【読書】「日本女性史」脇田晴子 林玲子 永原和子編⑥ 【近世の女性 幕藩制国家と女性】「教育と人権」
今回の読書感想は
「日本女性史」
テーマは
近世の女性
幕藩制国家と女性
幕藩制国家と女性
女性知行
中世前期には
女性が家督相続する場合もあった
近世で
女性はほぼ家督相続から排除された
将軍や大名の女子は一部例外だった
武家女性
幕藩権力維持のため
嫡男子の単独相続が確立
武家諸法度で
諸大名の私婚禁止
諸大名同士が連合することを防止
庶民女性
長男子の単独相続が原則だが
厳しい法規制はなかった
農民では
女子が家督相続から
排除されることはなかった
町人では
男子優先主義
公的な場面から女性を排除
分割相続もあり
女子に不動産などを分与していた
女性の経済的成長にたいして
幕府が家督相続の規制をしていた
幕藩権力が
女性を家の正式な代表とみとめず
公的な立場から排除していた
妻は夫にたいして
絶対的に服従すべき立場におかれた
「公的無能力者」
女性が男性より
「劣る性」として
「半人前」とみなす女性観
教育の場をとおして
女性たち自身にも
このかんがえを植え付けた
女性の人格形成のうえに
あたえた影響はおおきかった
廓と宿場
幕府は
人身売買を禁止
10年以上の奉公も認めず
実質的な身売りの
遊女は容認していた
公娼は
東京、大阪、京都、長崎
私娼である
宿場の飯盛女も黙認
貧困層の出身者が多い
幕府は
飯盛女にたいして
衣類や日用品の制限など
私生活にまで干渉
公的輸送をになう
宿場の保護政策として
私娼を黙認していた
女流人たち
流罪は死刑のつぎに重い
庶民層がたいはん
最も多いのが
火つけの罪
遊女、飯盛女、下女など
最も弱い立場におかれたひとが
追いつめられたあげくの犯行
まとめ
今回の
「幕藩制国家と女性」では
教育と人権が
大きな学びでした
教育の重要性
幕藩権力が
女性を排除する
法的に強化していました
そして
女性が男性より
「劣る性」として
「半人前」とみなす女性観を
教育の場をとおして
女性たち自身にも
このかんがえを植え付けたという
衝撃的です
ある種の
マインドコントロール
のようなものかもしれません
人権の尊重
強力な中央集権で
統制された社会
固定化された身分制のなかでのくらし
そのくらしで
弱い立場におかれる女性たちの
歴史を知ることができました
とくに
貧しい境遇の女性たちは
身売りされて
追いつめられていきました
そんな女流人の
悲しい実情もわかりました
自分を弁護することも許されず
一方的に
罪に処せられてしまいます
教育と人権が
現代とまったく違う時代を
生きた女性たちでした
次回は
「庶民女性」の
生活と労働
女性と宗教など
を勉強していきます
それではまた