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鎌倉の大仏がミャンマー人に大人気! いったいなぜ?【3/23は鎌倉大仏建立開始日】

本日3月23日は、鎌倉の大仏の建立が始まった日です。

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鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』によると、1238(暦仁元)年の今日(新暦では5/8)、僧・浄光の勧進によって、大仏の建立がはじまったと伝わります。
大仏を建てるのには5年もの歳月がかかり、1243(寛元元)年に開眼供養が行われました。(▼『吾妻鏡』古活字本寛永版・林道春(羅山)の跋文

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鎌倉時代の紀行文『東関紀行』によれば、1242(仁治3)年の時点で、大仏と大仏殿が全体の3分の2ほど完成していたと記されています。このときの大仏は、現在の銅造ではなく木造であったらしいですが、このときの木造大仏は何らかの理由で失われて、その代わりに銅造大仏が建立されたとされています。

1238年の今日に建立が始まった大仏は、木造だったわけですね。

ミャンマー人が多い高徳院

この鎌倉の大仏は、神奈川県鎌倉市長谷の高徳院というお寺に鎮座しています。
境内は鎌倉観光に訪れた観光客が多く、とくにここの大仏は中に入ることができる(胎内拝観)ため、とても人気です。(▼胎内から上を見たようす)

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近年、鎌倉でとくに目立っているのが外国人観光客です。京都ほど混雑もしていなく、また東京に近い場所で日本の歴史を感じられるこの町は人気が出るのでしょう。昨今のコロナ騒ぎで姿を見かけなくなったものの、事態が終息すればまた多くの外国人が訪れるようになるでしょう。

高徳院の境内でも外国人観光客は多いですが、とくに東南アジア系の人達がたくさんいます。
とくに多いのが、ミャンマー人。なかには大仏に向かっておでこを地面につけてお祈りするグループもたまに見かけます。さらに境内のショップに並べられている鎌倉大仏のミニチュアも、ミャンマー人観光客に飛ぶように売れています。

いったいなぜ大仏観光がミャンマー人に人気なのでしょうか。

ミャンマーで広まっている、とある噂

ミャンマー人が鎌倉に押し寄せてくる理由のひとつに、彼らが敬虔な仏教徒である、ということがあります。ミャンマーは上座部仏教が盛んな国で、外務省によるとミャンマーの宗教比では、仏教徒がなんと全体の9割を占めています。(▼ヤンゴンにあるお寺)

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ただそれだけでは、あえて鎌倉を選んで来ている理由としては不十分でしょう。日本には仏像が置いてあるお寺など数多くあるのですから…(大仏に限れば茨城県の牛久大仏も大きくてすごい!▼)

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彼らが鎌倉を目指す真の理由は、国内で広まっている「ある噂」によるそうです。
それは、鎌倉の大仏にお祈りをすると願いが叶うという噂。
さらに具体的に、鎌倉の大仏のミニチュアを毎日拝むと、いつか日本に行けて本物の大仏を拝めるという噂もあります。


そのため、故郷にいる家族や友人のためにミニチュアが飛ぶように売れているのです。もらった人たちは、そのミニチュアに日々お経をあげて日本旅行を夢見るそうです。

そんな噂が出回っていたなんて、外国の話は面白いですね。


参考資料:

『外国人が喜ぶ日本の名所』「ニッポン再発見」倶楽部(三笠書房)

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Ⓒオモシロなんでも雑学編集部


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