推しを想うファンの気持ちは地球と人工衛星に似ている
―知ってた?
――恋は落ちるものなんだって。
私は恋に落ちない。
夏の呟きの通り。
私が恋に落ちた風に見える時は、私が自前で掘った落とし穴に、それこそ、わざとらしく落ちて「えっへへ〜☆恋に落ちちゃった!」してる時である。
さて、私は恋の落とし穴を思い浮かべる。
落ちて見上げた空はぽっかり丸い。
小さな空だけで視界はいっぱいだ。
他のものは見えない。
そうか………これが恋は盲目か………。
なんか狭くて。
私には向かない。
落とし穴なんてスケールじゃなく
滝から落ちたらどうだろう?
空は青くて世界は広かった。
途中で羽ばたかないと死ぬけど。
なんて、地球の輪郭を内側から眺めていた。
そこで思いつく。
あ、隕石は?
地球に惹かれ落ちてくる。
止めようのない心。
それが隕石。
当たればお互い怪我をする。
だから普段は弾き合っている。
あぁ、これは運命の恋人達だな。
―恋は落ちるもの
―落ち続けてる人工衛星
―――あ、ららみぃたんさん
人工衛星は浪漫ですよとコメントしたけれど、本当にそう、思うのだ。
地球の輪郭にそって落ち続けながら、人工衛星は星を見守り続ける。
けして触れる事のできない、星を見つめ続ける。
それでも、いい。
青い地球は美しい。
宇宙に星はゴマンとあれど、目の前の星に釘付けだ。
これも、恋かもしれない。
落ち続ける恋。
いや、これは、もう、ファンが大好きな推しに対する心じゃないか?!
大好きな推しを眺められる幸せ。
しかし、触れることも一緒になることも難しい距離感。
けれど、応援し続けたい!!
輝く素敵な君のために!!
まさに地球と人工衛星!!
月でもいいじゃんって?
それはちょっと違う。
月と地球は自然的にそういう関係。
もっと長くて、重くて、褪せている。
人工衛星は地球が打ち上げるってとこも、推しとファンの関係に似ていると思うの。
そんな事を思いついて、布団の中でわぁっとして、毛布を抱きしめる。さむい。
私は恋に落ちないけれど、落ちる日とか来るのかな。
年齢や立場を盛大に忘れて、たまにワクワクしてみたりするんだ。
いや、こないんだけどさ。そんな日は。笑
恋する人工衛星達が、いつまでも素敵な星を眺めていられる宇宙でありますように。