なんとなく

変な物語を書きます

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レタスの反乱

僕はレタス。 サンドイッチの中で 他の具材たちと一緒に毎日頑張っている。 だけど、いつも僕はハムやチーズ、 トマトに埋もれて目立たない。 せっかく新鮮でシャキシャキしているのに、 どうしてみんな僕を主役にしてくれないんだ? 「僕だって主役になりたいんだ!」 そんなある日、僕は決意した。 今日は絶対に他の具材に負けずに、 サンドイッチの主役になってみせる! 僕は自分の存在感をアピールするため、 パンの間で思い切って体を膨らませてみた。 「おいおい、何をやってるん

    • 進化しすぎたウイルスの悲劇

      俺の名前は「MaliciousBug-X」。 かっこいい名前だろ? 最新のウイルスとして誕生し、 世界中のコンピュータを混乱に陥れる使命を背負っている …はずだった。 俺は開発者の手によって 最新のセキュリティを突破するスキルを持たされ、 どんなシステムでも侵入できる 最強のウイルスになるはずだったんだ。 問題が発覚したのは、 俺が初めて侵入したコンピュータでのことだった。 「侵入成功! システムを乗っ取ってやる!」 俺は興奮していた。 ターゲットは 普通のオ

      • 選ばれない悲しみ

        俺はポテチ。 棚の中で、他のポテチたちと並んでいる。 中身はぎっしり詰まった黄金色のチップス。 パリッとした食感と塩の味わいが自慢の俺。 だけど、ここに並んでからどれくらい経っただろうか。 「誰か…僕を選んでくれないかな…」 毎日、多くの人がこの棚を通り過ぎる。 ある人は手に取っては別の袋に目を向け、 ある人は全く目もくれずに他のものをカゴに入れていく。 そして、いつも俺は残されてしまう。 「僕の中身だって、他のポテチと変わらないはずなのに…」 隣に並んでいる他

        • 溶けゆくアイスの独白

          冷凍庫の中、 僕はまだ完璧な形を保っている。 滑らかなバニラの表面、 甘い香りを漂わせながら、 いつその時が来るのか待ち続けている。 僕はアイス。 いつか誰かに食べられるために作られた存在だ。 「今日は暑いな…」 外の声が聞こえるたびに、 僕は期待で心が躍る。 冷凍庫のドアが開かれ、 冷たい世界から温かい手にすくい上げられる瞬間が、 僕の運命だ。 そして、その運命は喜びでもあり、 恐れでもある。 「食べられることが僕の存在意義だ。 でも、どうしてだろう…少し怖い