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つらい過去を上書きできるくらいの幸せを手に入れるために。

樋口若葉(わぶちゃん)が、おばあちゃん(富士子)と住み慣れた「ボロ屋」を手放し、東京に引っ越すことになってガラッと変わったこと。

わぶちゃんに言わせると「悪魔のような母親」ー 地元にいるだけで、若葉は「“あの人の娘”」になって、決していい目で見られることはない。 

「わたしの父親は誰?」

最後の味方は父親かもしれないと、縋るような声を出すわぶちゃんに、富士子は「産んだ本人がわかんない、って言ってんだからわからないんじゃないのか?」と、最もな答えを寄越す。

それが余計に「わたしの親はあの人で、あの人にわたしはこれからもずーっと苦しめられるんだなぁ」なんて思わせてしまう。

「あの人」がどんなに酷い仕打ちをしてこようがそれはそれで偉い迷惑だけど、究極そこはどうでも良くて、若葉本人は何もしていなくても、そういう目でずっと見られることのほうがつらそうに見えた。

当の本人は実家にほとんどいなくて、ふらふらどっか出歩いていて…

母親(おばあちゃん)や娘をヒモにして、金だけスタコラサッサと奪って逃げる。

「そんな人は放っておいて東京、行くか!」  

その一言で
行動に移してくれた富士子ばあちゃん。

孫に気を遣わせないためなのか、「引っ越すことが決まったからには、もうこんな家にいたくないわ! 善は急げと言うしな!」とばかりに腰を軽くしていた。

引っ越すことが決まると、「厄介なあの人」をどうやって巻こうか、とか
もし「あの人」の見える範囲内で引越し先を間違えて選んでしまったら、とか不安はもちろんあったと思う。

わぶちゃんは、お代理さまとケンタのそばにいたい思いが“限界”に来ていて、バスツアーで三人バラで買った宝くじの賞金で「カフェを開こう」と夢見ていた。

でも、心の優しいわぶちゃんだから
おばあちゃんを地元に置いていくなんて
できっこないよ!

って思ったのかもしれない。
わたしが東京行くなら一緒に行かないと、「あの人」の目からおばあちゃんは一生逃れられないんだよ、ってことがわかってたから。

お代理さまの住む団地に無事、引っ越すことができたわぶちゃんは、そこから急速に“元気”を充電し始めた。みねもいる、お代理さまもいる、お母さん代わりの邦子さんもいる。安心できる環境、地元以外に全然ある! ー って。

友達からも裏切られて、地元も親もいいことなかったわぶちゃんにとっては奇跡とも呼べる出会いだったのかも。

「今いる場所が全てじゃないよ。
周りを見たら、あなたのことをちゃんと見てくれる人や、良さをわかってくれる人がいるし、
あなたのいいところを探して教えてくれる人もいるんだよ」ー

わたし自身にも言い聞かせたいし、何よりもわぶちゃんにプレゼントしたい言葉。
92万という大金を親に奪われ、それを貯めるまでどんな苦労があったかも知らずに掻っ攫っていく母親は悪魔間違いなしだと思う、マジで。

その悪魔は、
天使達の正当な「裏切り」によって
親(富士子)と娘(わぶちゃん)の引越し先がわからなくなっていた。

「金、そろそろ借りようかな」なんでノコノコやって来たタイミングでそのふたりが引っ越し終わっていて本当に良かったと安心した。

それと同時に、悪いことはするもんじゃないね、と
わぶちゃんの母親に心のなかで「ほらね」と呟く。

わぶちゃん達がどうかこれからも
幸せに、穏やかに過ごせますように。 
今は純粋に思えるけど、そこに辿り着くまでに、わたしはとんでもない勘違いをしていたんだ。

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