36:同じ言語で話しても分かり合えない価値観がある
Bonjour!
前回、全国学力テストの答えを先生が黒板に書き、児童に写させる現場を目撃した話をしましたが、JICAスタッフさんから聞いた隊員時代の話もかなり衝撃的だったので、記載しておきます。
彼の任国だったとあるアフリカの国では、「全国テストで1位だった学校の先生に政府からお金やバイクが支給される」とのこと。
…。絶句。
「そりゃ不正行為が無くなるはずがないよな」と思ってしまいます。
アフリカ全部の国がこんな感じではないとは思いたいですが…。教育って何?
最近、カンボジアで企業した大学の先輩とzoomで話をしました。
彼女のいろんな国での経験を聞いて、「やっぱりベナンの教育は崩壊してる」と思ってしまいました。
そもそもベナンは仕事がありません。
高校大学を卒業出来てもタクシー運転手になるレベル。
だから「教育を受ける→良い職に就ける」という概念が他の国と比べて欠けていて、勉強を頑張ろうという向上心がないのかもしれないねという話になりました。
私の配属先である市の教育委員会の人たちですら、地図を読むことも書くこともできません。
「Excelで作成した活動計画書の見方も分かっていなさそうだね」とJICAの職員とも話をしたくらいです…。
そして日本から来たJICAの職人が「市役所や警察署、教育委員会でさえ、話が噛み合わない」と嘆いていました…。「何度聞いてもちんぷんかんな答えが返ってくる」とのこと。
※JICA職員はフランス語がペラペラなので、言語の問題ではありません。
しかし、同じ日本人でも価値観を理解し難い人はいます。
だから「途上国の人達と価値観を共有するのは難しいだろう」と心づもりをしてベナンに来たつもりでしたが、毎日想像を絶することばっかりです。
話は少し逸れますが、ベナン発祥のブードゥー教を研究しようとした日本と欧米の学者がいました。
彼らは何度もベナンを訪れましたが、最終的にブードゥー教が何なのか分からなかったそう。
ベナンの、アフリカの価値観は他の言語では表せないものが多すぎるのだと思います。
その未知な感じが興味深くておもしろいなあとも思いますが。
フランス語の壁は勿論ありますが、言語が同じでも彼らの価値観は理解出来ないだろうし、私たちの伝えたいことも分かってもらえないことがあまりにも多い気がします。
活動のストレスは想像通りなのでストレスになってるわけではないですが、これからは「分かってもらおう」という気持ちは少し捨てないと今後の自分が苦しくなる気がしています。
トラブルは毎日いろいろあるし、配属先には毎日批判されてばかりで正直腹立つこともありますが、Well-beingの「分かってあげてから分かってもらう」という姿勢は忘れないでいたいです。