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漢字検定で先取り学習する理由

・先取り学習なんて必要ない。
・漢字学習なんて頑張らなくていい。

だって、社会に出れば、日常で必要とされる漢字の読み書き出来ない人はいないし、先取りで勉強を進めたからといって、いい進学、いい就職、いい結婚に至れる保証もないのなら、子供はその年齢で楽しめる精いっぱいを過ごし、健やかに育てばいい、と思います。
じゃあなんで?先取り学習する人がいるのでしょう?

簡単な漢字と難しい漢字を分けて考える?

一般的に大人に達した方に、
「漢字の『つくる』を書いて」と出題するとどうなるでしょう?

「えっ?」
「『つくる』は色々あるけどどれのこと?」
となるでしょう。そして、
『作る』に対して
  「ああ、簡単なつくるね」とリアクション。
『創る』に対して
  「難しい方ね」などと頭をひねる。
おまけに『造る』なんていうのもありますが…。
どうします?

この「簡単」とか「難しい」というのは、
誰がどのように決めたのでしょう?
そのヒントは、ここにありそうです。

文部科学省は学習指導要領「生きる力」より

この中で、
小学生の各学年で習得する漢字がカテゴライズされています。

低学年には画数が少なく、親しみやすい文字が並んでいます。
初めて学ぶ1年生には必要な配慮かもしれません。
ですが、3年生以降の漢字を見ると、なんでこれが3年生で、こっちが6年生なんだと思ってしまう字がいくつもあります。

例えば、「穴」(6年生)
物語でもよく出てくるし、1年生でも書けそうですが、6年生の漢字です。
他にも、「干」(6年生)
確かに使い方は難しいかもしれませんが、お掃除やら食べ物やらで干すことはとても身近ですが、6年生まで学びません。
「宝」「舌」「砂」(6年生)なども同じく、よく使いませんか?
もっと早く学んだら、物語が楽しく読めそうです。

加えて、「砂」は、
「石」と「少ない」の組み合わせで、2年生でも理解できそうです。
なのに6年生の漢字なのね…。とチグハグな違和感を覚えます。

つまるところ、漢字に関して
簡単と難しいの境目を作ること、そのものの意義を含め、
漢字の画数が多い・少ないとか、
上学年・下学年というカテゴリとか、
習ってる・習ってないとか、
あまり意味をなしていないのではないかと思うのです。

子どもにとって、初めて見る漢字は
易しかろうが、難しかろうが知りませんし読めません。
知らない漢字との出会いは、いつも未知との遭遇のようです。

それでも、何度も何度も目にする漢字は、自然と覚え、理解する。
だから、漢字学習は、
・先取り学習なんて必要ない。
・漢字学習なんて頑張らなくていい。
という意見にも頷けるのです。

実用的に漢字を学ぶ=先取り学習

必要なものから覚える、良く触れるものから学ぶと考えれば、学年ごとに学ぶ順序性を作る必要など無くなってしまいます。
加えて、生活の中で繰り返すことで、記憶への定着率が良く、苦労せずに習得しやすくなると考えられます。

目にした漢字に対して、
「まだ習ってないからわからない」ではなく、
「なんていう漢字なんだろう?」という興味を持たせることが本当の学習といえるのではないかと思うのです。

それは、結果的に学年を超えた「先取り学習」になる、といえばそうかもしれません。
わからない漢字と出会ったら、その時どうするか、だけの違いです。
辞書を引くとか、ネットで調べるとか、
小学1年生でも、辞書やネット環境さえあればできてしまいます。

それを繰り返ししていくことは、
本がスラスラ読めるようになるチャンスだし、
いつの間にか、漢字が得意になっている、
といったことが起きてくる。
実用的な漢字の先取り学習が成立するメカニズム。
本読みが推奨される理由でもありますね。

でも、漢字には「読む」と「書く」の2側面があります。「読み」はいいけど「書く」が苦手、では困るのです。
入試では漢字を書けることが求められている…。
では「書く」という力はどうしたらよいのでしょう?

漢字を書くための、うちの娘の学習

漢字練習は、義務教育を受けた全員が通った道。
皆様ご存じのとおりですが、
プリントまたはドリルなどの漢字練習帳にある、薄い文字をなぞり書きするところから始まって、見本を見ながらマス目にバランスを考えながら自分で書き、書き順とともに理解できるようにする、というのが一般的な取り組みではないでしょうか。

漢字練習帳(サンプル)

漢字練習帳で字を知る、漢字の形を知る

漢字練習帳を通して、漢字一つ一つを枠におさまるように書く練習をするとこんな漢字があるのか、と文字と向き合う時間になります。
これは、結構重要だと思っています。

漢字練習帳では、はじめに、なぞり書きを通して、書き順を把握します。次に、繰り返しの自分書きを通して、漢字の形を再現することで書き方に慣れていきます。
この過程も不可欠で、漢字を書くための必須の学習方法として、漢字検定チャレンジ中の娘もまず取り組むことにしています。

ですが、漢字練習帳を1冊終えたとしても、もう最初の文字は忘れてしまっていて、書いみて!と問いかけてもほとんど書けません。
娘自身が気になった漢字は印象深く覚えていることもありますが、かなりの確率でなぞり書き+繰り返し書きの自分書きでは忘れてしまいます。

これは、漢字練習帳の構造上、無理のないことで、
常に答えとなる漢字を見ながら書いているので、暗記には至っていないからだと思っています。

じゃあ、どうすれば漢字を覚えられるのか。
漢字練習帳の弱点となっている暗記部分を補強する必要があるのです。

漢字練習帳を書き終えたら、文字記憶状況を確認する

漢字練習帳でせっかく知った漢字を、記憶にとどめないのはもったいない話です。

ある程度の漢字練習が進んだら、区切りを作り、復習に入ります。
とその前に、大切なポイントがありました。

それは、書けなくてもよいことを保証し、安心できる状況を確保して進めていくということです。
漢字学習の前提として、書けないことを責めないという姿勢が重要です。
今まで知らなかったんだから、書けなくて当然だよ、というメッセージ。

逆に、漢字練習帳に書いただけで、記憶した漢字があるならば、その素晴らしさを称賛していくことで、漢字嫌いにしないように心がけることが重要と考えています。

そのうえで、復習として、
「わかるところを書いてみて」と、漢字練習帳で取り組んだ成果を書かせてみます。
練習帳の途中に、まとめの復習などのページがついていることがありますので、それを活用するのもよいですね。

学年ごとに学ぶ漢字は増え、3年生では100文字近くなりますので、一気に漢字練習帳を終わらせるのではなく、細切れにするのがお勧めです。

その次に、することは・・、たくさんあるのですが、
今日の記事はずいぶん長くなってしまったので、続きはまた今度にしたいと思います。

長々とお読みいただき、ありがとうございます。
引き続き、取り組みをシェアしますので、また遊びに来てください。

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