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ECサイトのコンバージョン率(CVR)を高める8つの施策|CVRが低い原因や改善ポイントを解説

こんにちは!NA×NAです。

ECベンダーとしての視点から、業界のトレンドや課題を的確に把握し、最適な情報配信を行っています。ECサイト(オンラインショップ)の立ち上げから、売上UPや顧客満足度向上など、EC運営のサポートしています。

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ECサイトでCVR(コンバージョンレート)を向上させることで、自然検索やリスティング、ショッピング広告の効果も高まり、あらゆる広告施策が相乗効果を生みます。

CVR改善のためには、「ユーザーが最初に訪れるページ」から「カテゴリーページ」「商品ページ」など、複数のポイントを見直す必要があります。

コンバージョンレートはECサイトの売上に直結する重要な指標です。思うようにCVRが伸びない運営者も多いかもしれません。そこで、どのポイントに注目し、どの施策を実行すべきかを詳しく解説します。


ECサイトにおけるコンバージョン率と計測方法

コンバージョン率とは

CVR(Conversion Rate)とは、一般的に「コンバージョン率」や、「コンバージョンレート」と呼ばれています。コンバージョン率は、WEBサイトにアクセスしたユーザーのうち、どれだけの割合が「最終行動(ゴール)」に至ったかを示す数値です。

例えば、ECサイトでは商品購入、サブスクリプション型動画配信サイトでは会員登録、保険サイトでは資料請求がそれぞれコンバージョンにあたります。ECサイトでは、CVRを「購入率」と呼ぶこともあります。

100人がサイトにアクセスし、そのうち10人が商品を購入した場合、「コンバージョン率は10%」となります(10人 ÷ 100人 × 100 = 10%)。人数がわからない場合は、セッション数を使って計算することもあります。

ECサイトのコンバージョン率の計測方法

ECサイトでのCVRの計算方法は、次の式で算出できます。

CVR(%)= コンバージョン数 ÷ ユーザーアクション数 × 100

コンバージョン数は、ユーザーが最終行動に至った回数を指します。ECサイトでは通常、商品購入がコンバージョンとなります。ユーザーアクション数は、ユーザーの行動を示し、WEBサイトのPV数やアクセスしたユニークユーザー(UU)数が該当します。

1人のユーザーが複数回訪問したり、複数のページを閲覧する場合、PV数は増えますが、ECサイトではUU数を使ってCVRを算出することが一般的です。

そのため、ECサイトではCVRは次のように算出されます。

CVR(%)= 購入回数 ÷ UU数 × 100

例えば、あるECサイトAに10,000人が訪れ、100回の購入があった場合のCVRは次のように計算できます。

100(回) ÷ 10,000(人) × 100 = 1(%)

同じ日に別のECサイトBには1000人が訪れ、50回の購入があった場合、CVRは次のようになります。

50(回) ÷ 1,000(人) × 100 = 5(%)

仮に同じ価格の商品を売っていた場合、購入回数だけを見ればECサイトAの方が多いですが、CVRはECサイトBの方が高いため、効率が良いと言えます。

例えば、1人当たり10円の広告費で集客している場合、ECサイトAは広告費に10万円、ECサイトBは1万円を使っていることになります。ECサイトAは売上が2倍でも、広告費は10倍かかっていることになるわけです。

もし、ECサイトAのように集客はうまくいっていてUU数が伸びているがCVRが低い場合、CVRを向上させる施策を優先するべきです。

逆に、ECサイトBのようにCVRが高いもののUU数が少ない場合、まず集客施策を強化し、アクセス数を増やすことが重要です。

このように、売上やコンバージョン数だけを見ていると、何を優先すべきかを誤ることがあります。

そのため、CVRを理解し、適切な施策を取ることが大切です。

ECサイトにおけるコンバージョン率の目安

ECサイトのコンバージョン率が数値で計測できるようになると、それが高いのか低いのかが気になるものです。しかし、適切な目標となる数値は一概に決まっていません。商品ジャンルや知名度、価格などによってコンバージョン率は異なるためです。

例えば、高額商品はコンバージョン率が低くなりがちで、季節や時期によっても変動します。

それでも、一般的な目安としてコンバージョン率は1〜3%程度と言われています。小売系のECサイトでは、3%を目標にするのが理想です。

ECサイトでコンバージョン率に影響するページ

ECサイトのコンバージョン率を上げるためには、サイト全体のどのページを改善すべきかを特定する必要があります。しかし、コンバージョン率だけではどのページを改善すべきかはわかりません。コンバージョン率は「最終的な成果」の数字なため、どのプロセスでユーザーが離脱しているかはわからないからです。

