過去に書いた物語「天才は孤独でしたその2」
過去に書いた物語の続き。その1からどうぞ。
一人と独りは違う。
一人じゃない独りぼっちが一番寂しいね。
天才は天才でした。
みんなが羨む天才でした。
独りぼっちの天才でした。
天才はお花が好きでした。
無駄な愛想笑いも
無駄なお世辞も
嫉妬も恨みも愚痴も
無いから好きでした。
孤独に咲いているお花は
『まるで自分みたい』と天才は思っていました。
本当の大切な部分は花びらなんかじゃないのに
上辺の美しさだけを誉められる花々。
天才は能力を誉められるのは嬉しいのです。
けれど
寂しい気持ちは消せません。
天才はお花の横に座り涙を零します。
言葉を喋らないお花は優しく揺れます。
天才はぶつかるのが下手くそでした。
ぶつかりかたを知らないから
恐くて上まで上がってきたのです。
誰にもぶつからない
誰の手も届かない
だけど、みんなを見下ろせる。
そんな位置に天才はいるのでした。
言葉は人を傷つけて
言葉は自分も傷つけて
関係を持つのは馬鹿馬鹿しいと
そう言いながら
小さく震えていたのです。
お花は喋らないから…
世話をしないと死んでしまう。
自分が世話をしなければ …
自分を本当に必要としてくれる。
天才にとってお花は家族より確実に
自分の存在を証明してくれるのでした。
自分を大切にしてくれる事を
間違えた天才。
本当の大切な温かな存在はお花では駄目なのです。
互いに怪我をし合い
それでも抱きしめられる存在に
出会えたら
天才の孤独は晴れるのに。
頑なに
拒絶をしている自分も
認められないほど
天才は弱虫でした。
けれど
天才は天才であろうと
努力をしていましたから
周りの誰も天才の内側の傷には気が付きもしません。
天才も知らないのでしょう。
その胸がギュッと痛む理由など…
天才は天才でした。
素晴らしい天才でした。
だけれど
悲しい天才でした。
「現在の私の独り言」
直向きに上を目指す人と、このお話の天才は少し違います。
私は小さな丘に登って、高い高い山を見上げながら美味しいおにぎりを食べました。
山頂からの景色を見れない自分じゃ駄目だと思いますか?
こんなにおにぎりは美味しいのに。
あの頃の私の周りには、このお話のような天才が多かったのでしょう。
私はあまり上を目指さないうえに嫉妬もしなければ手放しで賞賛もしないので、そういう人から攻撃されたりしていました。
そのたびに、あぁ苦しいんだなと思っていました。
私には到達出来ない場所に、あなたは努力して立っているのに、寂しくて悲しいんだなと感じました。
その3まで過去の私は書いています。
気が向いたら、その3も載せようと思います。
ここまで読んでくれて有り難うございます。
一緒におにぎりを食べましょう。
上を目指すのはそれからでも遅くないですよ。
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