👁️🗨️午前の真野|中身1(全3話)【短編小説】サクッとショートショート!
現在、私は車に乗って東に向かっている。
と、いうのも急にモグが…
「マノちゃん海に行こ!うん、そうだ!海に行こ!!」
と、いつものごとく半ば強制的に海あり県に車を走らせている。
私たちの住んでいる土地は海がないので片道2時間かけて車で行くしかない。
「まずは、海の家で焼きそばと焼きトウモロコシとかき氷、たこ焼きとイカ焼きにあー、フランクフルトとラーメンもいいなぁ」
「どんだけ食べるんだよッ!そんじゃ今日は海の家でご飯たべるだけ?」
「ノンノン。これはあくまで前菜だよ。メインは・・・ランドセルッ!」
私はそこで青ざめた。
「お前、いつから物まで食べるようになったんだ。怖いぞ」
「違うよー。これもウチのネットワークで聞いた噂なの!」
まぁ、冗談はさておき。
今回はどうやらランドセルを探すらしい。
「また、変なことに首突っ込んで」
ニカッっと笑ってモグがごまかす。
話を聞くとこうだ――――。
毎年、7月の20日海の日に人気がない海岸にポツンと放置されている黒いランドセルがあるそうだ。
見た目はもう何十年も海にさらされて金具は錆びつき、革の部分も酷く傷んでいる。
大抵の人はごみと思って無視するが、稀に好奇心旺盛な人がいてそのランドセルを開けようとする者もいる。
「その中を開けてみると・・・。ってなわけ」
「ってなわけって、その後は?どうなったんだ」
「それを今日検証するのだよ助手君」
いつから私は君の助手になったんだ!
「それで戦の前の腹ごしらえってことね」
「ピンポーン、海の家で英気を養おう!!」
私はため息をついて車の窓を開ける。
まだ海は見えないが、潮の匂いがする。
いよいよというときにモグが叫ぶ。
「わあぁ!!海だー!」
坂になっている道路を越えた先に夏の陽ざしに照らされキラキラ光る広大な海が見えた。
「やったやったー!海だー」
モグは幼い子供の様にはしゃぐ。
かく言う私も心がウキウキしていた。
こんなにも素晴らしい光景を見たら少しひねくれた心も素直になる。
「うおぉー!駐車場確保―!!!」
「・・・うるさい」
海岸線沿いを少し進んだところに浜辺の駐車場があり運良く一ヶ所だけ空いていたので有料だけど止めさせてもらった。
今は夏のシーズンということもあり、にぎやかな音楽に海の家があり浜辺に女子グループにカップル、そして家族連れがビーチパラソルやテントを張って楽しんでいる。
ライフセーバーの監視が光る海にも人がたくさんいる。
だけども私たちは海に入りに来たのではないのだ。
「食べるぞー!!」
そう、わざわざ食べに来たのだ。
モグは本当に口々に言っていたメニューを全て頼んだ。
「すごいなぁ、本当にそれ全部食べるの?」
焼きそばを焼きながら夏の陽ざしを絶え間なく受けた小麦肌の男性が言う。
「いやぁ、お兄さんの作る料理の匂いがどこの海の家よりもいい匂いだから選べないんです!」
私はこういう時にこの子は世渡り上手だなと思う。
しかも本心を言っているからこそ周りに愛されるのだろう。
「くぅ~、女の子にそう言われると嬉しいねぇ。よっしゃ!うめぇの作ってやるからな!」
「ありがとうございまーす」
「私はラーメンとイカ焼きで」
「おう!ラーメン大盛りでサービスしとくな」
「おー、ありがとうございます」
私たちは空いている席に座りこのあとの計画を練った。
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最後までお読み頂き、ありがとうございました💖
午前の真野はいかがでしたか?
読者様に好評でしたので続編を書いてみました🌟
今後も個性あふれるホラーな話を作っていきますのでスキ・コメント・フォローなど頂けますと励みになります❗❗
まだまだ、note初心者ですが、皆様の喜んでもらえる作品を作りたいと思います💖
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