思いつき短編:カーナビ
ポンッーーーー、次は300メートル先、右方向です。
今、僕と友達で休みの日にドライブをしている。
車のこだわりとか、何処かの道を猛スピードで走り抜けるとかには興味がなく、ただゆっくり景色を眺めるのが好きなのだ。
基本的には目的地は指定せずに、今日は北、今度は東、というように東西南北で決めている。
どこか観光名所に寄るのも良いのだけど、僕達は敢えてそうしない。
そうすると、なかなかの穴場を見つけるのだ。
ポンッーーーーー、この先4キロ程、道なりです。
だけど今回は運悪く、道に迷ってしまった。辺りも暗くなって視界が悪い。
なのでナビで国道に出る道へ案内してもらっている最中だ。
本当にこの道で合ってるのか?
友人は、暗く狭い道で不安なのか、僕に聞いてきた。
大丈夫だよ、ナビの道順通りに行けば賑やかな道に出るって!
友人はそうかと言いながら、なんだか納得できない表情でいる。
かく言う僕も何だかやけに不安なのだ。
だけど、不安の種が何なのかがわからない。
ポンッーーーー、次は、50メートル先左方向です。
ここを左に曲がるんだな。
左にウインカーをあげて左折をする。
ポンッーーーー、しばらく、道なりです。
おい、何だか山の上へ向かってないか?
友人が少し苛立ちながら僕に聞いてきた。
きっと、それくらい山の中に迷い込んじゃったんだよ、そのうち下るだろう。
案の定、走っているうちに道を下っていた。
ポンッーーーー、このまま真っ直ぐです。
すると、真っ直ぐな下り坂へと差し掛かる。
安全運転手をするも、下り坂の中間地点で車のスピードが上がった。
ブレーキをかけてもなぜか効かない。
おい!何やってんだよ!!
友人が声を荒げた。
ブレーキが効かないんだ!
僕は力の限りブレーキを踏む。
だが、それも虚しくスピードは時速100キロを越えた。
その時、カーナビのアナウンスが鳴る。
ポンッーーーー、このまま真っ直ぐです。
ポンッーーーー、このまま真っ直ぐです。
ポンッーーーー、このまま真っ直ぐです。
まるで、CDが空回りして同じメロディーが流れているように繰り返す。
何だよ!どうなってんだよ!!
知らねーよッッッ!!
声を荒げる二人をよそに車は坂を下りきってT字の交差点のガードレールを突き破った。
僕の車は夜闇を走った。
ポンッーーーー、目的地の地獄入口へ到着しました。
ポンッーーーー、目的地の地獄入口へ到着しました。
ポンッーーーー、目的地の地獄入口へ到着しました。
ポンッーーーー、目的地の地獄入口へ到着しました。
運転、お疲れ様でしたーーーーーーーーー。
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