歴史小説「Two of Us」第3章J-36
割引あり
~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第3章 本能寺の変以後から関ヶ原合戦の果てまで
(改訂版は日本語文のみ)
The Fatal Share for "Las abandonadas"
J-36 ~ The end of a Civil War era ~
細川忠興は一晩中、本陣に戻っては来なかった。
枯れるまで涙を流したのか、それとも、あなた珠子との今までの二人の生涯を思い出していたのか。。。
あくる朝、半ば水ぶくれのむくんだ顔で、忠興は戻って来た。
「家康殿。戻りました。
それがしが、石田三成の首、討ち取って参りまする!
珠子の、、、珠子の意志を受け取りました。
誰も手出しさせないで欲しい。それがしを、先陣に置いてくだされ。
どんなに、それがしが狂っても、お止めなさいますな。
先陣で、誰よりも数を敵方の首級、持ち帰って参りまする。
それがしを、先陣に」
「、、、忠興殿。。。」
「珠子の意志を。そしてこの戦乱の世を、家康殿が御収束くださりませ」
徳川家康は、黙ってゆっくりと頷いた。
「忠興殿。三成は、動き出したそうじゃ。
西側の総大将は毛利じゃが、実質は三成が全指揮を執るじゃろう。
あやつが、果たしてどれだけの味方を、残すかのう。。。
のう❔忠興殿❔」
家康はすかさず、味方の東軍武将達に伝令を、指示する。
「細川家玉造屋敷が炎上し、籠城のうちに全焼した。
人質に成る事を拒否された、細川家正室珠子殿が、亡くなられたと伝えるのじゃ。1人残らず、全ての武将に伝えよ。
珠子殿の御遺志は、夫忠興殿と共に、この天下分け目の戦いで、和平に収める最後の戦(イクサ)とする事じゃ。
わしが。この家康が、西国をも、治める。よいな❓今から伝えよ。
小早川秀秋にも、吉川広家にもなんとかして伝えよ。三成に味方する大名達にも伝わるように、するのじゃ。
よいな❓、、、かかれ!!」
ここから先は
1,948字
/
4画像
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?