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歴史小説「Two of Us」第3章J‐21

割引あり

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第3章 本能寺の変以後から関ヶ原合戦の果てまで
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"


J-21 ~An Invitation From A President~

  騎馬十頭、鉄砲隊百名、旗持ち槍隊百名、リーダー武将は細川忠興含む伍名。以上が、船十隻に乗り分けた。

 南蛮〈葡萄牙(ポルトガル)の艦隊なら東シナ海を渡り、直接北京へ上陸を果たせたかもしれないが、その取引が成立しなかったからこその、今回の朝鮮半島からの上陸作戦。

 高麗(現在の朝鮮半島の2国家)を侵略するためではなく、〈明〉との対等な勘合貿易を復活させたいがための、道案内。それを高麗側が拒否したからこその、強引な侵攻。そして、戦い慣れをしている日本国軍は、あっけないほど、首都ソウルの皇帝居城を占拠できた。

 太閤秀吉の野望の取っ掛かりは順調ではあった。だが、留まるところを知らない太閤秀吉の野望は、中国大陸を占拠統治後に亜細亜の大国として南蛮諸国と対等な関係を結ぶ事であり、織田信長存命時からの展望を、受け継ぎ叶える筈なのだった。
 まだまだ最初の一歩でしかないのだが、既に秀吉の器を越えた予想以上に難攻不落な展望である事、世界情勢に詳しい臣従の武将は感じ取っている者も、現れている。

 あまり日本各地の武将は乗り気ではない。戦う意味さえ混乱している状態で、でも自国で戦ってきたように、進撃を拍子抜けするほどスムーズに続けていた。

 

 「文禄の役」と「慶長の役」は、同じく朝鮮軍と戦っても、まるで大義名分が、違う。

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