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ダイバシティはブランドに必要か
ダイバシティとは
さて、今回はダイバシティというテーマでブランドとの関わりについて書いていきたいと思います。一見、何も関係のないように思える、という方は、もしかしたら、日本国内での状況に慣れてしまっているかもしれません。
本題に入る前にダイバシティとは何か、について触れておきたいと思います。このワード自体を知らない人はいないと思います。が、では、ダイバシティとは何ですか?という質問をして、多様性ですよね、と答える方、それは答えではなく、日本語訳でしかありません。では、人種、年齢、性別、国籍など、多くの違いを尊重し、それをベースとした企業活動を行うことが求められている、という答え、は及第点です。実際のところは、その多くの違いが生むビジネスへのインパクトをきちんと説明できるか、というのがポイントです。
これから消費の中心となるミレニアル世代(1981年生まれ以降)とその次のZ世代においては、それ以上の世代と比べ、多くの違いがある社会の中で育ってきており、違いがあることが当たり前の環境が価値観のベースとなります。そのため多様性がない旧来の価値観で構成されているブランドはもはや支持されません。ブランドは各ステークホルダーとの共感の中から成り立つのであって、お客様から支持されないブランドは落ちていくのみです。
日本企業の経営幹部を見てみると。。。
では、手っ取り早くみなさんの会社の経営幹部の構成を見てみてください。日本のみでビジネスを展開している企業もあるかと思うので、わかりやすい視点としては、
1)女性はどのくらいいるか
2)年齢はばらつきがあるか
を注目してみてください。男性ばかりとか50歳以上ばかりというのが日本企業には多いはずです。実際のところ、ダイバシティへの対応は日本企業は遅れている、と言われています。このまま10年経ってしまうと競争力自体に将来問題が出てくることは明らかです。
これはもはや経営リスクといっても過言ではないと思います。
ダイバシティがブランドに与える影響
それでは、ブランドそのものにとってダイバシティがどのような影響があるのかを考えてみたいと思います。先ほども書きましたように、現代のブランドは作り手のみならず、各ステークホルダーが共感し、共にブランドそのものを作っていくようなフェーズに入っています。
仮に、自社のブランドのターゲットとなるお客様がミレニアル世代より上の世代をターゲットとしているのであれば、ダイバシティを意識する必要はないかもしれません。ただ、ミレニアル世代以下の労働人口比率は30%を現時点でも超えており、この世代が今後の消費の大部分を占めてくるのは明らかで、それ以上の世代のみをターゲットにしていると将来性がないことが分かると思います。やはりミレニアル世代から下の層に受け入れられるブランドを作っていく必要があるのです。
では、ダイバシティはブランドを作っていくのにプラスになるかというと、はっきり言ってプラスになることはありません。
ダイバシティをベースとしたブランドメッセージが当たり前である
ということをきちんと理解すべきです。ややもすれば、女性役員を登用したので若年層や女性から受けがいいのでは?という考えになりがちですが、それはそもそも考え方のスタート地点が違うということに気がつくべきです。ダイバシティは既にブランドにとってはなくてはならない当たり前の視点なのです。