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ちゃんと聞かれる事の幸せ


「今はどんな物語を書いているの?」
先日、親戚の人に聞かれて気付いた。
本当に感謝の気持ちでいっぱい。
こんなに嬉しかったんだって思った。
泣きそうになった。

思い返してみれば、一回も聞かれた事がない。
だから時々どうしようもなく寂しい気持ちに襲われていたんだ。
興味を持ってくれて、読んでくれて。
読んでくれた人には感謝しかない。
身近な人は私に何も言っては来ないから。
自分から言うしかなかった。

以前、
「今、こういう物語を書いていて………」と話していて。無表情で聞いてた相手が、
「終わった?ずっとトイレ我慢してたんだ」
そう言った。
その後に何か言う訳でもなければ、聞かれる事もなかった。
自分は好きな事を話していただけだけど、
『相手が興味のない話なら、聞いているのも辛いだけか…』

わがままってヤツなんだろうな。
「聞いてっ聞いてっ‼︎」
それはもう辞めようって思った。
だから何も言わなくなった。
『自分が好きでやっているだけ』
それだけで幸せな事なんだと心に言い聞かせていた。

でも、この前は違った。
「読みたいわ」と言ってくれた。
そして思った。
関心を持ってくれるってやっぱり嬉しい。
やっぱり嬉しくて。
自分が今どんな事をしているか聞かれてみたかった。
『誰からも求められてない』
そう思う事の方が楽になっていた。
その代わり、そう思うと少し傷付いて。
勝手に少しずつ傷付いて、傷を増やして。

話せて良かった。
温かい何かに包まれた気がしたから。
ありがとうね。

泣いちゃうね。