忘れてはいけないこと

 今日現代文の課題をやった。
何故かその文章に何かグッとくるものがあって、読み終えたあと作者の名前を見ると、なんだか見たことのあるような漢字が並んでいた。
(鷲田清一『だれのための仕事』)
 すぐにスマホで名前を検索すると、かなり有名で数々の学校教科書に名を載せる哲学者であった。教科書というところにピンと来ていくつかの題名を見ていくと、見覚えのあるものを見つけて納得した。

 私は別にこの手の文章が得意な訳でもないが、彼のつくる文章は完璧でありながらも、どこか強い人間性を感じる時がある。
 やはり国語は、ほかの教科に比べて気が乗るな。

 比べるものでも無いが、やはり英語の長文はここまで面白くは出来ない。まあそんなことはまず英語ができるようになってから言わなければね。

 まあそんなことは置いておき。
今日見たネットでのくだらない質問が、この彼の文章から色々と考えさせられたものがあった。

 質問内容は過去にも幾度か見たことのある質問で、私自身その仕組みに詳しくは無いが。 社会福祉制度について、なぜ弱者に対して関係の無い私たちが手助けをする必要があるのか。そんなくだらない質問だ。

 彼の話というと。
 現代の労働状況は、労働に対する感謝が欠け、大きな社会システムそのものの存続ののために、労働者は捨てられたり求められたりしていると。だから今の労働に実感がわかず、他者とともに生きていることを忘れるのだと。

 そして、
 だが人間は一人では生きてゆけない「弱い存在」だ、とも言った。

 本当にその通りだと思う。
人は弱く、一人では生きていけない生き物だ。今はそんな感覚は感じにくくなった。労働に実感のわかなくなったこの社会では、他者に生かされている感覚が薄れる。

 人がここまで自然に適合できたのは、他者との共存にあるのだと感じた。人間はみな弱者だからこそ、弱者同士がともに助け合ってきたから今の私たちがいる。

 忘れてはいけないことって、まだまだ沢山あるのかもしれない。

 あなたが感じた、忘れてはいけないことってある?


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