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国って何だろう?/早尾貴紀
ドウモ。なおきちデス。前回からだいぶ日があいてしまいました。ごめんなさい。今回は「僕たちの生きる社会」についての本です。どうぞごゆっくりお楽しみください。
僕たちは普段、「日本」という国に属していることを当たり前のように感じている。しかし、『国って何だろう?』を読んで、国というものが単なる地理的な境界線ではなく、人々の意識や歴史の中で作られてきた概念であることに気づかされた。本書は、国がどのように成立し、どのような役割を果たしているのかを詳しく解説しているだけでなく、国という枠組みが持つ問題点や課題についても考えさせる内容になっていた。私たちは「国民」という言葉を当然のように使うが、その定義は実は単純ではなく、歴史的に多くの人々が排除されてきたこともある。そうした視点を学ぶことで、これまで当たり前だと思っていた「国」の見方が大きく変わった。
本書の中で特に印象に残ったのは、「国民とは誰なのか?」という問いかけである。私たちは国籍を持っていることで自動的に「日本人」として認識されるが、それでは国籍を持たない人や、外国にルーツを持つ人々はどうなるのか。例えば、日本には長年暮らしていても日本国籍を持たない人々がいる。また、歴史を振り返ると、戦争や植民地支配の影響で、多くの人々が自分の意志とは関係なく国籍を変えられたり、国を追われたりした事例もある。こうした問題を考えると、国民という概念はただの法律上の決まりではなく、社会のあり方や歴史と深く関わっているのだと感じた。
また、本書では国の仕組みが戦争や差別につながる可能性についても詳しく触れられていた。私たちは国によって守られている一方で、国という枠組みがあるからこそ対立が生まれることもある。例えば、国はしばしば「自分たちの国を守る」という名目で戦争を正当化し、人々の間に敵対意識を生み出す。しかし、そもそも国という概念がなければ、国同士の争いは起こらなかったのではないかと考えさせられた。歴史上、多くの戦争や紛争は、国境や国籍といった制度が原因で生じている。さらに、移民や難民の問題も、国の存在があるからこそ発生するものだ。本書を読むことで、国は私たちの生活に欠かせないものであると同時に、多くの矛盾や問題をはらんでいることを理解した。
さらに興味深かったのは、国が「私たちのもの」という考え方が、時に排他的な感情を生むことがあるという指摘だ。例えば、国際社会では「外国人は国の利益を奪う存在だ」といった偏見が生まれることがある。しかし、本当に国は「私たちのもの」なのだろうか。本書では、国は特定の人々だけのものではなく、多くの人々が関わりながら作られ、変化してきたものであることが強調されていた。例えば、現代の日本社会は外国人労働者に支えられている部分も多く、彼らがいなければ経済や社会の維持が難しくなる分野もある。それにもかかわらず、外国人を排除しようとする意識が強まることがあるのは、国という枠組みが「内と外」を分けるものとして機能しているからではないかと考えた。
本書を読んで、私は「国」というものが決して絶対的な存在ではなく、人間が作り出し、変化させてきたものなのだという視点を持つことの大切さを学んだ。国は私たちを守る仕組みでもあり、生活の基盤となるものでもあるが、そのあり方は決して固定されたものではない。だからこそ、ただ国のルールに従うのではなく、その仕組みが本当に公平なのか、より良い形に変えることはできないのかを考えることが重要だと感じた。本書は、国の成り立ちや問題点を知ることで、私たちがこれからどのような社会を作るべきかを考えるきっかけを与えてくれる一冊だった。普段は意識しない「国」というものについて、これからもニュースや歴史の出来事を通じて考え続けていきたいと思う。
いかかがだったでしょうか?皆さんもぜひどのような社会を作っていくべきか考えてみてください!
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