tendon 祭り
オイラは tendon を応援したい。
tendon とは筋肉と骨をつなぐ「腱《けん》」のことである。フライドチキンを食べたときに骨の端っこに残るスジ、あれが腱、すなわち tendon だ。
読み方は「テンドン」。ただし「天丼」のアクセントではない。「マンション」のアクセントと同じで、前半が上がって後半で下がるのだ。
オイラは日頃から、この「tendon」が「マッスル[muscle:筋肉]」ほど広く世間に浸透していないことを不憫《ふびん》に思っている。筋肉と一体の存在なのに声に出してもらう機会がほとんどない。整形外科ならよく使うかもしれないが、病院勤務時代を思いだしてみても、それ以外で「tendon」と聞いた記憶がほぼほぼない。病院でそうなのだから、普段の生活ではなおさらである。
「天丼」と少しアクセントが違うだけなので、覚えてしまえば使いやすいと思うのだが、いかんせん、病院の外では「tendon」のアクセントを知る機会が少ない。
というわけで、今日はみなさんに正しい「tendon」のアクセントをお伝えしたい。簡単な覚え方も考えてきたのでトライしてみよう。追いつくぜ「マッスル」!
初 tendon のみなさんは不安かもしれないが、心配は無用。やり方はいたってシンプルなもので、
・手拍子に合わせ、「tendon」とおなじアクセントの言葉を続けざまに言う。
これだけだ。
アクセントがうなじ(おなじ?)言葉については、下記のとおり既に用意してある。太字箇所の発声を手拍子に合わせてみよう。30 秒もすれば、あんれまぁ~。たった 24 拍で「tendon」のアクセントが、あなたのものに!
それでは準備はいいですか~。「ワッショイ ワッショイ」のリズムですよ~。
では、まいりま~す。1、2の3、ハイ。
ね、簡単でしょ? 「tendon」の発音だけなら、もうプロと一緒。今日が「人生で一番『tendon』と言った日」になったんじゃない? オイラもこの作品をつくってる途中に、病院で働いていたころに言った回数を超えちゃったもの。勢いあまって残りの人生で使う予定だった「tendon」まで使い切っちゃったよ(ダメじゃん)。
でも後悔はない。「tendon」のアクセントを世界中のみなさんに思いきり紹介できたし、まだ 「tendon」 のアクセントを知らない人たちにも、それを「覚えるためだけに必要な作品」をひとつ残せたんだから、気分は爽快。
これで tendon のためにオイラができることは全部やり切ったわけだが。
そうそう、注意事項があった。
【注意事項】
『tendon 囃子』を「天丼」のアクセントで唱え続けないように。
〔理由1〕
『tendon 囃子』が『tendon 経』になる。
(木魚)ポンポン ポンポン ポンポン ポンポン・・・・・・
(お鈴)チーン・・・・・・
ドライブ中は絶対に唱えないように。
〔理由2〕
事実上 tendon がお陀仏になる。頃合いを見てやめるように。
〔理由3〕
誤ったアクセントが定着して「テンション」や「ロンドン」が通じなくなる。すべて tendon 様の祟りだ。甘んじて受け入れるように。
【参考】
「tendon tendon」の部分だけ「天丼 天丼」のアクセントに変えて唱えるのは、マジ修行。
Ⓒ2023 Namio Kotori
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