育児の価値観が夫婦で合わないときに考えること
子どもの育て方について妻と話し合いをすると、しょっちゅう喧嘩になっていました。
理由は、育児に対する価値観の違いです。
「自立を促すために親の関わりが必要だ」という僕の考えと、「自分でやらせればできるようになる」という妻の考えが合わなかったのです。
しかしいま、このような意見の相違はほとんどなくなっています。
なぜなら、夫婦の価値観の違いに対する見解を変えて、コミュニケーションをとるようにしたからです。
この考え方にもっとはやく気づいておけば、こんなに犠牲を払わなくても良かったのではないかと、少し後悔しています。
だから、僕がもちいた「夫婦に対する見解の変化」の方法について、障がいがある子どもを育てる人にシェアしたく、ここで書かせていただきます。
価値観が離れていくときに起こっていること
健常な子どもの違い、障害がある子どもは先の見通しが立ちにくいので、夫婦の考えも一致しにくいところがあります。
支援級の先生や児童デイの担当者と話しをするのは、もっぱら僕の役割でした。
子どものキーパーソンとしてお父さんが出てくることが珍しかったようで、「なぜお父さんが育児に熱心なのですか?」と聞かれることが多くありました。
一般的に、父親が育児や療育に積極的に関わることは少ないようです。
未だ多くの家庭では、父親が育児や療育に積極的に関わる機会は少なく、そのことで夫婦の価値観は、より離れてしまう傾向にあるのではないかと思います。
そうなると、療育の負担は母親に重くのしかかることになります。
結果として、母親が育児でストレスが貯まるのに父親は理解してくれない、というスパイラルが発生しやすくなります。
ではどうすれば良いのでしょうか。
夫婦で話し合うことや、夫の価値観を変えてもらうための努力をすることが、選択肢になるのかもしれません。
しかし、ここでまずしないといけないことは、「子どもと夫婦の関係性をズームアウト(少し離れた視点)して理解する」ことです。
ズームアウトして親子関係を理解する
【自分の意見は50%しか通らない】
子どもは、夫婦2人で育てています。
仕事や家事、育児などの役割やバランスは家庭によって変化しますが、2人で育てていることに変わりはありません。
「育児」というプロジェクトを2人で運営していることを考えると、自分の意見は2分の1しか通らないのが普通です。
全てを思い通りに動かすことは難しいのです。
『育児に取り入れることができる自分の意見は50%だけ』
この50%をスタート地点に考え始めることで、夫婦の価値観違いについて、少し落ち着いて考えることができるようになります。
経済行動学では、この基準を参照点といいます。
参照点をどこに置くのかということで、認識の仕方は大きく変わります。
夫婦で意見は半分ずつがスタンダード。
その認識を持って考えはじめでいくと、自分の心の問題にも少し違った解決方法が見つかりやすくなります。
【共通している価値観をみつける】
育児に対する考えが違っていても、子どもに対して共通する認識があるはずです。
「子どもに愛情を感じている」「楽しい家庭を築きたい」「子どもに自立してほしい」などは、たとえ育児に対する考えが違っていても、夫婦で共有している可能性が高いです。
障がいがある子どもを育てるとき、将来への不安はつきものです。
だから、夫婦で共有できていることに目を向けることは、とても大切になってきます。
逆に夫婦の意見の違いにクローズアップしてしまうと、考えの違いにより対立関係に陥りやすくなってしまいます。
まずは、子どもに対して気持ちが同じ部分に着目して、これからのことをゆっくり話しあっていく。
そういう相手に対する姿勢が、育児に対する夫婦の乖離を少なくしていくのです。
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