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2024年駆け込み!おすすめ映画

年末年始の時間のある時に是非。
(noteでの投稿を始める前に公開された映画に絞ってピックアップ)


お母がさんが一緒

本年、鑑賞前に想定していた内容と、良い意味で違った、「思ったより良かった作品」に何本か出会ったが、本作『お母さんが一緒』もそのうちの一つだ。

CS放送で同名舞台を原作としたオリジナルドラマ「お母さんが一緒」が放送された。本作は、それを内容そのままに再編集したものだ。
故に、ドラマ版を視聴し、続編が製作されたものだと思い劇場に足を運んだ人からは、ただの再編集版だったとの評価となったが、初見の私は大満足だった。

左から長女・弥生(江口のりこ)、三女・清美(古川琴音)、次女・愛美(内田慈)

登場人物は、親孝行のために母親を温泉旅館に連れて来た三姉妹と、三女の彼氏。
上記を演じるキャストは、長女・弥生に江口のりこ、次女・愛美に内田慈、三女・清美に古川琴音。そして清美の彼氏・タカヒロはお笑い芸人「ネルソンズ」の青山フォール勝ち。
そして監督・脚本は橋口亮輔(映画『ぐるりのこと。』『恋人たち』)。
名バイプレイヤーの3人が、笑って泣ける、家族のドタバタ劇を演じる。

私は、三姉妹のキャストに惹かれて劇場に足を運んだ。
江口のりこ、内田慈、古川琴音の、誰とは言わないが”会ったことあるけどもう会いたくないあの人”を思わせるその演技力には期待通りの安定感と納得感があり、その表情、仕草、口調や声色どれを取っても見応えがあった。
ところが、思いがけぬ名演技を披露した俳優がいた。
それは、正直全く期待をしていなかった、タカヒロを演じた青山フォール勝ちだ。
演技が想像よりも遥かに自然で、名女優たちに馴染んでいたのである。彼はトリオ芸人として、普段からコントをしている。
しかし、いくら日常的にコントを通して演技をしているとはいえ、ここまでのものとは思わなかった。

清美の彼氏・タカヒロ(青山フォール勝ち)と、清美

そして、その青山フォール勝ちのキャスティングは、橋口監督が提案したものだという。
橋口監督は、他の芸人のYouTubeチャンネルにネルソンズがゲスト出演した際の動画を視聴し、彼に対して「優しくていい奴」だとの印象を抱いたそう。
そして本作のドラマ版のキャスト決めの際、そのことが思い出され、タカヒロのキャラクター性とマッチしたことから、オファーが決まったようだ。

橋口監督が、彼のコントでの演技を見てオファーしたわけではないというのもまた、面白いところ。

実力派女優3人のジェットコースターのような激情の見事な表現と、その中で1人振り回されるドラマ初挑戦の芸人。そのコントラストと脚本のブラックユーモアで、クスッと笑えてジーンと沁みる作品に仕上がっていた。

本作は、U-NEXTやアマプラなどで視聴可能。

清美と愛美の喧嘩に巻き込まれるタカヒロ

1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。

映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。

MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
ENFPらしい性格であると他者からもよく言われるが、文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。
(明るい文章もお任せあれ!)

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