洋上現場でのつなぎの色は赤かオレンジか黄色
赴任先の会社のロゴは青色を基調としていて、会社のシンボルカラーも青色のイメージがあります。
洋上の石油開発の現場に行く際には作業着としてつなぎが支給されます。私が赴任してきたばかりの頃には鮮やかな青色のつなぎが支給されていました。会社のシンボルカラーでもあり、掘削現場である洋上リグで働いている時にも視認性がよく、よく考えられているのだなと思っていました。
しかし、ある時から洋上の現場で働く際には、着用できるつなぎの色は赤かオレンジか黄色に変更されました。
理由は青だと夜の視認性が悪いこと、そしてなによりも海に落ちたときの視認性が悪いからだということでした。
考えてみれば現場は24時間動いていて、夜でもクレーンの操作や高所で働く人の動きを確認しながらの作業が行われます。昼間よりもむしろ夜暗い中での視認性の方が重要だということです。そして海に落ちたときの視認性は明らかに青よりも赤やオレンジや黄色の方が高く、要救助者を発見できる確率が高くなるとのことでした。
そんなに人が海に落ちるケースがあるのかと思いきや、南国に限りませんが洋上の石油開発の現場では時々転落事故が発生しています。そして、あってはならないことですが、最悪の場合には自ら海に飛び込むことも必要です。映画「バーニング・オーシャン」のように洋上施設の火災や爆発事故も絶対にないとは言い切れません、
私たちは、HSE (Health (健康)・Safety (安全)・Environment (環境)) を何よりも最優先と考えていますが、人間は間違いを犯すもの、機械は壊れるもの、そして事故は起こるものとの認識は必要です。
HSE研修では、たとえ間違いを犯しても、機械が壊れても、最悪の事態を極力避けるため常日頃から命を守る備えと意識が必要なのだと教えられます。
つなぎの色ひとつにしてもそのような意識が込められていると思うと、身が引き締まります。
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