会社の研修は期限付きという限界がある
先述した私が携わっている1on1研修のプロジェクトでは、集合研修とコーチとの1on1コーチングセッションという、授業方式と家庭教師方式とで対応しています。
ですが、研修によっては、集合研修のみの場合もまだまだ多く、スキルと知識のみを詰め込むだけになり、「1on1に効果が感じられない」という結果になってしまっている企業のお話もお聞きしています。
そして、本来であれば、受講者が納得しコーチから卒業できるまでの期間は継続していただくことがベターなのですが、予算の兼ね合いなどで研修には期限があります。
私はコーチになって8年が経ちますが、セッションをしていても「これで良かったのだろうか」「もっとクライアントの感情を動かすには」など、悩みも尽きず、専業でやっていても学び終わることはありません。
それだけ、コミュニケーションは奥が深く複雑です。
研修に関わっている者としては言い難いことですが、会社が用意してくれる研修だけでは、正直、限界があると思っています。
これからは、転職だけでなく”継続して働く”ためにもコーチを使う時代
私のところに来てくださるクライアントには、部下とのコミュニケーションに悩み、会社が用意してくれた集合研修だけでは足りない部分を補うためにセッションを受けてくださっている管理職の方もいます。
また、会社が用意してくれた社外コーチには話せないプライベートな内容も含めて、ご自身の心の中にあるものを吐き出すことで、苦手な部下に対する捉え方が変わったり、会社に行くのが嫌でなくなったというお声をいただいています。
他にも、部下とのコミュニケーションを常に考え、改善していくことで、業績向上にも繋がったという方もいらっしゃいます。
会社員のコーチングセッションと聞くと、転職、起業のために受けるものと思われる方も多いのですが、実際は、
「今の会社により良い状態で居続けるため」
にセッションを受けてくださる方も多いのです。
どちらにせよ、今までのように会社から提供されるものだけで淡々と仕事をするのでは、現状維持すら難しくなっています。自らで考え、自らの力で未来を切り開くビジネスパーソンが求められる時代になっているからなのです。
今日も最後までお読みいただき
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