購入には「商品を確認する」「カートに入れる」「決済をする」など、いくつかのステップがあります。それぞれのステップで、どれだけの人が次に進んでいるかを計測することで、改善すべきページやプロセスが分かります。

ランディングページ・商品ページ

ECサイトでは、トップページに主要な商品を掲載して、訪問者が商品ページにたどり着きやすくすることが一般的です。

しかし、検索エンジンからサイトに訪れたユーザーが最初に見るページは、必ずしもトップページではありません。実際には、商品ページや商品カテゴリー一覧ページに直接たどり着くことが多いです。

どのページに訪れても、ユーザーが商品を買い物かごに入れたくなるような工夫が重要で、これがコンバージョン率の向上につながります。

特に、一覧ページに訪問したユーザーには、商品ページに誘導するためのリンクやボタンなどの導線を設置し、スムーズに次のステップへ進めるようにすることが求められます。

買い物かご・ショッピングカート

商品ページにたどり着いた訪問者が、どのくらいの割合で商品を買い物かごに入れたり、カート画面に進んだりするかは、ECサイトにとって重要な指標です。この割合は「カート投入率」と呼ばれ、一般的には約5%が平均的な数字だと言われています。

ランディングページから商品ページにたどり着いた訪問者は、その商品にある程度の興味を持っていると考えられます。そのため、カート投入率を向上させるためには、商品の購入意欲をさらに高める施策が効果的です。

具体的には、商品の魅力を強調する情報を提供したり、購入のハードルを下げる工夫(例えば、割引や送料無料など)を行ったりすることが有効です。

また、CTAボタンを工夫も重要です!

決済フォーム・確認ページ

決済ページや購入前の確認ページは、特に重要な対策が求められる箇所です。近年、ECサイトの利用者は商品をカートに入れた後、決済前に離脱するケースが増えています。

この離脱の割合は「かご落ち率」と呼ばれ、平均で約70%にもなります。この数字は、複数の調査結果に基づいており、例えば、2019年の「Baymard」の調査では69.57%、2018年の「SaleCycle」の調査では75.6%(旅行業界では81.1%)、2013年の「BI Intelligence」の調査では71%がかご落ちしていると報告されています。

かご落ち率を減らすためには、サイト利用者が購入完了前に離脱する原因を特定し、取り除く必要があります。原因は複数考えられるため、離脱の理由を分析し、それぞれに適した対策を取ることが重要です。

例えば、買い物かごに商品を入れたことを忘れている場合は、離脱前にメッセージを表示したり、リマインドメールを送ったりすることが効果的です。

ECサイトでコンバージョン率が低い原因3選

ECサイトでコンバージョン率が低い原因には、以下の3つの具体的な要因が考えられます。

ECサイトアクセス者がターゲットと異なる

ECサイトにアクセスしているユーザーが、実際に商品を購入する可能性が高いターゲット層と合っていない場合、コンバージョン率は低くなります。

例えば、年齢層や性別、興味関心に合わないユーザーが多く訪問している場合、そのユーザー層は購入の意欲が低いことが多いです。

この場合、ターゲットに合わせた広告配信やSEO対策を見直し、訪問者層を改善することが必要です。例えば、Facebook広告で特定の属性を狙うGoogle広告のキーワードをターゲットに合わせて調整するなどが効果的です。

ECサイトの構造が悪い

ECサイトのデザインやナビゲーション、購入までのプロセスが複雑だったり分かりづらかったりすると、ユーザーは途中で離脱してしまいます。

例えば、商品ページに情報が不足していたり、カートに商品を入れた後、購入手続きが煩雑だったりすると、ユーザーは購入を諦めることがあります。

また、モバイル端末に最適化されていないサイトも、スマートフォンからのアクセスが多い現代ではコンバージョン率を下げる要因となります。

これを改善するためには、シンプルで使いやすいデザインにすること、ページの読み込み速度を速くすること、そしてモバイル対応を強化することが必要です。

市場や環境が変化している

市場や競合環境の変化に適応できていない場合、コンバージョン率が低くなることがあります。

例えば、新しい競合サイトが登場し、価格やサービスで優位性を持つようになると、ユーザーはそちらに流れてしまう可能性があります。また、消費者のニーズが変化している場合、提供している商品やサービスがその変化に対応できていないと、購入意欲が減少します。

