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捨て論かな?

 とある購買心理学の応用法を考えた話。

 買おうとしている服の色で迷ったとき、同じ形の違う色のものと見くらべることがあるが、販売する側は客のそういう行動を踏まえ、売りたいほうの色がより良く見えるような、あまり客に好まれない色を始めから並べるのだという。そういう色を〈捨て色〉と言い、実際に色を比較対照した客の多くは店側が売りたい色を購入していくのだという(そうなんだ~)。
 たしかに、定番色のニットの隣りに「これ売れるのかなぁ」と思うような色のニットがたくさん置いてあったりするのを見かけるが、そこにはこんな理由があったのね(ガッテン、ガッテン)。

 こういった〈捨て色〉風の考え方を応用すると良さそうなことは他にもありそうだ。たとえば、車のショールームで捨て色を塗装した車を展示したら、売りたい塗装色のモデルがたくさん売れるようになるかもしれない。でも、そうなるとかなりの敷地面積が要りそうだ。それに見て回るほうも大変だから、あまり現実的じゃないか。
 ただ、ディーラーでボディカラーを比較検討しようとすると小さな塗装サンプルを見せてくれるだけという現状は、全体像がイメージしずらいので何とかしたいところ(そんなことない?)。

 というわけで解決法を考えてみたのだが、ボディのパネルごとに塗り分ける方法くらいしか浮かばなかった(ションボリンコ)。
でも、この方法だとモザイク柄の車ばかりになって単色モデルを見ることができないので、壁面にそれ用の大型ビジョンを設置したほうがいいかも。
 いや、ちょっと待てよ。そう言えば、今はVRゴーグルというものがあったではないか。のん気に大型ビジョンを設置している場合ではないぞ。
 というわけで考え直した修正案がこちら。

 展示スペースにVRゴーグルだけあればいんじゃね。

 VRゴーグルを着ければ、ボディカラーごとに車を原寸大で超リアルに見ることができる。もちろん〈捨て色〉効果だって期待できる(ワクワク)。テスラがすでに始めているかと思って調べてみたが、どうやらまだのようだ(国内メーカーさん、チャーンス!)。

 と、ここまではモノを対象にした〈捨て色〉テクニックの応用法を考えてきたのだが、ここからは〈人〉を対象にしたものを考えてみたい(人が大切なの)。人が対象と言っても外見ではなく〈こころ〉についてである。
 それはネガティブな気分をできるだけ早く解消し、つねにポジティブな気分でいられるようにするための方法である。具体的には、残してある日記や写真などの記録から気分が最低だったときのものと最高だったときのものを抜き出し、VRゴーグルの画面上に並んで見えるように設定するのである(それってゴーグル要る?)。そうすると〈捨て色〉効果で、気分が最高だったときの記録のほうに自然と意識が向いて、たぶんポジティブな気分に引き戻されるのである。
 この手法の名前を、〈捨て色〉にちなんで〈捨てメモ〉とした。メモはもちろん「MEMORY(記録)」の頭文字で、「MEMOATERARENAI(目も当てられない)」の頭文字ではない。
 自分としては、この方法のことを「適当に考えた割にはいいアイデアだなぁ」と思っているので、VRゴーグルを入手して試してみようかと思っている(だからゴーグル要る?)。 
 
 いやぁ、今日も超絶有用な作品ができたわ~。みんなもVRゴーグルを着けて読んでね~。ない人は競泳用でもいいよ~。

 
 


Ⓒ2023  Namio Kotori


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