「ハンコ文化と効率化」ショートショート
「聞いてくれよ、うちのワイフがどうしても行きたいスーパーがあるっていってきたんだ」
「はっはっは、課長も大変ですね」
「どうしても行きたいけれども、車でしかいけない場所にあるから車を出せっていうんだ。だからしかたなく、そのスーパーへいったわけさ」
「へー、そのスーパーにはなにがあったんですか?」
「そこなんだよ。俺もワイフに帰り道に聞いたんだ。どうしてこんなスーパーにきたかったんだって。手にはごく普通に食料品しかないからさ」
「なにか特別な食品とかですか?」
「いやいや、それだったらいいさ。聞いたら、このスーパー、レジ袋が無料なのよってさ!」
「なんとw」
「ワイフにいってやったさ、そのレジ袋はいくらなんだい? ちなみに今日の駐車場代は1000円オーバーさ! ってさ」
「主婦あるあるなんですかねぇ」
「わざわざ休日に遠出までしての時間に人件費、経費・・・・ふつうのビジネスマンだったらやってられないよ。しかもそんなことをいったら、あなたは私との時間がたのしくないのね! とおこられる始末さ!」
「はっはっは、課長もついてないですね」
「まったくさ。合理的、客観的に考えて欲しいものだよ。そこいくとビジネスは楽だね。合理的で客観的であることが是とされるからね」
「まったくですね。課長、そういえばこの前の稟議はどうなりましたか?」
「ああ、例の件か。すまないがあれは出し直しが必要になった」
「え? どこかネックになりましたか?」
「いや、内容は問題ないよ。けれども、部長の前に専務が押印してしまってね。そのせいで、部長が正式な承認ルートではないということで、却下されてしまったんだよ。内容は同じでいいからもう一度いちから承認の取り直しを頼む」
「承知しました」
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