この問題に対処するには、市場調査を定期的に行い、顧客のニーズや競合の動向を把握し、サイトや商品ラインアップを柔軟に見直すことです。

ECサイトでコンバージョン率を高める施策8選

ECサイトでコンバージョン率を高めるための施策として、以下の8つが効果的です。

レビューや事例を活用する

商品ページに実際の購入者からのレビューや、使用事例を掲載することで、訪問者に商品の信頼性を伝えられます。

特に、ポジティブなレビューや、ユーザーが商品をどのように使用したかを示す具体的な事例(例えば「○○に使って便利でした」など)を加えるなど、訪問者は自分も同じように使えると感じやすく、購入の決断を後押しします。

また、レビューが多く高評価であるほど、他のユーザーからの信頼性も高まりやすくなります。

様々な決済方法を導入する

顧客が自分の好みや利便性に合わせた支払い方法を選べるようにすることは、購入のハードルを下げる大きな要素です。

クレジットカードやデビットカードの他に、PayPal、Apple Pay、Google Pay、後払い、コンビニ決済、電子マネー(楽天EdyやSuicaなど)を導入することで、顧客の支払いの選択肢を増やし、カートに商品を入れた後の離脱を防げます。

特に、後払いサービスを提供すると、購入を躊躇しているユーザーの不安を取り除くことができます。

チャットボットを活用する

ECサイトにチャットボットを導入し、24時間いつでも質問に答えられるようにすることで、ユーザーの疑問や不安をその場で解消できます。

例えば、商品の詳細、送料や返品ポリシーに関する質問、在庫状況をリアルタイムで答えることができ、サイト訪問者が購入を決断しやすくなります。

チャットボットが解答した後に、関連商品を提案したり、セール情報を案内することもできます。

モバイル(スマートフォン)対応の最適化

ECサイトへのアクセスはスマートフォンからのものが増えており、モバイル端末に最適化されていないとユーザー体験が悪化し、離脱率が高まりやすくなります。

モバイルに特化したデザイン(例えば、簡単にタップできるボタン、スムーズなスクロール、表示の高速化)を取り入れることで、どのデバイスでも快適に買い物ができるようになり、コンバージョン率が向上します。

特に、タッチ操作に適したインターフェースを整えることで、モバイルでの購入体験を向上させます。

インセンティブ設計をする

購入意欲を高めるために、割引やクーポン、ポイント還元などのインセンティブを提供すると効果的です。

例えば、「初回購入で10%オフ」「送料無料」「購入金額が○○円以上でクーポンプレゼント」など、訪問者に「今すぐ購入しなければ損をする」と感じさせるオファーを出すことで、購入に繋げやすくなります。

また、タイムセールや数量限定の割引も、購入を決断させる大きな要因となります。

チェックアウトまでのプロセスの簡易化

購入手続きが複雑だと、途中で離脱されることが多いです。

顧客がスムーズに購入を完了できるように、チェックアウトページの入力項目を減らすことが大切です。

また、住所や支払い方法を登録せずに、ゲスト購入ができるオプションを提供することで、会員登録の手間を避けたいユーザーの離脱を防げます。

さらに、カート内容の確認を一目でできるようにし、購入手続きを1ページで完了できるようにするのも効果的です。

サイト表示速度の向上・エラーの防止

サイトの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じ、すぐに離脱してしまいます。

特に商品ページの読み込みが遅いと、購入の決断をする前に諦めてしまうことが多いため、画像の圧縮やキャッシュの利用、サーバーの性能向上などで表示速度を速くすることが重要です。

また、エラーが多かったり、リンク切れがあったりすると、信頼を失い、コンバージョン率が下がります。定期的なメンテナンスでこれらの問題を防ぎ、サイトの信頼性を高めましょう。

配送・サービス品質の向上

配送に関するサービスが不安な場合、購入をためらうユーザーが増えます。

無料配送や、迅速な配送(翌日配送や当日配送など)を提供することは大きな魅力となります。

また、商品の配送状況を追跡できるようにする、返品・交換ポリシーを明確にすることで、顧客の不安を軽減します。

特に、注文後に「配送中」のステータス更新や、配達員からの連絡を提供するなど、顧客に安心感を与えるサービスを提供することがコンバージョン率の向上に繋がります。

まとめ

ECサイトの売り上げを伸ばすためには、単にコンバージョン率を把握するだけでは不十分です。サイト訪問者が購入に至るまでの行動を細かく計測し、数値で可視化することで、初めて改善策を講じることが可能になります。

ユーザーの行動プロセスを段階ごとに計測し、最適化を進めることで、サイト全体のコンバージョン率向上が期待できます。

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