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こひつじ
2016年4月29日 13:19
「一緒に寝たかったのに」 僕は小さな声で恨み言を呟いた。 さっきまで、言えないって思ってたのに。 そばにいたいって気持ちが強くて、もう恥ずかしさは消えた。「ユギョマー」「はい」「俺も……気持ちは一緒だけど……襲われたくなかったら、さっさと寝なよ」「えっ」 お、襲う? マクヒョンが? 僕を? どういうことっ。「おやすみ」「お、やすみなさい」 僕の声、多分動
2016年4月29日 13:18
「ユギョミ、先に話して」「あ、うん……あのね、マクヒョンには、ずっと好きな人がいるって思ってた。だから、ずっと片思いだって思ってたし、それで、だからほんと今もまだ、信じられなくて」「あんなキスしたのに、信じられないの?」 目だけしか布団から出てないけど、マクヒョンが驚いた顔してるのがわかる。「それは、」「いないよ、そんなの。好きな子がいたのは、ユギョミじゃん」「え」「好
2016年4月29日 13:17
「幸せ、嬉しい、好き」 僕はヒョンの胸に顔をくっつけて、そう言う。 それを聞いてマクヒョンがケラケラ声を出して笑う。「好き、すきすきめっちゃ好き」 ヒョンは面白そうにずっと笑ってる。「ほんとにほんとに好き」「もう分かった、分かったから」 ヒョンはそう言って笑うけど。 今までだって何度となくそうやって交わされてきたんだから。 ほ
2016年4月29日 13:15
「ユギョミ。何してんの」 ヒョンが嫌そうな顔してくる。 僕はヒョンを自分の膝の上に座らせた。「ヒョンが可愛かったから」「生意気」「ヒョン、かわいいとか言われ慣れてるでしょ、嫌なの?」 自分でした事だけど。ヒョンの顔があんまりにも近くて、なんか、ちょっと後悔。 急にぎこちなくなって、どんどん緊張してくる。「べつに嫌じゃないけど。ユギョミの前では
「マジで。顔見せて」 ヒョンが僕の隣に座って、顔を覗き込んで来る。「俺、ユギョミにいっぱい話したいことがあるんだ。聞きたいことも。ユギョミもだろ?」 ヒョンの優しい低い声が、心地いい。 僕は、ヒョンの目を見て頷いた。「泣かないでよ」「泣いてないよ、泣きそうになっただけ」 ヒョンが笑う。「ほとんど泣いてるけど。マジで、なんでそんな可愛いの。好き
2016年4月29日 13:13
マクヒョンが、確かめるようにゆっくりと、優しくキスを落としてくる。 おでこ、両頬、まぶた、鼻。 お互いに無言で。 静まり返ったリビングで、小さく音を立てるヒョンの唇。 緊張もしてるし、この状況が何なのか全く理解できなくて、頭が真っ白だ。 明るいリビングの明かりに照らされるマクヒョンの妖艶な顔が、たまらなく綺麗で。 その目が僕を見ていることが信じられなくって。「ギョミ…
2016年4月29日 13:11
早足で歩いて行くマクヒョンを追いかける。 リビングでヒョンに追いついて、その腕をパッと掴んだ。「マクヒョンっ、待って」 今、行かせちゃいけないって感じた。 急に、何かが分かりそうな気がして。 どうしても今を逃したくないって思った。「ヒョン、僕」「ユギョミ、もうやめよう?」 立ち止まって振り返ったヒョンは、辛そうな顔して、僕の言葉を遮る。「何を」
2016年4月29日 13:09
音楽が鳴って、ダンスして、歌っている間は大丈夫。 ただそのことだけ考えて頑張れば、頑張る分だけ成果が出る。 だから、僕はただがむしゃらに踊った。「何ユギョム、今日めっちゃ張り切ってんじゃん」「昨日ベロベロで帰ってきたとは思えなーい」「ヒョンっ」 ヨンジェヒョンにバレてたのに驚いて、思わずジェボミヒョンに聞こえてないか、確認してしまう。 なんか、怒られそうな気がして。
2016年4月29日 13:07
まるで懇願するような、切羽詰まった。そんな目をしたマクヒョン、知らない。 ずっと、僕だけが辛いと思ってた。 ヒョンの視線を、ただ受け止めることしかできない。 心臓が掴まれたみたいに苦しくて。 何か、ヒョンが楽になることを言いたいのに、思いつかない。 僕は、ただヒョンの手を掴む手に力を込めた。「そういうの、やなんだけど。でも……」 ヒョンの瞳が揺
ご飯を食べながら、昨日のことを思い返した。 マクヒョンに感じ悪くしたこと、酔って帰って、ヒョンに話は明日にしようって言われたこと。 それと……。 勝手に一緒に眠ったこと。 そこまで思い出して、今さらハッとした。 スープが変なところに入って、むせる。 僕が咳き込んでいると、ダイニングに入ってきたマクヒョンが背中を叩いてくれた。「ゆっくり食べなよ」 そう言って冷蔵庫か
2016年4月29日 13:04
夜中に、猛烈にトイレに行きたくなって、目がさめた。 外が少し明るくなってるのに気がついて、気のせいだって思おうとしたけど無理で、結局、トイレに起きる。 そいや、酔っててそのまま寝ちゃったんだった。 寒っ。 布団から出るとめちゃくちゃ寒くて、ジニョンイヒョンを起こさないように、そーっと忍び足でトイレに入った。 すっきりして、あったかい布団の中に戻ろうとしたけど。 やっぱり気
2016年4月29日 12:54
「ユギョミー、今日言わなくていつ言うの?」 ふいに、隣の部屋からジニョンイヒョンの声がして、ビクッとした。「い、いつか、」「タイミング、永遠に逃す気?」「そうじゃ、ないけど」 ほんとは、もう抱えられないくらいの好きで、息ができないくらいだ。「マクヒョンさ」「なに、俺の話?」 その時マクヒョンが部屋に帰ってきて、飛び上がりそうなほど驚いた。手に水を2本持ってる。
2016年4月29日 12:53
「ヒョン~、ただいまー」 僕は、ヒョンの顔を見たら嬉しくなっちゃって、ぎゅうっと抱きついた。「え、ユギョミめっちゃ酔ってない? ジニョンイどんだけ飲ませたの?」「いや、焼酎一本だけ、こんな楽しい感じに仕上がっちゃって」「ユギョミ、部屋行くよ」「うん、ヒョン一緒に行こう」 たった数時間離れてただけなのに、なんか、なんかマクヒョンのことめっちゃ好きすぎるんだけど。 僕はヒョ
2016年4月29日 12:52
「その顔! だいたい考えてること分かるから」 そう言って吹き出すように笑うジニョンイヒョン。「いや、マジで僕とマクヒョンをくっつけようとすんのやめてよ」 ば、ばれてるし。「そうやってマクヒョンのこと突き放すのもムカつくし」「そうやって自分の恋から逃げてんのもムカつくし」 ヒョンが僕の口調を真似て言う。 逃げてる、そうだよ、逃げてるけど。「ぶつかったら砕けるって決まっ