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レジャースポットとなった巌流島が抱える現代の悩みとは?【4/13は決闘の日】


本日、4月13日は決闘の日とされています。それは、1612(慶長17)年のこの日、巌流島の戦いが行われたからです。
この戦いは、備前美作の浪人である宮本武蔵と、細川家指南役の佐々木小次郎の間で行なわれた、剣術最強の雌雄を決する歴史的な決闘です。

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決闘の日、武蔵は約束の時間を1刻(約2時間)遅れて小船から姿を現したと言われています。待ち疲れて、苛立っていた小次郎は刀を抜き放ち、鞘を海中に投げ捨てました。そして勝負は一瞬、武蔵の櫂(かい)の木刀が小次郎の額に当たり、武蔵が勝ったと伝わります。

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本日は、この決闘の舞台となった巌流島を紹介します。

下関市にある無人島

この巌流島の戦いはとても有名な話ですが、舞台となった巌流島はどこの島であるか、あまり知られていません。

この巌流島は、本州と九州を隔てる関門海峡にあります。下関港および門司港から船で10分ほどと、かなり町に近い場所に浮かんでいます。住んでいる人はいない、いわゆる無人島です。

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現在は山口県下関市に属し、かつては下関側では「舟島」、九州の小倉側では「向島」と呼ばれていました。が、佐々木小次郎が「巌流」「岩流」という流派を名乗っていたことから、その名を取って巌流島と名付けられました。

島の東には武蔵像と小次郎のブロンズ像が立てられています。躍動感あふれる姿で、この地で二人が戦ったことを雄弁に物語っていますが、じつは現在の巌流島は、この像以外、武蔵と小次郎が決闘した当時の姿とは大きく異なっているのです。

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岩礁と軍事目的で埋め立て

現在、巌流島の外周は1.6kmくらいです。1時間も歩けば1周できてしまうほどの大きさですが、じつは江戸時代においてはさらに狭い島でした。当時は、現在の桟橋から武蔵小次郎像までしかなかったのです。

では、なぜいまの大きさに拡張されたのでしょうか。
それは、巌流島の周りが岩礁が隠れる難所だったからです。かつては豊臣秀吉も名護屋から大坂へ帰る途中、ここで船が座礁転覆し毛利水軍によって助けられたと伝わります。このとき船と運命を共にした船長の明石与次兵衛の名を取り、江戸時代には「与次兵衛ヶ瀬」と呼ばれていました。

この岩礁は大正年間、大型船舶の航行を妨げるために爆破され、埋め立てられていきます。三菱重工業の手によって1917(大正6)年に埋め立て工事が開始され、その後は第一次、第二次大戦による中断がありましたが、工事は1980(昭和55)年まで続けられて、現在の大きさになりました。この埋め立て工事によって、島は当初の6倍もの大きさに拡張したのです。

現在では、埋め立てによってできた島の南部分は三菱重工業の社有地となっていて、反対側の北部分は下関市の管轄地です。下関市のエリアには遊歩道やバーベキュー場などが整備されており、レジャーを気軽に楽しめる施設となっています。

あまり人が来ない?

ご存じの人も多いと思いますが、ここ巌流島は決闘の聖地としてプロレスイベントなどが催されています。8年前には、武蔵・小次郎決闘400周年記念と称し、「レジェンド・ザ・プロレスリング『巌流島5・5マッチ』」が開催され、初代タイガーマスクらのプロレス試合が行われました。
また、市民参加型のスポーツ大会やカラオケ対決なども行われています。

しかし、このようなイベントがない日はあまり人が訪れていないそうです。
武蔵・小次郎像もあるため、歴史ファンなど限られた観光客はいますが、下関市エリアにあるバーベキュー場の利用者は、年間でほんの数件とのこと。
数件って、いくらなんでも過疎りすぎ……と思うかもしれませんが、それにはこの立地ならではの理由があります。(▼バーベキュー場 画像出典:楽しも

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島であるため、車で訪れることができないのです。
バーベキューと言えば、食材や飲み物のほか、炭、網などから、椅子、机などを車に積んでみんなで楽しく行なうイメージがありますが、ここではそれらを車を使わずに運び込まなければなりません。想像するに、結構不便ですね。

加えて、夜間利用ができないというのも、あまり利用されない理由のひとつです。下関港や門司港から船便が出ていますが、それらの便は夕方には終了してしまいます。島内に宿泊施設はないため、夕方以降に島にいることが許されないのです。そのため、市ではバーベキュー場の利用時間を午後5時までとしています。

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つまり、苦労してバーベキューセットを運び込んでも夕方には撤収しなければならないというわけです。これでは確かに、車で行けるほかのバーベキュー場に流れてしまうかもしれませんね。

とはいえ、天気の良い日には爽やかな海風を全身で感じることのできる島でもあることも確かです。お昼を野外で!くらいの軽い気持ちで利用してみてはいかがでしょうか?

利用申請はコチラ▼

参考資料:

『封印された日本の離島』歴史ミステリー研究会編(彩図社)
下関市HP


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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